番外編1
一年生が一通り終わったので一度番外編です。結構端折って書いていた場所が多いから番外編で埋めていけたらいいなぁと。とりあえず一回目は夏休みの旅行の話です。これからもちょくちょく番外編を書いてくかも。もしかしたら番外編が続くかも?しれない。
「こういう時って浴衣着ると雰囲気出るよね。」
加奈が観光客が浴衣を着て写真を撮っているのを見て言った。
「でもレンタルするには時間的に無理だよね。」
「雨降ってるから汚れそう。」
上まで登って帰ってきたところなので後はこの辺を見て回って帰るだけなので今から借りてもすぐに返さなければならない。それに雨が止んだとはいえ、下は濡れているので麻衣の言う通り汚しちゃいそうだ。
「あそこに行けばいいんじゃない?」
愛理が見ている方向を見ると写真屋さんがあった。
「何あそこ?」
「写真撮る場所じゃないかな?服借りてああいう場所で写真撮ってもらえるんだよ。」
「せっかくなら行ってみる?」
愛理が聞くと加奈が「いこ。」というので中に入ってみた。
中に入ると着物に限らず色々な衣装が飾られていた。
「すごいいっぱいあるね。」
「どれにしようかなー。」
色々見て回っているとお店の人に声をかけられた。
「決まりましたか?」
「いっぱいあるからなかなか決まらなくて。」
関西の方の聞きなれないイントネーションに釣られて加奈が変なイントネーションで答えた。
「こちらに実際に来てみた写真があるのでぜひどうぞ。」
「ありがとうございます!」
「結構来てみると雰囲気が違うね。」
「赤とか派手と思ったけど着るとそこまで目立たないね。」
「着付けはお手伝いしますので決まったら声をおかけください。」
「わかりました。」
しばらく迷った後、みんな着替え終わって写真を撮ってもらった。
「おぉ、それっぽい。」
「せっかくなら晴れたので外でも一枚撮りましょうか。」
お店の人に提案されて汚さないように慎重に外に出た。
「それじゃあ後でこちらにデータを送信しますので連絡が来たら確認してください。」
「ありがとうございました。」
「またのご来店をー。」
写真を撮り終わったので着替えてお店を出た。
「いやー思ったより動きにくかったね。」
「ね。あんなに動きづらかったっけ。小さいころあんなに窮屈じゃなかった気がする。」
「あんなもんじゃない。」
「愛理は着慣れてるから感じなかったんだよ。」
「太ったんじゃない。」
「そんなことない!、、、はずだもん。そういう麻衣は着てみてどうだったの?」
麻衣が愛理の胸を見ながら「それは窮屈でしょうね。」とつぶやいた。さっき着物を着る際には加奈の豊かなものはそれなりに締め付けらえていた。
「動きづらさもあったけど、それ以上に暑かった。」
「確かにねー。急に蒸し暑くなってきたもんね。でも麻衣は背が高いから浴衣が似合うよね。羨ましいよ。」
「加奈は胸大きいから似合わないもんね。」
「ひどいよ愛理。せめとあとちょっと身長が高ければなー、もう少し見栄えが良くなるんだろうけど。」
「ここ入ろ。加奈のおごりで。」
麻衣が坂の途中にあるカフェを指さした。ここはただのカフェではなく周りの雰囲気を損なうことがないように工夫されたつくりになっていた。
「いいね。ここ来たかったんだ。でもなんで私のおごり?」
加奈が頭にはてなを浮かべながら聞くと麻衣が無言で何かを訴えてたので加奈も「う、うん。まぁいいよ。」と圧に押されてうなずいた。
「もう、あんまり加奈のこといじめちゃだめだよ。」
「いじめてない。いわばこれは巨乳税。」
「なにそれ。作った人のひがみしか感じられないよ。」
麻衣が真顔で言うのでついつい笑ってしまった。
「ほら、二人とも何頼むの?」
先にお店に入っていた愛理に声をかけられて私たちもお店の中に入った。
お店の中は木や照明が暗めで落ち着いた雰囲気になっていた。
「すっごい雰囲気あるね。」
「うん。すごいおしゃれ。こういう部屋作ったらお客さん集まりそう。」
愛理が旅館の娘らしい視点でお店を見渡していた。
「私カフェオレのアイスで。」
「私も。」
私と愛理は無難にカフェオレにした。
「うーん。それじゃあ私はソイラテ。」
「わたしはキャラメルラテ。それとチーズケーキ。」
「麻衣、え?飲み物だけじゃないの?」
「食べ物も頼んでいいの?」
「良くないよ。帰ったらすぐ夜ご飯だよ。食べられなくなっちゃうよ。」
加奈が慌てて止めるので私と愛理は「そうか」と納得した。
「それじゃあお会計お願いします。」
