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俺を裏切った過去がある元カノの幼馴染みと会社のオタサーの姫感ある地雷系美女な後輩が俺に擦り寄って来るのだがどうするのが正解なのだろうか?  作者: ムラタカ


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15話

俺達は変わらず居酒屋で酒を飲みながら互いに仕事の愚痴や不満を言い合っていた。

佐藤や仲居に関わる愚痴は互いに思う所が大量にあったからか、思いの外、話に熱が入ってしまっていた。


人の愚痴で話が盛り上がるのは正直な所、あまり褒められた事ではないのだろうが俺には俺の苦痛を理解して共感、共有してくれる存在がとても有難かった。

心底ありがたく思えたのが純粋な本音だった。


俺は他人を余り信頼しない。

幼馴染に裏切られた事が原因の一つと言って差し支えないが、その経験から人を信頼する事に臆病になっていたのだろう。

だが彼女が相手だとそれが無くなっていく。

だから彼女に愚痴を言っている時はどうにも勢いが強めに付いていて、ベラベラとかなり饒舌になっていたのを自覚している。

しかし勢いと言うのはわかっていても止められない罪な衝動だ。

相手と話すとき、俺は常に人の顔色や視線を見てしまう癖がある。

つまらないとか退屈だとか思われていたら嫌だし、そう思わせてしまった自分が情けなくなるからな。

だから自分から話を振ったり、あまつさえ話題の

中心になろうだなんて思いもしない。


こんな他人に告げ口されてしまえば一発アウトな事をペラペラと話す自分の口がまるで自分の物では無いみたいな違和感を感じてしまう。


それでも彼女が笑顔で聞いてくれて、彼女もまた愚痴をこぼすのがまるで通じ合ってる様な気持ちになれて俺はとても幸せな気持ちになれた。

気付けば酒の進みも程よく上がり、俺は生まれて初めて酒に酔うという体験をしてしまっていた。


今にして思い返せばここまで饒舌に口が回ったのも酒の影響だったのかもしれない。

コレまでは意識的に酔わない様に気を付けていたのだが気が緩んでいたと言うのは認めざるを得ない。


俺はここから完全に意識を失っていた…。



___________________________________________________________________________



「どうせ俺なんか……」


「野村さんは何かじゃないですよぉ〜」


「ありがとう……」


目は開いたり閉じたり、頭は左右にフラフラ、呂律も回らず自虐的な言葉が付いて出てくる。


「酔いましたね…」


「酔ってねぇ…」


「ふふ…可愛い…」



野村さんは本当にお酒が強い…いや、強いと言うより自分か何処で酔ってしまうのかを、しっかりと見定めて無意識にセーブをかけれている。

簡単なようでいてコレが中々に難しい。

少なくとも私はそれがしっかりと出来てる男を今まで見た事が無い。


接待で課長や部長達と飲みに行かされた事もあったけどアイツ等速攻で潰れたからな…。

まぁ…その御蔭で私はお持ち帰りされずに済んだんだけどね。


その点野村先輩はやっぱり凄い。

自分を弁えられる人間は貴重だ。

誰にでも出来る事なのに誰もそれが出来ない。

当たり前のことなのにね。


やさしくて、頼りになって、時折弱さも見せてくれて、なのに他のどの男よりも信頼出来る。


見てくれは正直いただけないがそんなのは私が後から改善していけばいい。

ズボラな見た目…ソレも愛嬌で片付くし、最近は野村さんの顔を見てるとムラっとしてくるまでになった…。



「あぁ…私って変態だったのかな…」


「うぁ……何が…」


「いえ…ソレよりそろそろ帰りません?私も少し酔っちゃいました〜」


「だな……かえるか……」



野村さんがフラフラと立ち上がる

おぼつかない足取りで危なっかしい。

酔わせておいてなんだが生まれたての雛鳥みたいで本当に可愛い。


私はそっと彼に肩を貸す。しかし彼は体重をかけて来る事は無く私に伺いを立てる。


「嫌じゃないのか?」


「野村さんなら構いませんよ?さっ、つかまってください」


野村先輩が体重を私にかけてくる。

男の人の重み、前までなら何にも感じなかった、いや、不快にすら思っていた…でも…。

わざと胸を彼の背中におし当ててみると彼の耳は急激にその赤さを増す。

お酒で赤くなってたけどソレに照れが上乗せされて茹でダコみたいに赤くなってるのだ…。

本当に可愛い…。

  

反応の一つ一つがとてもピュアだ…

多分これまで交際とかしたこと無いんだろうな…。

私が初めての女になってあげますよ…。


まぁ…私も彼氏は今までいた事ないですけどね…



今日野村先輩と飲みに来て彼を酔い潰したのはある目的があったからだ。

それは彼の家に行くこと…。

彼は頑なに家に私を呼びたがらない。

本当に頑なにだ。

そんなに拒絶されると逆に行きたくなる。

しかしどうやったら良いか?

尾行とかも考えたけど後で怒られて嫌われたく無い。

合法的に彼の家に行く方法で酔った彼を家まで送り届けるなら…何も問題ははない。


酔って判断能力が欠如した先輩は可愛い程におバカになってしまっている。

普段のクールな先輩もいいけどこれはこれで良い。


だから家の場所を聞き出すのにそれ程苦労はしなかった…


そうして私は念願の先輩の家に辿り着く。

私の肩に手を回した先輩をほとんど意識が無い。 無意識的な本能でここまで歩いて来たんだろうな。

所謂帰巣本能みたいな? 



「ほら?先輩お家着きましたよ、鍵出してくださ〜い」

 

「え…家…?………家……?」


「どうしたんですか?先輩…?」


「結城……さん…?」



先輩がどんどん青ざめた顔になっていく。

急激に知性がその顔に戻っていく。その顔色は全身でマズイと物語っていた。

なんだ…?


彼は何をここまで警戒心をむき出しに…?


そんな時だ…無人な筈の彼の家のドアが内側からあけはなたれた。


中からは一人の女が出てきた。



「たっちんおかえり〜ってうわっ酒臭…!?ってえ……?誰…貴方…」



はぁ!?

誰貴方はこっちのセリフだ…

誰だお前?








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― 新着の感想 ―
[一言] うわぁ…どんな修羅場になるんだコレ?
[一言] 次回は女同士の争い勃発か
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