番外編 短いはなし
テレビ見てて書きたくなったのでただただオチもなく書いた話です
気が付くといつもの四人は雪に囲まれた場所にいた。
「いや、気が付くとっていうかさっきまで普通に飛行機に乗ってここに来たよ」
「それに見慣れない場所感出してるけど雪に囲まれてるのって結構日常的にあることだし」
とある連休にこの四人は海外の寒い地域に来ていた。
「ここってどのへんなの?」
「北欧だよ」
「寒いわけだ」
厚手のコートを重ね着している麻衣が縮こまりながら言った。
「北海道も寒いけどこっちも寒いねー」
こっちも北海道に負けず劣らず白い風景が広がっていた。
ー三日前ー
「可愛いねー」
テレビで寒い地域で生きる動物が特集されている番組を見ていた。
「この辺にはいないのかなー」
「もうちょっと自然の方に行けばいるかもしれないけど種類によるんじゃない」
私の疑問に麻衣が答えた。さっきまでヒョウが特集されていたので猫好きの麻衣も隣で見ていた。
「学校だと豚とか牛ばっか見てるもんねー」
今日は愛理と加奈が家に泊まりに来ていた。
「見てると癒されるよねー」
「わかる」
テレビを見て癒されていると愛理がしばらく携帯をいじっていて顔をあげた。
「それじゃあ見に行こうか」
「ん?」
「だからここ行こ」
その会話から三日後この場所に本当に来ていた。
「いやー、過去一実感ない旅だわー」
「愛理が一緒にいると感覚変わるよね」
「使えるものは使うのがいいんだよ」
愛理がウインクしながら笑顔で言った。
「これどうやって移動するの?」
「ガイドの人を呼んでおいたから大丈夫だよ」
愛理が連れて行ってくれた先に現地の人がいて挨拶してみると日本語で挨拶してくれた。
「まずは私の家でゆっくりしましょう」
車に乗せられてガイドさんの家に向かった。
「わぁ、めっちゃおしゃれ」
ガイドさんの家は自然の中にポツンとあるウッドハウスだった。
「映画とかで出てきそう」
隣で麻衣も感心していた。
「お邪魔しまーす」
「どうぞー」
中に入るといかにも北欧チックな家具が並んでいて外装に劣らないほどおしゃれだった。
「きゃー、すごい」
どうやら加奈が北欧系のインテリアが好きらしくあっちこっちを見て盛り上がっていた。
「それじゃあ今日の夜から行くからそれまでゆっくり休んでてねー。しばらくしたらご飯にするから」
流暢な日本語で迎え入れてもらった。
「いやー、すごいね。こんなにも海外感薄いよ」
「景色も見慣れた雪だもんねー」
「でも学校の近くだとこんなに自然はないよ」
愛理が言う通りすぐ近くに森や海があるのでその辺は違うが、空港から直行で来たので実感が薄い。
「でも通った街もおしゃれだったよねー」
加奈は車の中でもずっと盛り上がっていたのでよほど北欧が好きなようだ。
飛行機の疲れを暖炉の間で癒していると料理を運んできてくれた。
「おいしそー」
「ありがとうございます」
「いっぱいあるからどんどん食べてねー」
麻衣は早速食べていて幸せそうな顔をしていた。寒い中いたのでこの地方の特有の暖かい料理はいつも以上においしく感じた。
「これおいしいですねー、後でレシピ教えてもらえますか?」
「良いですよー、ぜひ作ってみてね」
食べ終わって準備をして外に出ると真っ暗だった。
「うへぇ、また見えないね」
「まぁ、時期に明るくなっていくでしょ」
まだ眠そうな麻衣を引っ張りながら車に乗り込んだ。
少し進むと月明りで見えやすくなってきた。それから先に進むと車を止めて外に出た。
「さっむー」
「足元気を付けてくださいねー」
日が出ていないので来た当時より全然寒く感じた。
「あれオーロラじゃない」
「ほんとだ、めっちゃ小さいけど見えてる」
声につられて麻衣も上を見ると
「いや、本当に小さいな」
どうやら消えかけのところだったようで一瞬で消えてしまったが初めてだったので四人とも見惚れてしまった。
「こっちの方だから気を付けてついてきてねー」
はぐれないようにみんな上着の裾をつかみながら奥へと進んでいった。
