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俺を裏切った過去がある元カノの幼馴染みと会社のオタサーの姫感ある地雷系美女な後輩が俺に擦り寄って来るのだがどうするのが正解なのだろうか?  作者: ムラタカ


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7話

「良くお世話になってる企業さんはその6つだからメモして覚えておいてくれ、後の企業は無理に覚えなくていいよ」


「え?そうなんですか?」


「無理に覚えようとしても頭がパンクしちゃうからね、慣れた頃にちょっとずつでいいよ」


「それでいいんですか?」


「今は仕事に慣れてもらう事が先決だからね、無理なタスクを熟しても失敗したら意味が無い」




一見すると野村先輩は地味で目立たない存在だ。

でもとても落ち着いた人だ。

一つ一つの言動に無駄が無いと言うか、効率を重視してる…、そんな感じだ。

でも高圧的な態度をとって来るでも急かしてくる訳でもない。

効率厨は相手を急かしたり高圧的な態度でがなり立てるイメージが強い。

極端な例としてあのハゲオヤジがいる。


あのハゲオヤジはそれらしい屁理屈を即興で作り上げてそれを勢い任せに吐き出す。

こっちに反論させない為にやや早口でまくし立ててくる。

それは聞いていてとても不快でメンタルとかをとにかく削いでくる。


でもこの人にはそれがない。

聞きとるに十分な声量で解りやすく説明してくれる。


私はあのハゲオヤジみたいな頭の固い人間とこれまで関わった経験が少なく…接し方が分からなかった。

だから良いように言われていて…。

でもこの人はそんな事をしない。


こちらの出来る事、出来ない事を取捨選択して教えてくれる。


そんな事が…

それだけの事が私にはとても有り難く思えた。


嬉しく思えた。


何でも無い事だと思う。

わかってる…。

彼にとってはそれが普通なんだろうな…。

だからここ最近は特に思う。

あの地獄みたいな日々を…。

あのハゲオヤジの下につかされていた期間を…。


比べると最悪だった。

他人をナチュラルに見下してるし根拠も無いのに自分は正しいと信じ込んでる。

無用の万能感に頭が支配されている。



真夏の炎天下からクーラーの効いた部屋に入ったら心地よいのは当たり前の事だ。

真冬の雪が降りしきる悴む寒さから家に帰り着き炬燵に入れば誰だってそこを天国だと言うだろう。


これはそれらと同じだ。

嫌味ったらしいハゲオヤジ上司の屁理屈から逃れ、丁寧かつ解りやすく仕事を教えてくれる先輩の下に流れ着けばそこは誰だって間違いなく天国となるのだ。


ほんの数日前まで嫌で嫌で仕方なかった仕事が少し楽しくなってる…。


辞めようと決心してたのに今はもう少し続けてみようなんて考えてるあたり…自分のちょろさに少し嫌になった。


「どうしたの…?」


「え…?」


「あ…いや…なんか…なんでもないよ…はは、」



アレ…顔にでていたかな?

いやだな…はずかしい…


「野村先輩は教えるのがお上手ですね、とてもわかりやすいです。」


「別に普通の事だよ…」


「そんな事ないですよ、私あのハゲオヤ…仲居さんと3ヶ月一緒にいたけどなんにも覚えられなかったし…」


「あぁ…結城さんは悪くないよ、こう言っちゃ何だがあの人は人にモノを教える才能が欠如してるしね」


「ふふ!ですよねですよね!あれで主任なんて何かの冗談でしょって思いましたよ〜まんま老害って感じで嫌になりますぅ〜」


「ははは…まぁ言い得て妙だけどあまりここであの人の愚痴は言わない方がいいよ?誰が告げ口するかわからないからね」


「えぇ~マジですか?」


先輩は少し声のトーンを落としてそんな事を言う。

ここはあのハゲオヤジのテリトリーなんだ。

何処に耳があるかわからない。

警戒しておいて損はないのだろう。


「でも私…やっぱり野村さんは誰かにお仕事教えるのに向いてるとおもいましたよ?とっても分かり易いですし!」


「ははは…まぁお世辞でも嬉しいよ…さ、仕事に戻ろう」


「はい」



それから彼はデスクに向う。

私もソレにならい自分の仕事に集中する。

こんなの終わるわけないと思っていた仕事は既に殆ど終わっていた。


彼が私から仕事を取り上げ全部自分でやってしまった




……のでは無い。

確かにいくつかはやってくれたけど殆どは私と一緒になって熟してくれた。

これは何気に凄い事だと思う。

本来なら自分で全てやってしまった方が何倍も早い筈なのに彼は敢えて私にも作業…仕事を回してくれた。


それが堪らなく嬉しかった。

認められている

頼りにされている

当てにされている

そう思えたから…


彼には嫌味がないのだ。

お前が無能だから俺がやるハメになった。

いやいやでやってやってる

そんな恩着せがましさが彼にはない。


なんというか自然体なのだ。


あとセクハラや邪な視線が一切ない。

あのハゲオヤジは私を貶しながらもしっかりと胸や太ももに視線が寄っていたが彼はそれが一切ない。

私に対して何処までもフラットだ。



これまで私は男性からのそういった視線にさらされて生きて来た。

いっときはそれが嫌で仕方なかったけどいつからかそれを武器にする様になった。

なんだかんだこの世界は男が有利に出来ている。

仕事でもプライベートでも有利なのは結局男の方だ。


ならそれを利用すればいい。

私の学生時代はその考えの下、成り立っていた。

でも裏を返せば男は私をそういった対象としか見ていないのだ。 

祀り上げて褒めそやす。

言い換えれば人間扱いされてなかった。

でも彼は違う。

しっかりと私を一人の人間として見てくれていた。


だから嬉しいのかもしれない。


彼は私の人生で初めて私と言う人間を見てくれていたのだから…。

体や顔…見てくれで私の事を判断しない。

能力や性格で私の事を評価してくれている。


それが…そんな事がとても嬉しかったのだ。






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― 新着の感想 ―
[良い点] 良いヒロイン [一言] 主人公の内面の良さにきずける良いヒロイン。 幼馴染もわかってるやろうけど、条件が似てるようで似てないのは若い時の、愛がないと行為ができない派と愛がなくても興味でやっ…
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