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第六十九話

 学校に戻ると桜の木の下でブルーシートを準備している二人がいた。

「なんかいつの間にか人が増えてる。」

麻衣の言う通り二人の横には先生や他の生徒たちがいた。

「なしてこうなったの?」

二人と合流して聞くと加奈が答えた。

「職員室に行ってお花見してもいいですかー?って聞いたらオーケー貰えたんだけど、先生たちも面白そうってのっかってきたんだよ。」

「それで話が広まって人が増えてると。」

「そういうこと。」

人が集まっていると言っても、大体の人は部活中なので先生の方が多いぐらいだ。同じく部活がないクラスメイトと話しながら色々準備を始めた。

「先生、こうれ持ってきたんで焼きましょう。」

とお肉を持った先生が言うと熊谷先生が

「いいですねー。お酒買ってきたんですよ。もちろんのんあるですけど。」

と答えると周りの先生たちから「おー。」と歓声が上がった。

「先生たちの方がやる気満々だぁ。」

勝ってきたお菓子とかは食べる予定だったけど、いつの間にかグリルやら調理台やらが準備されていた。

「それじゃ、いただきまーす。」

奥では先生たちがお酒を片手に盛り上がっている声が聞こえた。

「桜餅ってお花見の時に食べるものだっけ?」

「うーん。わかんないけどそれっぽいからいいんじゃない。」

「そもそも私はお花見したこと無いからどんな感じかわかんないなー。」

お花見をしようと提案したけど、今までやったことはなくなんとなく面白そうだったからなので正解の形がわかんないままいろいろ買ってきた。

「私もしたことない。」

「私たちは小さいころ何回かやったことあるよね?」

「うん。あの時って何食べてたっけ?」

「うーん。なんかお弁当だったのは覚えてるけど中身は思い出せないなー。」

お花見経験者の加奈と愛理が思い出すように反していた。

「でもこうやってゆっくり桜見る機会なんてそうそうないよね。いつも歩いている横目で見るだけな気がする。」

「うん。そもそも桜自体が減ってる気がする。」

「減ったかどうかはわかんないけどお花見できる場所は限られてるよね。道端でするわけにはいかないし。」

「何してるのー?」

みんなで話してるとグラウンドの方から声をかけられた。

「凪ちゃん、早霧ちゃん、お疲れー。」

練習着で額に汗を浮かべた二人が様子を見に来た。

「お花見中。食べる?」

麻衣が手に持っていた桜餅を差し出すと二人が嬉しそうにうなずいてもらっていた。

「はぁ、疲れたー。」

「大変だねー。」

「またすぐ大会があるからね。少しでも勝ち上がれるように頑張んなきゃ。」

「そういえばみんながやっている畑の様子はどうなの?」

「そろそろ収穫かなー。」

あれからもみんなで順番で世話をしているけどだいぶ大きくなって収穫もそろそろ出来そうだ。

「ちゃんと育ってよかったねー。病気とか虫に食べられたりしないで。」

「先生にも協力してもらってたからね。とりあえず今回は問題なかったよ。」

「豚ちゃんたちもそろそろ?」

凪ちゃんが聞くと加奈が

「そうなんだよー。寂しーよ。気が付いたらすっごい大きくなってるの。」

「育ったらどうするの?」

「学校でお世話になってる加工会社に頼んでお肉にしてもらう予定。そこそこの量になるだろうけどみんなに分けたりすれば何とかなるくらいの量だから。」

「私っちのお店でも使えるしね。」

「いきなり使って大丈夫なの?安全性とか?」

「問題ないよー。検査もしてもらってるから。それにみんなに先に毒見してもらうから。」

「楽しみだねー。豚パーティーができるよ。」

「いいね。何がいいかな。とんかつにとんてきに色々できるよ。」

「シンプルに焼肉にするのもいいよね。豚バラ好き!」

「すっごい大きいチャーシューがいいな。」

みんなで話しているとついついよだれが出てきそうだった。

「ううー、悲しいけどおいしそうだから困るー。」

加奈が私たちの話を聞いて寂しさと食欲が頭の中で戦っているようで絞り出すように言うのでみんなが笑って

「食べれなかったら加奈の分もおいしく食べるから安心して。」

というと

「それはだめー。私も食べたいー。けど悲しいー。」

と頭を抱えながら答えた。

「まぁあだもうちょっと先だから今から気持ちの順bにをしておくんだね。私はおいしく食べれるように考えとくから。」

そういうと麻衣が食いついてきて「でっかいチャーシュー!」というのではいはいとなだめた。

 凪ちゃんたちが部活に戻った後も話づつけて気が付けば二時間ぐらい経っていた。

「そろそろ片づけますかー。」

「うん。そうだね。先生たちが限界そうだから。」

ノンアルのはずだけどはしゃぎすぎたのか、ぐったりしている先生もいるので声をかけて片づけ始めた。

「ほらー。熊谷先生ー。こんなところで寝たら風邪ひいちゃいますよー。」

「ノンアルでこんなになるのか、、、?」

先生の横に転がっている缶を片付けようと手に取ると

「あれ?これって。」

缶にはアルコール五パーセントと書かれていた。

「まさか。」

慌てて他の先生たちが飲んでいたものを確認するとそっちは全部ノンアルと書かれていた。

「熊ちゃんだけ。いつの間に。」

「どんだけお酒好きなんだ、、、」

「これガチ寝なんじゃ、、、」

「どうするか。」

「それじゃあこうしよう。」

麻衣が近くに置いてあった段ボールと辺を持って何かを始めた。

 次の日、登校すると作業着姿で作業をする熊谷先生がいた。

「先生おはよー。先生ってその作業の人だっけー?」

農業系の先生なはずなのにさっきから餌を運んだり道具を運んだりしていた。

「昨日なぜか私だけノンアルじゃなくてお酒飲んでるのがばれて、校長先生に怒られて一週間雑用することになっちゃったのー。」

と言いながら作業をしていた。

「それにしても校長先生はなんで私だけノンアルじゃないってわかったのかねー?エスパーでも使えるのかしら。」

「そうかもですねー。それじゃあ先生頑張ってねー。」

手を振って私と麻衣は教室に向かった。

「校長先生見てたんだねー。悪いことしちゃっかな。」

「自業自得でしょ。」

「ふふっ。確かにねー。」

麻衣のスマホには寝ている熊谷先生の上に「私だけお酒を飲んだので爆睡中です」と書かれた段ボールが置かれた写真が映し出されていた。

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