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不定期更新の異世界転生ハーレムもの、です。
ただし、主人公は意識は男だけど、女として転生した、ある意味百合ハーレムです。
俺の最後の記憶は──赤い月と赤い空。
多分目に入った血が全てを赤く染めてたんだろう。
そんな赤い月と空を見上げたままで、ああ俺は死ぬのかな、なんて思っていた。
そうして意識がだんだん薄くなって──プツンと途絶えた。
「あ、気が付きましたか?」
何だろう、額が冷たくて気持ちいい。
それに、綺麗な声だ。
「……ん……みず……」
喉がからからになっていて、ともかく水が飲みたくて声に出してみた──が、聞き覚えのない高い声は誰の声だ?
「はい、今持ってきますね」
今、水が欲しいって言ったのは俺で──俺?
俺──の声、なのか?
上半身を起こそうと腹に力を入れて起き上がる。
白い壁と見覚えのないベッド。
一瞬病院かと思ったが、特有の消毒薬の匂いはしない。
「ここ──どこだ?
な、何だよこりゃあ?」
思わず口に出た言葉に驚いてしまう。
普段の自分とは違う声、しかもどう聞いても女の声で──。
両手を見ると、白くて細い小さな手がそこにあった。
そのまま視線をずらしていくと、胸板のあった場所にふくらみがあって、シャツの合間から谷間らしきものも見えた。
「うそ……だろ?」
ぎゅっと胸を掴むと、むにゅっと柔らかくて気持ちよかった。
「うわ、やーらけー」
むにむにとそのまま揉んでいると、手から幸せだという信号が脳に送られてくる。
「いや、そうじゃなくてだな」
放っておいたらいつまでも勝手に手が胸を揉んでいそうだ。
「まさか……下……も?」
手をそっと股間にと下ろして服の上からあるべきものの位置を探る。
「な……無い」
どうやら俺は(死んだと思っていたが)倒れてから、身体が女になっていた──らしい。
「あ──多分これは夢なんだよ、夢。
でなきゃ、目が覚めたら女になってましたー、なんて冗談にもほどがある」
不定期なのでお気に入り登録していただけますと、更新された時に便利かと……。