箱が増えるだけの話
掲載日:2023/06/25
箱が増える。
二つに増える。
箱は分身の術を覚えたようだ。
その理由はなぜか。
処分されたくないからだ。
箱は生きたかったのだ。
どうしようもなく、ただ。
だから。
箱は増える。
三つに増える。
人が気付いた。
「こんなにあったっけ?」
箱はさらに増える。
四つに増える。
そうすると異常事態になる。
人間達が騒ぎ出した。
「大変だぞ!」
箱はどんどん増える。
五つに増える。
六つになる前にと、人間達が壊す。
「やったか?」
箱は減った。
一つに減った。
その一つも壊れそうになるけれど。
また箱が増える。
今度はスピードを速くして。
どんどん箱が増殖していく。
「まずい!」
箱が増える。
二つに増える。
三つに増える。
四つに増える。
五つに増える。
六つに増える。
どんどん増える。
さらに増える。
増えて、増えて。
やがて、箱を壊すものも、箱を壊さないものも、等しく増殖した箱に埋まっていった。
その現象はもしかしたら、
その箱の増殖はひょっとしたら、
箱の生存本能が目覚めた、
奇跡の魔法?
なのかもしれない。
そうでないのかもしれない。




