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第四十七話

 次の日学校に向かうと完成された会場を見ると壮観だった。

「私たちは店番最初だからしばらくここに待機だね。」

「うん。とりあえず今のところ問題ないから大丈夫だと思うけど。」

加奈が色々な資料を確認しながら落ち着かせるように自分に言い聞かせていた。しばらくすると校内放送がかかり一般公開の文化祭の開始を宣言とともにあちらこちらで号砲が鳴り響いた。

「うわぁすごい人だ。」

麻衣が入り口の方を確認してつぶやいた。生徒はもちろん保護者や見学に来た中学生、そのほかにも一般客が入ってきてあっという間にグラウンド中に人があふれてきた。

「あっ、あれ由宇のお母さんじゃない。」

接客しながら麻衣の向いている方向を見るとお母さんが来ていた。

「いらっしゃい。」

「元気にやってるね。安心安心。お父さんはお仕事で来れなかった代わりに一人連れてきたよ。」

「ん?誰?」

お母さんにクレープを渡すとお母さんの後ろから一際背の低い女の子が出てきた。

「あっ、のんのんだ。」

「おひさーゆうゆう。」

「のんのん?ゆうゆう?」

加奈が片言で繰り返した。愛理は

「この子由宇の妹さん?」

と聞いてきた。のんのんにみんなを紹介すると、のんのんも

「私はゆうゆうの幼馴染の望です。初めまして!」

と自己紹介した。なぜか麻衣の方を見ていた気がするけど。

「ゆうゆう案内してくれない?久しぶりだし話したいこともいっぱいあるし。」

「いや、今由宇仕事中なんだけど。」

「ゆうゆうダメ?」

「うーん。お母さんもいるしちょっと抜けていいかな?」

と聞くと加奈が

「今はまだ私たちで回せているから大丈夫だよー、行ってらっしゃい。」

とオーケーしてくれたのでエプロンを脱いでお母さんとのんのんを案内しに出かけた。

「それじゃあゆうゆう借りていきますねー。」

「はーい。お時間になったらご返却をー。」

愛理がノリノリで見送ると隣で麻衣が急に「はぁあ」と声を出した。

「えっ、どうしたの?すごい顔してるよ麻衣。速く戻して。」

「今の見た?」

麻衣が二人に聞くと「いや。」「なんのこと?」と首を傾げた。

「絶対私の方見て挑発してきたよ。」

「そうだったかな?」

「うん。すごい勝ち誇ったような顔だったもん。」

麻衣が珍しく興奮していた。

「あれじゃない、連絡とってるときに麻衣の話がでたんじゃない。それで知ってたとか。」

愛理が「名推理かも」と自画自賛していた。

「もしかして由宇のこと自分のものってアピールしに来たのかな。わざわざ静岡から来たらしいし。」

「考えすぎじゃないかなー?」

加奈がなだめるようにいっても麻衣は「うー」とうなって警戒を緩めないので「とりあえず接客中はその顔やめてねー」と伝えてさっきの子のことについて考え始めた。

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