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第五十九話

 十二月の中盤に入りひとまず今年の授業が終了した。終業式とかもないので授業が終わったあと愛理の家に集まった。

「みんな冬休みどうするの?」

「特に予定なし。」

「私も。」

実家組の二人は特になにも無いらしい。

「愛理っちとかお正月すごそうなのに何もないの?」

「うん。通常営業中だからね。挨拶にくるお客さんがいるからたまに顔出して対応するくらいかな。」

「勝手に親族全員集まって豪華な食事食べてるのを想像してたよ。」

私がイメージを言うと愛理が笑いながら答えた。

「こういう時期は忙しいからね。親戚が集まるのはむしろシーズン外のなんてことのない日だよ。それより二人は?」

「私は年末年始の五日間だけ帰る。」

麻衣はすでに予定が決まっているらしかった。

「私もそんな感じかなー。親が仕事あったらすぐ帰ってくるかもだけど。」

「いつでもここに遊びに来てよ。みんな忙しくて家にいても暇なんだよね。」

みんなの予定を見ながらお正月の後にひとまずみんなで遊ぶ約束をした。

「そういえば何育てるか決めたの?」

加奈が前の実習の時に話していたことを聞いた。

「うん。とりあえず小屋では豚を育てようと思う。種類によるけど半年ぐらいで出荷だからね。」

「まぁ育てる期間が長すぎても困るもんね。それに牛みたい育て方を大きく変える必要ないしね。」

愛理の答えに加奈がうなずいていた。前に授業で習ったけど食用牛は生産農家で育てられた後、肥育農家で育てられるのがふつうであるのに対して豚はその手間がない。

「麻衣は育てたいの何かあった?」

「マグロにカニにサーモンにエビにホタテに、、、」

「うんうん。そんなにいっぱいは無理だからもう少し絞ろうか。」

「じゃあぶりで。」

「さっき言ってない魚かい。まぁいいけど。」

「うん。養殖って言ったらぶりって先生が言ってたから。」

「じゃあ先生に連絡しておくから今度会うときに色々やろうか。」

そんな話をして麻衣と一緒に家に帰った。

「由宇はクリスマス予定ある?」

「ううん。今のところ特にないよ。」

「じゃああそぼに行こうよ。」

珍しく麻衣から遊びに誘われてうれしかったので「うん。いいよ。」と答えると麻衣は少し嬉しそうに笑って

「何かしたいことある?」

と聞いてきた。

「うーん。たまには外でご飯食べたいかな。お昼でも夜でもどっちでもいいけど。」

「わかった。考えとく。」

予定は麻衣が立ててくれそうなので「よろしくー。」と答えて夜ご飯の仕度に取り掛かった。

 冬休みに入ってからクリスマスまでは一週間もないのであっと間にクリスマスイブの前日になった。

「明日出かけるから準備しておいて。」

麻衣が予定が決まったようなので私に準備しておくように言ってきた。

「ん?遊ぶのは明日にしたの?」

「いや明日と明後日。泊りの仕度しておいてね。」

麻衣がなんてことないような顔で言ったので理解するまでちょっと時間がかかった。

「え?泊りなの?どこまで行くの?」

「それはまだ秘密。」

「お金は?」

「お母さんに友達と遊ぶって言ったらくれた。それにお小遣いもある。」

麻衣が心配ないと言わんばかりに胸をポンとたたいた。

「それじゃあ明日の朝出発だから。」

と言われたので慌てて私も準備を開始した。

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