第三十七話
三日間のテスト期間を終えて一週間経ってテストが返ってきた。
「また加奈が一位かぁ。」
放課後に私たちの家に集まってみんなで点数を見せあっていた。早霧ちゃんと凪ちゃんも来て大所帯になったので猫がビビッて隅っこで縮こまっていた。
「私麻衣と同点じゃん。やったー!」
早霧ちゃんが麻衣の個表と見比べて言うと麻衣が
「えっ?ほんとだ。」
「加奈が教えてくれたおかげだね。」
「私もがってたよ。」
凪ちゃんが個表を見せながら言ったので麻衣がのぞき込んで確認した。
「さすがに凪には勝ってた。」
「それはそうでしょー。スタートがが違すぎる。」
順番的には加奈愛理私麻衣早霧ちゃん凪ちゃんの順番で麻衣と早霧ちゃんがちょうどクラスの真ん中あたりだった。麻衣が「早霧は部活もあるのにすごいね。」というと「えへー、加奈様様だね。」と嬉しそうだった。
「みんなは夏休みどうするの?」
凪ちゃんが聞くとみんな「実家にちょっと帰る。」「家族と旅行。」「特に予定なし。」「部活。」と答えた。
「こっちって夏休みちょっと短いよね。」
今までの夏休みより二週間弱短いので言うと
「そのかわり冬休みが長いからね。」
「なんなら冬休みに全振りしてもいい。」
と加奈と早霧ちゃんが答えた。夏休みは短いので、実家に帰ってたら意外日にちが無いので、みんなそれと言って遊ぶ予定が決まってないようだった。
「せっかくだから私の旅館行く?」
愛理がそう言うと凪ちゃんが
「えー、あの鳥山リゾート?すごーい。」
とはしゃいでいたけど
「でも私たちは部活あるから行けるかわからねいよね。」
「そうなんだよねぇ。」
早霧ちゃんに言われて凪ちゃんが悔しそうにしていた。二人が所属するテニス部は夏休みもそこそこ忙しいようなので遊べるか微妙そうだった。
「行くとしたらどこなの?」
加奈が聞くと
「夏だから沖縄とかいいんじゃない?京都とかもっと近いところなら金沢とかもいいかも。」
「そういえば昔金沢には行った気がする。」
「加奈はよく泊りに行ったの?」
「小さい頃に何回か一緒に家族旅行したよね。そのときは愛理のところの旅館に泊ってたよ。」
愛理が「うらやましいでしょー。」とうなずいていた。
「沖縄は暑そうだなぁ。」
携帯で旅館の情報を見ていた麻衣が会話に参加してきた。
「真夏の沖縄に言ったら麻衣と愛理は動けなくなりそうだよねぇ。」
「私はともかく麻衣は途中でリタイヤしそうだよね。」
「どこも暑いと思うけどね。それに京都とは盆地だから沖縄より暑いとかよく言われてるよ。」
加奈がそういうと麻衣は「じゃあどこでもいいやぁ。」と暑さに関してはあきらめていた。
「でも京都は行ってみたいなぁ。」
私が言うと意外にもみんながのっかってきた。
「私も行ったことないんだよね。」
「私もない。」
なんと愛理以外はみんな行ったことがないらしい。
「中学の頃宿泊研修で京都行けるはずだったんだけどインフルで行けなかったんだよね。」
なぜか私のクラスだけ季節外れのインフルが流行って私もその流れに乗ってしまい行くことができなかった。
「私たちは宿泊研修も修学旅行でも京都は行かなかったから行ったことないんだよね。」
加奈の言葉に私が
「修学旅行ってみんなどこだったの?」
と聞くと「私の中学は函館だった。」「私っちは東京だった。」「私も函館」と意外にもみんな近場だった。
「結構道内が多いんだね。」
「そうだね。この辺はほとんど道内なんじゃないかなぁ。」
加奈が言うとみんながうなずいた。
「じゃあ京都にする?」
愛理がそう言うと麻衣が猫を顔の前に持ち上げて
「でも京都まで行くには結構かかりそうじゃにゃい?」
と言った。みんなが「ん?」、みたいな顔をしてぽかんとしていると、愛理ももう一匹の猫を麻衣と同じように顔の前にわざわざ持ち上げて答えた。
「そこは問題にゃいよ。なんせ私はあの鳥山リゾートの一人娘なのだから。旅費は全部負担しようじゃにゃいか。」
どうやらこの二人は意外とこういうところで息が合うようだった。




