第三十八話
そのまま夏休みに入って私と麻衣はそれぞれ実家に帰ったり、戻ってきてから一緒に旅行のために買い物に行ったりした。実家に帰った際には家族で北海道を少し車で観光したり、家でダラダラして過ごしていた。家事は嫌いじゃないけどすべてお母さんがやってくれるのでついついだらけてしまった。
「そういえば結局凪と早霧は来れないってね。」
麻衣と買い物をしていると先日二人から来た連絡の話になった。
「やっぱ運動部は大変だね。」
二人とも行きたがっていたけど部活が忙しくて泣く泣く今回はあきらめた。一日や二日なら開いているけどさすがに遠出するには心もとない日数だった。
「でも東京まで一緒に行くんでしょ?」
「うん。テニス部が東京で合宿やるからせっかくなら途中まで一緒に行こうって。」
「えー、じゃあ先生とかいるの?」
「いや、先生とか先輩は違う便で行くんだって。その代わりに他の子の保護者がいるって言ってたけど。」
「じゃあ問題ないね。」
旅行シーズンなのでまとまって席を取るのは難しいと考えて分けたおかげで早霧ちゃんと凪ちゃんと一緒の飛行機に乗ることができた。ちょうど運よく後ろの席が空いていたらしく取ることができたよと愛理から連絡があった。
「東京からってまた飛行機乗るの?」
「ううん。新幹線だよ。」
「それって乗り換えとか大変?」
「うーん。空港から東京駅まで行くのに確か一回あったけど、新幹線に乗っちゃえば乗り換えはないよ。」
元静岡県民の私からすれば馴染み深い新幹線だけど麻衣にとっては全くそんなこと無いので結構その辺のことを知らないようだった。
旅行に必要そうなものを買って、家に帰ってから二人で準備を始めた。
「私、愛理のところの旅館泊るの初めてだから楽しみだなぁ。」
「私もない。だって高級旅館だし。」
たしかに庶民にとっては気軽に泊まるとこというよりは特別な時に泊るような場所なのであんまり縁がなかった。
準備がある程度終わった後も二人で行きたい場所や食べたいものを調べながら当日まで楽しみに過ごした。




