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第七十話

 「そういえば二年生から個人の研究みたいなの始まるんでしょ?」

「そういえばそんなものもあったね。」

二年生になってもいつもと同じメンバーで話していた。おそらく一番詳しいだろう加奈の方を見るとうなずいて教えてくれた。

「研究って言ってもそんなに難しいことするわけじゃないよ。」

「そうなの?」

「うん、やる内容にもよるけどね。そういえばこの前先輩からどんなのやったか貰ったから見る?」

「見る!」

「流石加奈だね。頼りになるー。」

加奈が見してくれた資料には野菜の肥料を身近なもので代用してみたり、豚の成長速度に影響しそうなものなど色々なものがあった。

「確かにそんなに難しい物じゃなさそうだね。」

「それにこれの発表は三年生になってからだからね。」

「そうなの?」

「うん。時間かかる内容でやる人たちもいるから。特に専門の子たちとかは特にね。」

と加奈が教えてくれると愛理はなるほどとうなずいていた。

「じゃあ時間はあるんだね。」

「そうだけどだからと言ってほっておくとデータが足りなかったりしちゃうから早めに始めておいた方がいいよ。」

「私たちで育てている畑についてやっちゃダメかな?」

あそこなら色々育てているし実験も気軽にできそうだ。

「うーん。あそこはどうだろうなぁ。一応学校で行うやつだから学校内で基本的に収めていた方がいいとは思うけどね。もちろん参考データとしては使ってもいいけど。外に実験となる場所を持っている人と持っていない人とで差が出ちゃうのは公平じゃないし。」

「確かにそうかも。それじゃあ他のにしようかな。」

「うん。それがいいと思うよ。」

「そうなるとなるかなぁ。」

いざ考えてみるとなかなか浮かばなくて困る。

「それに今年は修学旅行もあるからね。」

「沖縄だよね。楽しみだなー。」

「体育祭終わったらすぐだから結構あっという間だよね。」

「私沖縄初めてだから嬉しいな。」

私が言うと加奈と麻衣もうなずいた。

「私は何回か行ったことあるよ。」

愛理は沖縄にも旅館があるのでそこに何回か泊りに行ったことがあるらしい。

 そんなことを話して、家に帰った。

「由宇ー、おやつはー?」

「ちょっと待ってて―。」

冷蔵庫の中身を見ながら何にしようか考えていた。とりあえず飲み物だけ準備しようかと思うと玄関のチャイムが鳴った。

「麻衣出てー。」

「んー。」

部屋着に着替えて床でごろついていた麻衣がのっそりと起き上がって玄関に向かった。

「はーい。」

ドアを開けると

「はっ、初めましてっ。隣に引っ越してきました鷺野優香です。」

「虎先陽葵でーす。」

と二人組の子に挨拶をされて麻衣は「うん」と返事をした。

 私は麻衣が玄関でお客さんと話しているようなので覗いて声をかけた。

「どしたの?」

「お隣さんだって。」

「そうなの。初めまして。」

「はっ、初めまして!」

と頭を下げられ、もう一度丁寧に自己紹介をしてくれた。

「ん?虎先って苗字どっかで聞き覚えがある気がする、、、」

「そうだっけ。」

「お姉ちゃんが先輩たちと同級生なはずです。名前は早霧です。」

「あー。なるほど。」

「早霧ってそんな苗字だったのか。すっかり忘れてた。」

「虎先って呼びにくいですもんねー。」

「あっ、あの。これご挨拶に持ってきました。」

「これおいしいって言ってたケーキじゃん。」

「ほんとだー。」

急に麻衣のテンション上がった。

「どうする?いまからおやつだけど一緒に食べてく?」

「いやー、私たちはさっき食べちゃったんで今回は遠慮しておきますー。」

「そっかー。」

「また遊びに来ますねー。」

「うん。いつでもおいで。」

「ご挨拶が遅くなってすいませんでした。一週間ぐらい前からここに来てたんですが。」

「いいよー、気にしないで。」

「私たちは挨拶なんて全くしなかったもんね。来てくれてありがと。」

「それじゃあ、これからよろしくお願いします。」

鷺野と名乗った子の法の子がお辞儀をすると後ろで短く結んだ髪の毛がぴょこんとはねた。

 ドアが閉まると優香は「はぁ」と息をついて力が抜けたようだった。

「やっぱ挨拶しない方が普通だったんだって。」

「う、うん。でもいい人そうだったから。」

「そうだけど、やっぱ優香は真面目だねー。今どきお隣さんに挨拶なんてめったに聞かないよ。」

「だって、お母さんが行っといたほうがいいよって言ってたから。」

部屋に戻ると陽葵のスペースはもうすでに物であふれていて、優香のスペースはきっちりと整頓されていた。

「今日のご飯どうする?」

「陽葵ちゃんは何か食べたいのある?」

「うーん。ハンバーグが食べたい。」

「じゃ、じゃあ昨日は食べに行ったから今日は作る?」

「そうだねー。それじゃあ買い物行こうか。」

「う、うん!」

マイペースに歩き出す陽葵に少し駆け足しをして優香は追いついて一緒に買い物に向かった。

 「いいおやつをもらったね。」

「うん。おいしい。」

飲み物は準備してあったのでさっきもらったケーキを早速食べていた。

「あの二人すっごい真逆な性格そうだったね。」

「うん。でも意外と合うんじゃない。」

「そうかもね。それにしても早霧ちゃんと妹全然雰囲気違ったね。」

「マイペースだったね。」

早霧ちゃんは結構落ち着いていて大人のイメージはあるけどさっき会った妹は結構明るい感じな子だった。

「あの二人が姉妹って考えると確かに気が合うのかもね。」

「典型的なおとなしい子って感じだったもんね。」

「眼鏡で背が小さくてショートカットで後ろで一つ縛りだもんね。可愛かったなぁ。」

「由宇はああいう子も好きなの?」

「好きだよ。困っちゃう?」

「意地悪。」

「ふふっ。仲良くやっていけるといいね。」

「たった今無理な気がしてきた。」

「そんなこと言わないであげてよ。私たちの数少ない後輩の知り合いなんだから。今日の夜ご飯のリクエストを聞いてあげるからさ。」

「じゃあ、ハンバーグ。」

「それじゃあ買い物行こうか。」

新しくできた後輩のお隣さんとの生活を楽しみにしながら、二人で買いものに行くとスーパーで二人と早速会って笑ってしまった。

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