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総力戦


 残った三台のバイクが、獲物を狩る狼のようにじわじわと距離を詰めてくる。

 それぞれが違う改造を施されていた。

 一台は両腕がマシンガンに置き換えられた重火力型。

 一台は背中から刃のようなスラスターを伸ばし、縦横無尽に飛び跳ねる跳躍型。

 そして最後の一台は、異様に静かで……赤い瞳だけが暗闇に光っていた。

「来るぞ!」

 ドライバーがハンドルを握りしめ、叫ぶ。

 次の瞬間、銃声が車体を叩いた。

 装甲を削る火花。屋根を突き破る寸前に、俺は荷台から飛び出す。

 パルスナイフを逆手に握り、跳躍型の影へ突っ込んだ。

「オラァッ!」

 奴は空中で旋回し、ブースターで急加速。

 だが読み切った。

 すれ違いざま、脚部の推進器にナイフを突き刺す。

 爆ぜる火花。スラスターが暴走し、バイクごと制御を失った。

 奴は悲鳴を上げながら闇に消えていく。

「一つ!」

 次に重火力型が正面から弾幕を浴びせてきた。

 トラックの装甲が悲鳴を上げる。

 俺は即座にジャマーを起動し、EMPの波動を広げる。

 銃火が一瞬止み、奴の両腕が火花を散らして停止した。

 そこを狙い、ドライバーがトラックを急接近させる。

 鉄の壁のような車体がバイクを横から叩き潰し、爆炎と共に散った。

「二つ!」

 残るは一台。

 赤い瞳のサーペントが、静かに速度を上げてくる。

 銃も刃も構えていない。ただ真っ直ぐ、こちらを射抜くように見つめている。

 胸の奥で、警鐘が鳴った。

 ――こいつは、他の奴らと違う。

 風が張り詰める。

 ネオンシティの闇の中で、最後の死闘が始まろうとしていた。

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