第六十二話
二月の二週目に久しぶりに部活に行った。
「この時期って暇だよね。」
「急にどうしたの?」
明日がバレンタインなのでチョコでお菓子を作っている中、急に加奈がため息をつきながら言った。
「いや、一年生も終わりで後はテストだけでしょ。でも次は二年生だから特に焦ることもないし。三年生になるなら受験だーとか、後高校生活一年しかないよーとか思うこともあるかもだけど中途半端じゃん?でもなにもしないのも高校生活無駄にしてる感あるし。」
「加奈は難しいこと考えてるね。それにテストあるのにそんなに余裕あるのは加奈だからだよ。」
テスト二週間前でテスト範囲も渡されてるのに余裕があるのはずっとクラストップの加奈ぐらいだ。
「由宇だっていつも勉強してるからそれなりに余裕があるでしょ。」
「そんなことないよ。それに加奈はともかく愛理を目標にしてるからもっと頑張らないとね。」
さすがにクラストップの加奈はあ高すぎる目標なのでとりあえず愛理を目指すことにしている。それでもそれなりの差があるので今回もとりあえずは追いつくことはないかな。
「イベントとかではしゃいでないと虚無感みたいなのがするんだよね。何もしてないのに一日が終わっちゃった感じがして。せっかくの高校生なのになんかもったいない感じしない?もちろん今みんなでいるのは楽しいけどね。」
加奈はみんなの前に立ってイベントを楽しむタイプなのでこの時期は特に暇に感じるのかもしれない。
「ってなわけでみんなで何かして遊ぼうか。」
「どんなわけで!?」
「今テスト週間だよっ?」
部活終わりにいつもの六人で私たちの部屋に集まった。
「さすがにテスト週間中にどっかに遊びに行くのも気が引けるからせめてものだよ。」
私がそう言うとみんなが「そういうものなのか?」と不思議そうな顔しつつも納得してくれた。
「わかったけど何するの?」
「それは全く決めてない!」
「なんでそんな自信満々なのさ。」
みんなで何して遊ぶかを考えていた、
「雪合戦にしようか。」
「なして?」
「そういえば私一回もしたことなかったなぁって。それじゃあ外行こうか。」
近くの空き地に行くと雪合戦するには十分すぎるぐらい雪が積もっていた。
「それじゃあじゃんけんでチーム分けしようか。」
「本当にするんだ。」
「私小学生以来かも。」
「早霧と凪は別々がいいんじゃない。」
みんなぐちぐち言っていたくせに意外と乗り気そうだった。
「それじゃあ二人ずつじゃんけんしよ。そうすれば二人が一緒になることないでしょ。」
「おー、さすが加奈。」
三人ずつに分かれて早速雪玉を作ったり壁を作ったりし始めた。
「なんで急にこんなこと言いだしたの?」
一緒のチームになった麻衣が聞いてくるともう一人の凪は聞いてきた。
「ん?どういうこと。」
「由宇がなんの考えもなくこんなことやり出すとは思えない。しかもテスト近いのに。」
麻衣の言葉に「へへー。」と苦笑いすると
「よくわかったね。さすが仲良しだね。」
と凪が感心したようだった。
「うん。加奈がね、、、、」
部活の時に加奈と話したことを話すと二人は
「加奈は大人みたいなこと考えるね。」
「なるほど。」
麻衣はやけに納得したようにしていて、凪は私と同じような感想を抱いていた。
「まぁ急に何か変えることは無理だけど一緒に遊ぶことぐらいはできるからね。」
私が言うと二人は納得したようにうなずいてくれた。
「しょうがないなぁ。」
「その代わりテスト勉強手伝ってね。」
「はいはい。」
結局一時間以上もみんなで遊んでいた。
「ふー疲れた。」
「あっついねー。」
「雪がちょうど気持ちいい。」
みんな上着を脱いで雪にダイブすると「ひゃー」「気持ちいー」「つめた」と声を上げていた。
「どうだった?」
隣で雪に埋もれている加奈に聞くと
「楽しかった。難しいこと考えすぎてたみたい。なんかもやもやが取れてすっきりしたよ。」
「うんうん。遊ぶのなら私たちはいつでもウェルカムだよ。」
加奈が嬉しそうな顔してうなずいたので、ひとまず悩み事を解決したのかな?
翌日、凪と早霧以外の私たちは見事に風邪を引いた。
さらに次の日、朝みんな集まって話していた。
「いやー、みんな揃って風邪を引くとはね。」
「普段家でぬくぬくしてるのに外ではしゃぎすぎるからだよ。」
「いいじゃん。楽しかったんだから。」
「約束通りテスト勉強手伝ってね。」
「だって加奈。」
みんなで頼るように加奈を見ると
「もう、しょうがないなぁ。」
と言いつつも顔は嬉しそうなので「それじゃあ今日も由宇の家に集合ね。」と言って自分たちの席に座った。




