第六十五話
それからさらに車で進むとキャンプ場に到着した。
「麻衣起きて!到着したよ。」
途中からぐっすりしていた麻衣を起こすと「んー。」と眠そうにしながら私の腕にしがみつきながら車から降りた。
「暑くない?」
「だいぶだね。」
車から降りると久しぶりに暑さを感じた。天気予報を見ると今日は二十度近くまで上がるらしい。
「まだ三月だよ。暑くなるの早くない?」
「なんか今日だけっぽいよ。明日からはまた戻るみたい。」
「運が悪いなぁ。」
「え?いいじゃん。せっかくだし川に入ろうよ。」
インドアの私たちが日光に辟易している中凪ちゃんと早霧ちゃんはテンションが上がって目の前にあった川に走り出していた。
「とりあえず受付しておくか。」
愛理が運転手に帰りの時間を伝えて荷物を受け取り受付のある建物に向かった。
「すいません。予約していた牛込です。」
「えっ?私の名前使ったの?」
「別にいいじゃん。私の名前目立つからさ。」
愛理が悪びれもせずに「ね。」というので「まぁ、いいか」とうなずいた。
「六名様、一泊で予約の牛込さんですね。確認のためご利用者全員の名前をご記入ください。」
すでに濡れて戻ってきた二人も名前を記入した。
「薪はこの奥で売っています。他の施設は基本的に受付がありますのでここに来てください。釣り堀だけはその場で受付ができますのでそちらで済ませてください。火を使う際はお気をつけてください。」
店員さんから一通り説明を受けてテントを建てる場所に向かった。
「キャンプ場って泊る区画も予約なんだね。知らなかった。」
「ね。好きな場所に泊っていいものだと。」
「そういう場所の方が普通かもね。ここは違うみたいだね。」
大量の荷物を台車に乗せて移動した。
「それじゃあテントを先にたてちゃおうか。」
「でっか。」
愛理が取り出したテントは想像の三倍ぐらい大きかった。
「せっかくならみんな同じテントがいいと思って六人用にしたんだ。」
「こ、これっておいくら万円でした?」
早霧ちゃんが恐る恐る聞くと愛理はニコッと笑って答えた。
「秘密。でも思ったよりかは安かったよ。」
「これ以上は怖くて聞けない。」
「このキャンプは一体いくらかかってるんだ、、、」
愛理の言葉にみんながビビりだした。
「ほら、建てるよ。」
みんなでテントを建てたのだげど、おそらく諭吉さんが何枚もつぎ込まれたテントを大事に扱わなきゃという思いがあり、すごい時間がかかった。
「あー、疲れた。」
「テント建てるのって大変だね。大きいからかな。」
暑さもどんどん増してみんなぐったりしていた。
「あっつー。みんなで川に行こう。」
「えー、疲れた。」
「ここよりずっと涼しかったよ。」
凪ちゃんの言葉に「それなら」と動き出した。ここも日陰になったとはいえ吹いている風も生暖かいので涼しさを求めていた。
飲み物をもってさっきの川に行くと家族ずれの小さい子たちが遊んでいた。
「つめたー。これ凄い冷たいよ。」
「山の雪解け水だからね。普通の水より冷たいはず。」
手を水につけるだけでも全身が冷えるほどだ。そんな中
「ちょーつめたーい。」
「ね、めっちゃ気持ちいよ。」
と運動部の二人組がキャッキャしながら川の中に張り込んで水をかけあって遊んでいた。
「元気だねー。」
私たち四人は日陰の川岸を見つけて座り込み足だけ川に着けていた。
「すごい山だね。」
「うん。こういう場所有名なアニメ映画で見たことあるよ。」
「あれね。確かに雰囲気そっくりかも。このへんでスイカとか冷やせば完璧じゃない。」
「季節は全然違うけどねー。」
元気に遊ぶ二人に比べ私たちはのんびり話しながら涼んでいた。
「ねー、みんなでなんか遊ぼうよ。」
川で遊び終えた凪ちゃんが言った。
「何かって何?」
「んー、テニスは差が出ちゃうよね。他にあったのはとりあえずアスレチックがある場所に行こうよ。」
「まぁせっかく来たしそうだね。」
珍しく麻衣が真っ先に答えた。
「麻衣が意外と乗り気だ。」
「うん。ああいうの好き。」
私たちも重い腰を上げて併設されてる公園に向かった。
到着した場所は意外としっかりしたアスレチック施設だった。
「うわー、楽しい。」
「ここ思ったより高い!。」
「すごーい。」
想像以上にみんな楽しんでいて熱中して遊んでいた。
暑いとは言ってもまだ三月なので夕方になるとすでに日が傾いてきて、気温もどんどん下がっていった。
「さっむー。」
「汗がすごい冷える。」
「川に入ってた製で体中冷たい。」
日中との気温差にみんな体を震わせていた。
「よし、温泉に行こう。」
「そういえば受付のあった建物にあるって言ってたね。」
加奈の提案にみんなうなずいて一度テントに戻って着替えを持って温泉に向かった
「ふー。温まるー。」
温泉に入ると体が温まって疲れが取れていった。
「ここの温泉もなかなか。」
実家が温泉旅館の愛理が「ふむふむ」という感じで楽しんでいた。
「急に寒くなったね。」
「まだ三月ということを思い出したよ。」
「眠くなってきた。」
「まだご飯食べてないよ。そろそろでてご飯作ろうか。」
疲れた体にはあまりにも快適で麻衣とサギ地ちゃんがうとうとしてきたので温泉から上がることにした。
「由宇だっこ。」
「無理だよ!」
「けち。」
ブーブー言いながら寄りかかってくる麻衣を支えながら脱衣所に向かった。




