第三十五話
「今日はサンドイッチを作りまーす。」
みんながエプロン姿になると部長さんがそう言った。
「それなら私たちにもできそうだね。」
「たしかに。」
愛理と麻衣が安心したように話していると部長さんが続けてとんでもないことを言った。
「えーっと、ここにいる全員で目標二百人分だらかがんばろー!」
「「「んん!?」」」
「聞き間違えかな?二百人分って聞こえたけど?」
「いや、今確かにそう言ったよ。」
驚きすぎて二人が変な茶番をしていた。
どうやら今回は作った料理を運動部の人たちに差し入れするらしい。夏の大会がある部活が多いのでこの時期に差し入れするのが毎年の恒例行事見たいらしい。と加奈が「本当にやるんだ。」と驚きながら教えてくれた。
「果てしないねー。」
できたサンドイッチは中央の机に置いて行ってるけどまだまだ二百食にはほど遠そうだった。
「これ全部この学校の食材でしょ?」
愛理がパンにはさんでいるトマトやレタス、ベーコンを見ながら言った。
「そうだって。このパンもここで育てた小麦を使って先輩たちが作ったらしいよ。」
「このベーコンおいしい。」
「ほら麻衣食べてないでどんどん作ってよ。」
三人はパンに具材を挟む係なので話しながらひたすら作業をしていた。私は挟むための具材を切ったり焼いたりする係なのでひたすら動き回っていた。
一時間ちょっとするとだいぶ用意したお皿が埋まってきた。
「じゃあそろそろ配る準備しようか。」
部長さんがそう言うと何人かの先輩たちが調理室を出ていった。
「今あの子たちが配るための机を用意してるから戻ってきたら持っていけるように準備しておいて。よろしくねー。」
「「はーい。」」
部長さんに頼まれたのでみんな手を止めて準備をした。千波の何人かの先輩たちは残りの分を作るので料理を続けていた。
「これ全部運ぶのは大変そうだね。」
愛理が苦笑いしながら目の前に置かれた約二百食分のサンドイッチを見た。
「まぁみんなでトレーとか使いながらなら何とかなるよ。」
話しているとさっきの先輩たちが戻ってきたので運び始めた。何往復かして今ある分を運び出すことができた。ちなみに麻衣は二回ぐらい運ぶのをさぼっていた。
「暑ぃ。」
「麻衣さぼってたじゃん。」
加奈に言われると「こんな暑い中これ以上動いたらしんじゃう。」と座り込んで加奈に寄り掛かった。
「でも確かに暑いね。」
「こんな中部活してるなんてすごいよねー。」
私も愛理も額には汗が浮かんでいた。四時前だけど日差しが強くてむわっとした生暖かい風を感じた。北海道に来てから初めての夏だけど静岡よりは暑くないけどそれでも昼はそれなりの厚さを感じた。だけど朝や夜は静岡と違って涼しさを感じたのでさすが北海道だなぁと感じた。
「先輩たちはあれを作ってたのか。」
いまだに加奈に寄りかかっている麻衣が机の上に置かれているものを見て言った。
「これだけ暑ければ飲み物も欲しくなるよね。」
加奈が麻衣を支えながらうなずいていた。先輩たちの何人かは違うものを作っているのには気が付いていたけど、どうやら野菜ジュースを作っていたようだった。そのほかにも牛乳が置かれていた。ジュースづくりに使用した野菜や果物もあの牛乳も全部この学校にとれたものだから本当にすごい。




