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第五十一話

 早速週末にみんなで集まってホームセンターに向かった。

「あれ?なんで先生がいるの?}

「愛理ちゃんに呼ばれたからねー。」

麻衣と一緒にホームセンターに着くとすでに加奈と愛理がいて、その横には学校の先生がいた。

「詳しい人もいたほうがいいかなぁって。先生に頼んだら来てくれた。」

先生は専門の授業を担当している先生で可愛くて優しいので人気の先生だ。

「休日に来るなんて優しいですね。」

「生徒の頼みだからね。先生としては当然だよー。」

先生はすごいやる気でわざわざ必要なものが書かれている資料まで持っていた。

「先生凄いやる気じゃん。」

「実はね、、、」

愛理が寄ってきて先を歩いている先生に聞こえないように話し始めた。

「最初はね、先生渋ってたけど、作る野菜の提供とうちの宿泊券あげるって言ったら喜んできてくれた。」

「完全に宿泊券が目当てじゃん。」

「一緒に行く人いるのかな。」

「麻衣、さすがにかわいそうだよ。」

「そうだよ。あれだけ嬉しそうにしているのに、一緒に行く人がいないなんて考えられないよ。」

いくら愛理っちの旅館の宿泊券とはいえ、それだけで休日に生徒の用事に付き合ってくれてるから、一緒に旅行に行く人がいてそれを単押見にしていると信じたい、、、とみんなも感じたようでこれ以上は追及しないようにしようにしようとうなずいた。

「ほら、必要な物言うからどんどん詰めて。」

「あっ、はーい。」

先生の言った商品を探してはカートに詰めていった。

「とりあえずこんなもんかな。無かったものは学校のもの貸してあげるよ。」

「わーい、ありがとうございまーす。」

愛理が嬉しそうにお礼を言ってお会計を済ませた。

 ホームセンターから例の場所に移動するとビニールハウスが建っていた。

「あれ、いつの間になんかある。」

麻衣が最初に気づいて指摘すると愛理が

「先生に頼んで建ててもらったんだー。」

「学校でいつもお世話になってる業者さんにやってもらったから安心安全だよ。」

「でも全部やってあるわけじゃないんだ。」

「うん。ビニール以外にもやりたいから。」

早速ジャージに着替えて、買ってきたものを取り出して作業に取り掛かった。


 畑になる場所には学校から持ってこられた土が盛られていた。

「なんか意気込んでいた割には結構やってくれてあるんだね。」

「最初だからねー。慣れたら自分たちでやっていけばいいよ。まだ向こうの方は手つかずだから。」

見渡すとハウスと外に土を盛られている部分も含めても土地の半分ぐらいしか使っていなかった。今回はお試しということだ。

「じゃあ先に外からやっちゃおうか。そこに道具置いてあるから持って来て。」

先ほど買った農具を持って先生の指示を仰いだ。ここは比較的実習でやった通りなのでサクサクと作業が進んだ。

「外は何育てるの?」

「麻衣のリクエストに応えて白菜だよ。」

「そういえば鍋に使える野菜がいいって言ってた気がする。」

「うれしいな。お鍋が楽しみだなー。」

「さすがに気が早くない。」

会話をしながらどんどん作業を進めた。その中で加奈が

「白菜って外で育てて大丈夫なの?」

と質問すると先生が

「雪の中に埋めて育てる方法があるから大丈夫だよ。」

「そうなんですか?」

「うん。寒さの中で育てることで甘くなるんだよ。昔は育った後に雪の中に埋めてたんだけど最近品種改良して雪の中でも育てられるようになったんだよ。」

「さすが先生。詳しいね。」

麻衣がため口で言ったけど先生も「そうでしょー」と気にしてないどころか嬉しそうにしていた。

「それとせっかくなら大根も育てな。白菜と同じ感じで雪の中もいけるから。」

「本当?先生ありがとー。」

愛理が嬉しそうに先生にお礼を言った。土を敷き詰めては道具を使ってならして種を植えやすいように区分けをした。

「いったん休憩してご飯にしようか。」

先生に声をかけられて時間を見るといつの間にか十二時になっていた。

「ちょっと待ってて―。」

一度家に戻って朝に作っておいたおにぎりを持って畑に戻った。

「はい、どーぞ。」

「私もいいの?ありがとうね、由宇さん。」

「いえいえー、麻衣に取られないうちにぜひぜひ。」

すでにおにぎりをかじりついている麻衣を見て先生が笑いながら「じゃあ、遠慮なくもらおうかしら。」と食べてくれた。

「さすが由宇は気が利くねー。」

加奈がおいしそうにおにぎりをほおばりながら言った。

「昨日愛理に頼まれたからね。朝麻衣と一緒に作ったんだよ。」

「本当に麻衣も手伝ったの?」

「ぼべつぬったのだし。」

「うん。口の中のもの食べてからしゃべろうか。」

ごくりと飲み込んでから麻衣が話し始めた。

「こっちを作ったの私だよ。」

確かに私が作ったものに比べて麻衣が作ったものはかたちにばらつきがあった。「確かによく見るとこっちの方が不ぞろいだ。」

「味は変わんないし。」

 ご飯を食べた後、再び作業に取り掛かった。

 ハウスの中もだいぶ作業がされてあって、私たちが行うことは実習でやったぐらいのことしか残ってなかったのでサクサク作業が進んだ。

「ハウスの中はなに育てるの?」

「トマトとねぎとイチゴだよ。」

「けっこういろいろつくるね。」

「これから広げていくから、最初に何がやりやすいか知っておきたいから。」

種を植える準備をしながらハウスの中を見渡すとよくわからない機械がいくつかあった。

「ハウスって意外とシステマティックだね。」

「温度管理や光の管理に加えて、水やりも自動化できるから。」

と、先生が教えてくれた。

「先生、これは何?」

「それは雪を解かす機械だね。ハウスの上に積もると重さでつぶれちゃうから、熱を使って溶かすんだよ。」

「へー、すごいですね。」

「その分お金はかかってるけどね。」

「その辺は問題ないからね。」

愛理がピースしながら答えた。

「でも水やりのとかは全部はつけてないよ。少しは自分たちでやりたいからね。」

「たしかに。」

愛理と先生とそんな話をしている時に、加奈と麻衣は水道が設置している作業をしながら水で遊んでいた。

「そろそろ終わろうか。」

「そうだね。だいぶ進んだし。」

ほとんど種も植え終わり、設備もだいぶ完成したので今日は上がることにした。

「それじゃあ、皆さんお疲れ様。気をつけて帰るのよー。」

「はーい、先生ありがとねー。」

先生に手を振ってお別れして私たちもそれぞれ家に帰った。

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