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ペンでバツを! ~白とハーフパンツが好きな人用~

作者: 栗野庫舞
掲載日:2026/05/20

急に思いついて書きました。

「あなたのことが好きです! つき合って下さい!」


 女子はあなたの前で深く頭を下げた。長い左右の三つ編みが廊下に向かって垂れる。


 男子高校生のあなたは、この旧校舎の最上階に呼び出された。周りには誰もいなくて、彼女の声だけがはっきりと聞こえた。


 あなたは戸惑う。


 彼女とは、ほとんど口を聞いたことがない。彼女のことは好きでも嫌いでもない程度の印象しかなく、そんな気持ちで彼女とつき合うのは違うと考えた。


 だから、ごめん、君の気持ちには応(こた)えられないと、あなたは断った。


「そうですか……」


 悲しげな顔だった彼女は、――急に制服の青いリボンを外し始めた。夏服の半袖ブラウスを脱いだ。やせた体型の彼女は、いつもは着ていたニットベストを着ていなかった。


 廊下に脱いだり外したりしたものを置き、あなたと向き合う。彼女の上半身は白い三分袖スリーマー姿で、それの裾は青いチェック柄のスカート内側に入れたままでいる。


 白い肌着姿の彼女は、スカートのポケットから黒の油性ペンを出し、それを渡される。


「こちらにペンで、大きくバツを書いてくれませんか?」


 彼女はお腹(なか)の辺りを指し示す。


 とんでもない頼みが来て、あなたはペンを持ったまま固まってしまう。


「……駄目ですか?」


 悪いからやりたくないと、あなたはペンを返そうとしつつ答えた。


 彼女はペンを受け取らず、今度はスカートの裾からインナーを大胆に持ち上げて、肌面積を大きく晒(さら)した。


 インナーとは別に、白いブラジャーも着けていた。彼女の胸部は、さほど大きくはない。


「代わりに、カップの両側にバツを書いてもらっていいですか?」


 顔を真っ赤にした彼女に頼まれたものの、あなたはもっと無理だと拒否した。


「……分かりました」


 彼女は白いインナーを下げた。裾をスカート内側に入れないまま、スカートを両手でたくし上げた。


 長めのスカート下には、紺色のハーフパンツを着用している。


「これならどうでしょう? 紺色だから、黒いペンで書かれてもほとんど分かりません。どうかバツをお書き下さい」


 彼女の願いをまた断ってから、どうしてそこまでするのか、あなたは聞いた。


「告白失敗の目に見える証(あかし)を手に入れて、今後の戒(いまし)めにするためです」


 理由を聞いても、あなたとしては、納得が行かなかった。


「……ペンは諦めます。せめて、あなたの指で、バツを書いてくれませんか?」


 彼女はまたも願う。


 何度も拒否していたあなたは、彼女のしぶとさに負けた。本当にいいのかと確認する。


「もちろんです。お願いします……」


 彼女の許諾を受けてから、あなたは人差し指を伸ばす。彼女がたくし上げているスカートの下の、ハーフパンツ正面へと……。


 生地を押しつけて、あなたは斜め、また斜めとバツを描(えが)いた。


「……ありがとうございました」


 かなり残念そうな彼女の顔を、あなたは見た。


 これで終わったはずだった。


 彼女が制服を着て、あなたが彼女にペンを返してからも、あなたは忘れられなかった。


 目の前で彼女が制服を脱いだこと。


 白い控えめのブラを見たこと。


 スカートたくし上げの下でバツを指で書いたこと。


 彼女との短い思い出が、頭から離れなかった。むしろ思い出すと興奮してしまう。彼女に夢中になっていることに気づくのは、彼女と旧校舎の廊下で別れてからだった。


 彼女のことを考えてばかりのまま、一週間が経(た)った。


 もうこのままは耐えられない。あなたは彼女に謝り、やっぱりつき合いたいと申し出た。


「ありがとうございますっ!」


 彼女は嫌な顔をするどころか、すごく好ましい笑顔を向けてくれた。最初からこうしていれば良かったと、あなたは大きく後悔する。


 地味な印象の三つ編み彼女は、あなたが悩んだ挙句(あげく)に折れてくれたものだと思っているらしい。そこに負(お)い目(め)を感じていることもあって、あなたのことは非常に大切に想(おも)ってくれている。


 彼女はもう、ペンでバツを書いてなんて、あなたに頼んだりはしない。


 その代わり、


「いいですよ……っ」


 白い下着を撫(な)でさせてくれる。


                    (終わり)

変態同士のお話でした。


最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

『失恋直後にギャルに乗り換える!』や『春の出会いが、うまくいく!』も、告白ものです。これらもぜひお読み下さい。

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― 新着の感想 ―
勢いで全て押し切られてしまいました。 こういう作品、好きです。
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