「あー、結局麻衣は頼んでる。夜ご飯食べれれなくなっても知らないよ。」
「一杯歩いたし、これは別腹だから大丈夫。」
「もうしょうがないなー。」
加奈はおやつにしてはそこそこの金額を払ってくれたので飲み物を受け取って開いてる席を探した。
「さすがに混んでるねー。」
ようやく四人でまとまって座れる場所を見つけ、座り込むと疲労が一気にやってきた。
「なんか一気に疲れが来た。」
「足が熱く感じる。」
椅子も普通のお店と違いお店と雰囲気のあった物になっていた。
「中も全然違うね。」
「これは映えですなー。」
他のお客さんに迷惑にならないように写真を撮りながら話していた。
それから宿に行って夕食を食べ終えた。みんながお風呂を入り終えて浴衣に着替えていた。
「まだおなか一杯だー。食べすぎた。」
「それじゃあちょっと遊ぼうよ。」
「いいねー、何する。」
「それじゃあ枕投げじゃない?」
「この人数で。」
「いいんじゃない。二対二で。私と愛理対由宇と麻衣で。」
「負けた方はどうする。」
「うーん。罰ゲームじゃなくて、当たった人から一枚脱いでけばいいんじゃない。そうすればどっちが勝ったかわかりやすいし。」
「いいねー。それじゃあちょっと片付けようか。」
机をどかしたり、押入れの中に入っている予備の枕を取り出した。それぞれの場所に布団を重ねて盾にした。
「こんなもんかな。」
「それじゃあ始めようか。」
「ずるいよ加奈。すごい着てる。」
「ふふーん。これで私有利。」
自慢している加奈に早速麻衣が枕を当てた。
「はい加奈アウト。」
「ちょっと。もう始まってるの?まぁ一枚くらいいいか。」
加奈が被っていた帽子を脱いだ。
「はいじゃあ続けよう。」
しばらく続けると順調にみんなが薄着になっていった。
「やば、後二回当たったら完全にアウトだ。」
「私は後三回。」
愛理は下着だけ、麻衣は下着とシュシュだけだった。
「なんかすっごいスースーする。」
私は下着は先に脱いでいて後は上に羽織っている浴衣と靴下片方だけだった。
「暑いから脱ぎたいんだけどダメ?」
「得点わかんなくなるからダメ。」
加奈は色々着ていたせいでまだたくさん残っていた。おかげでだいぶ汗をかいていた。数分間も枕を投げては動き回っているので当然体温も室温も高くなっていた。なので二人は早々に浴衣を脱いでいた。私は少し恥ずかしかったので先に中を脱いだけど加奈はそうはいかずに苦戦していた。
「誰かが完全にアウトになったら終わりにしようか。」
「由宇はあと一枚だよね。それじゃあ由宇を狙お!」
「きゃー、助けて麻衣。」
「任せて。」
加奈はすでに狙われず私が狙われるのでそれを守るように麻衣が二人を狙った。私と麻衣が投げた枕が同時に愛理に当たったけど、愛理が投げ枕と加奈がやけくそで投げた二つの合わせて三つが麻衣に当たった。
「二人ともアウト―。」
「まじ?」
「ほら脱いで。」
私が麻衣、加奈が愛理の残りの服を回収して二人は着るものがなくなったので布団にくるまっていた。
「布団あっつ。」
「この部屋も暑いねー。エアコンつけようか。」
「それで得点は。」
見た目的には私があと一枚で麻衣がゼロ枚なので不利そうだ。
「えっとー。由宇と麻衣のチームの勝ちだね。」
「え!ほんとに?」
「うん。ほら。」
加奈が数えた服を並べると確かに私たちの方が少なかった。
「加奈がいっぱい着てたからわかりづらかったんだよ。」
「やったねー。それにしても思ったよりも白熱したねー。」
全員すでに汗だくだった。お風呂に入ろうと思ったけど時間的に宿の温泉は閉まっていた。
「それじゃあ勝ったから先にお風呂入らさせてもらうねー。」
「片づけよろ。」
私と麻衣は部屋にあるお風呂に汗を流しに行った。
二日目を過ごし三日目は京都のお寺巡りをしていた、まず訪れたのは赤い千本鳥居がゆうめいな伏見稲荷大社だ。
「めっちゃお客さんいる。」
「ってか広くない。千本鳥でもそこそこ歩かなきゃだし。」
「あっちの方は山だから日陰になってるんじゃないかな。」
北海道とは別物の厚さですでに麻衣がへばっていた。
「外国の人もたくさんいるね。」
「ここ凄いもんねー。日本人の私たちが見ても感動だよー。」
千本鳥居に着くとさすがに麻衣も元気を取り戻して楽しんでいた。
「でも結局は登りかぁ。」
「でもすごいよね。中歩くとなんか映画の世界に入ったみたい。」
「後ろか歩いてるの見るとほんとにそんな感じがするよ。」
「入り口にいた狐可愛くなかったね。」
