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転生したら美少女騎士で百合ハーレムにいた。  作者: 碧月 紅
第二章 リヴィーと俺の慌しい朝
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「──まぁ、なるようになるか」

 そう呟くと、考えることを諦めた。

 ベッドに潜り込むと、そのまま目を閉じる。



 翌朝、ここの制服らしいものをクローゼットから見つけて、身支度を整える。

 スカートが短くて、足がすうすうする。

 部屋を出て廊下に出ると、何人かの少女が遠巻きにこちらを見ている。

 ──何か、リヴィーらしくない格好とか仕草をしているのだろうか。

 立ち止まって、誰かに声をかけようとすると、チャイムが鳴って、皆慌てて去ってしまった。

「皆どこに行ったんだろう?」

 時間からして、授業というよりは朝食の合図だろうか?

 誰もいなくなった廊下で、食堂はどっちだろうかと考える。

「困った、な──っ?」

 背中にドンっとぶつかったものがあって、独り言が途切れる。

「おっはよう、リヴィー」

 振り向くと、背中に張り付くように黒髪の、くせのある髪の少女が笑っていた。

「え、と──ごめん、誰だっけ?」

「やだなぁ、頭を打ったとは聞いてたけど、フィアンセのリーズを忘れちゃったの?」

「えっ?」

 ふぃ、ふぃあんせ? ふぃあんせってあれだよな、婚約者とか許婚ってやつで──。

 ちょっと待て、リヴィーもこの子、リーズも女だろ、この世界は女同士で結婚したりするのか?

「ご、ごめんリーズ……だっけ? 俺記憶がはっきりしてなくて──」

「うん、それはいいのっ、聞いてるから」

 そう言いながら腕に腕を絡ませられて、腕を組まれてしまった。

 黒髪の美少女に腕を組まれるなんて、多分元の俺なら嬉しいんだろうけど、いいんだろうか?

「あーっ! リーズ何やってるんですかっ!」

「──アイリーン……?」

 昨日の今日だから心配して迎えに来てくれたんだろうか、なんて一瞬考えてしまった。

「何抜け駆けしてるんですか、リーズ。

 リヴィーもっ、腕なんて組んじゃって!」

 いかにも怒ってますって顔でアイリーンに言われた。

「いや、だってリーズが俺のフィアンセだって──」

「リーズぅぅぅ!」

 アイリーンの怒鳴り声がして、思わず肩を竦めてしまった。

 どうやら、フィアンセというのはリーズの嘘らしい。


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