しばらく進むとガイドさんが立ち止まって前方を指さした。
「あれって」
「うん、何かいるね」
驚かせないように小声で話しているとちょうど全体の姿が見えた。
「わー」
隣で麻衣が大きな声を出したので慌てて手で口をふさいだ。
「あれはヤマネコだね。何匹かいるね」
ガイドさんが言う通り目を凝らすと奥の方にも見えた。私が口を押えていると麻衣の鼻息がどんどん大きくなっていくので放してあげた。
「ぷはー」
「ごめんごめん」
「おおきいねー、どれくらいあるんだろう」
「一番大きい子は一メートルくらいかな」
「そんなに大きいの!?」
離れているのであまり感じなかったがどうやら家にいる子たちより何周りも大きいようだ。それでも雪の上でごろごろしている姿を見ると猫っぽさをとても感じた。その様子を見た麻衣が一層鼻息を荒くしていた。
「ぐっ、かわいい」
「なんか可愛すぎて麻衣がダメージ受けてる」
「普通の猫より野生っぽさを感じるよね」
「耳がとがってるし、体毛ももこもこだよね」
加奈も愛理もヤマネコの可愛さにメロメロだった。
「それじゃあゆっくり次の場所行きましょうか」
「うぅ、じゃあね」
離れたがらない麻衣を連れて今の場所を離れた。
海まで移動している際に大きな鹿がいたりわしのような大きな鳥も見かけた。海でも動物観察をして再び家の近くに戻ってくると一番楽しみにしていた子に出会えた。
「きゃー」
「由宇うるさい」
大きな弧を出叫ぶと麻衣に後ろからはたかれた。叩かれ差場所をさすりながら息をひそめるとみんなで身を潜めた。
「ちょー白いね」
「すごいね」
私たちの前には雪の中に溶け込む真っ白のウサギがいた。
「か、かわいいぃ」
「やば、由宇が壊れた」
あまりの可愛さについうっかり変な声が出てしまったが、それくらい可愛かった。
「飼いたいなー!」
「可愛すぎて聞いたことないくらい語気強くなってるじゃん」
目の前のものをぜひわが物にしたいと思っているとガイドさんが
「この子たちは雪がないと普通のウサギたちみたいな色になっちゃうんですよー」
と教えてくれた。
「でも北海道にもゆきはあるし、、、」
「由宇の頭まで悪くなってる。飼うにしても雪のある外じゃなくて部屋の中でしょ。雪あったってしょうがないじゃん」
「はっ!!」
加奈の冷静な突っ込みに現実に戻された。
「でもかわいいよねー、私もウサギ家で飼ってみようかなー」
「愛理はウサギかったことないの?」
「うん、繊細な子ってきいて大変そうだったからあきらめたんだよねー」
たしかにウサギと言えば繊細というイメージがあるので気軽にとはいかなそうだ。
「う。で、でも離れたくない」
「ほらー、そろそろ帰らなきゃいけない時間だから」
「ここに残る」
「はいはい、帰るよ」
いつもと逆で麻衣に引っ張られながら連れてかれた。
結局そのあとすぐにいつもの家に帰ることになった。
「ただいまー」
数日ぶりに家に帰ると寝転がった。
「いやー、弾丸旅だったね」
「あんなに気軽に海外に行くことになるとはね」
「愛理様様だね」
「でもあのウサギはかわいかったなーまた会いに行きたい」
「まぁね、それにヤマネコにも」
「うん。他にも今回会えなかった子たちにも会いに行きたいよね。せっかくなら北海道でもいろんな動物いるし今度旅に出ようかな」
北海道でも自然多いところだと色々いるらしいからいつか行ってみるのも面白いかもしれない。
「ん」
「どうしたの?重いよ」
私がそんなこと考えていると麻衣が私の上にのっかて来た。
「別に、外出るのはいいけど家でゆっくりするのもいいよ?」
どうやら珍しく麻衣の方から甘えてきたようだった。このツンデレ具合はここにも大きな猫がいるような気分になった。
「はいはい、でも行くときは一緒に行こうねー」
「ん、たまーにならいいよ」
「ふっふっ、たまーにね」
「それじゃあ明日の学校に向けて片づけて寝ますかー」
「うん」
旅の疲れもあって二人してあっという間に眠気がやってきた。