「まぁ可愛さ目当てに作ったわけじゃないからね。」
「可愛くしたらもっと人気でそうなのに。」
「それだと趣旨が変わっちゃうからね。」
「そろそろ終わりかな。」
千本鳥居も終わりが見えてきてその奥には参拝している人が見えてきた。
「あれまだ上あるの?」
麻衣が奥に続く道を見つけて顔をしかめていった。
「続いてるけど奥はほんとに登山みたいなのぼりが始まるよ。行ってみたいなら行くけど。」
「上には何かあるの?」
「まぁ一応似たような道が続いて所々にこんな感じの矢代があるって感じかな。でも観光のメインは大体ここだよね。」
加奈の話を聞いて麻衣だけじゃなくて私も愛理もさすがに
「「うん、ここまでで。」」
と答えた。
「あそこいっぱい人いるけど。」
「あれって有名な石じゃないっけ。」
「私知ってる。おもかる石だっけ?テレビでやってるの見たことある。」
「さすがに人気だから並んでるね。誰か理だけ挑戦してみる?」
じゃんけんの結果麻衣が挑戦することになった。並んでいるとはいえ回転率はいいのですぐに順番が回ってきた。
「えっとー、願い事を考えながら石を持ち上げて想像以上に軽いか重いかで願いが叶うかわかるって。」
私が隣に置いてある看板に書いてあることを読みあげた。
「じゃあやってみる。」
麻衣が何か願い事を考えながら石に手をかけた。
「え?重くない。持ち上がらないんだけど。」
「うそーん。それじゃあ次の人に変わろうか。」
結局全く持ち上がらず戻ってきた。
「何願いながら持ち上げたの?」
「うーん、なんかいろいろ人生うまくいきますようにって願ってた。」
「なんてアバウトな願い事なんだ。」
「むしろ強欲なぐらいだよね。神様も感じたんじゃない。」
麻衣の驚きの願い事にびっくりしてついつい突っ込んでしまった。
「みて、狐の絵馬があるよ。」
「本当だー。でも今って受験があるわけじゃないし特に書くことないよね。」
「たしかに、、、」
「そういえば地図にあっち側にカフェがあるってよ。」
「ほんと?そっち行こうよ。」
朝ご飯をまだ食べていなかったのでみんなテンションが上がってそっちに向かった。
伏見稲荷大社の中にある八島ヶ池の近くにある休憩所兼カフェに向かった。木造の建物に入ってそれぞれ食べたいものを頼むとすぐに運ばれてきた。
「すごい可愛いー。」
「狐がいる。」
運ばれてきたものを写真にとりながらはしゃいでいた。京都らしく抹茶を使ったものやぜんざいを頼んだけどその中には狐をモチーフとしたものが含まれていた。
「これでここからも頑張れる。」
「ほんと?よかった。次はほんとに山登り的なものだから。」
加奈が恐ろしい一言に麻衣が「やっぱり無理かも」と沈んでいった。
「ってほんとに山だ!」
愛理が伏見稲荷大社をでて次のお寺の入り口に着くと急に叫んだ。
「だから山だって言ったじゃん。」
「まさかここまでとは。」
私たちの目の前にはほんとにただの山しかなく、周りも道の途中にお土産屋さんらしきものがあったけどそれ以外はトイレぐらいしかなさそうだった。
「それじゃあ登ろー。」
「ぉー。」
みんな小さい声で返事をして山の中にある階段を上り始めた。
「くっ、頂上が見えない。」
「でも日陰だし川とか流れてるから思ったより涼しいね。」
序盤の方はみんな周りの緑の木々や川の水を見て感想を言う余裕があったけど途中から言葉数が少なくなってきた。
「ちなみに今何割ぐらい登った?」
「予想は六割。」
「うそでしょ。ほぼ今までのをもう一回繰り返すの。」
「がんばろっか。」
最後の方はほぼ気力だけで登り切った。
「あー、やっと到着したぁ。」
「結局汗だくだぁ。日焼け止め全部流れ落ちた。」
「帰りはヘリコプターで。」
麻衣のおかしな発言に誰もつっこまないぐらいには疲れていた。
「ここまで来て景色が見れると無いの?」
「神社だもん。そんな都合よくはないよ。」
「それならなんでこんな場所に作ったんだー。」
愛理がいつもと口調が変わるぐらいに絞り出して言った。
「修行のためじゃない?ここまで毎回登ってくるのが。」
「想像以上につかれた。これはこれからの予定を変更しなきゃかも。」
加奈が携帯で予定を確認しながら言った。
「ちなみに今のところの予定は。」
「後五つぐらい見て回れればいいかなって。」
「せ、せめて三つで。」
「だ、だね。さすがに私も無理。」
結局その日は予定していたところは全部回り切れずに宿に帰った。帰ると昨日みたいに枕投げをする余裕なんてなくてみんなあっという間に眠ってしまった。




