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第三十三話

 「あれ恥ずかしかったー。」

愛理が戻ってくるといきなりそういって加奈に飛びついた。

「それにしては結構ノリノリにポーズ取ってたね。」

「あーでもしないと間が持たなかった。」

走るスピードがゆっくりで、しかも全校生徒の注目を集めながらなので特に目立ちたがり屋でもない愛理にとっては恥ずかしかったらしい。

「次のが最後?」

「そーだよ。」

加奈がプログラムをみて答えてくれた。

「最後は何?」

「ケイトンだよ。」

「なにそれ?」

麻衣がきょとんとしながら加奈に聞き返した。私も競技名を聞いてもどんな競技か予想がつかなかった。この競技は各色のリーダーが参加する種目なので全く気にしていなかったので想像がつかなかった。

「えーっとねぇ、競豚けいとんだよ。豚がレースするからどの豚が一番になるか予想する。」

「なんで最後の種目はそんな賭け事みたいなの!?」

想像していなかった方向の種目だったのでついつい笑ってしまった。

「しかもこの競技が一番配点が高いらしい。」

「おかしいってー。」

つっこみどころが多すぎてついつい大きな声が出てしまった。

 「一番盛り上がってたね。」

体育祭が終わって愛理と加奈と別れ、麻衣と二人で帰っていた。

「ついつい応援に熱が入っちゃったよね。」

「由宇も加奈もめっちゃ声出てたよ。」

最終種目は予想以上に面白く熱中してしまった。

「体育祭楽しかったね。」

「うん。」

なんだかんだ麻衣も楽しかったみたいだった。高校の最初のイベントだったけど三年間この高校にいたんじゃないかと思うほど馴染んで楽しめた。

「まだ三か月弱しか経ってないのが信じられないよ。いろいろあったからずっといる感覚。」

「わかる。愛理とも加奈ともすごい仲良くなれたし。」

「そうだね。二人と仲良くなれてよかったよー。」

色々不安だった高校生活のスタートだったけど、今となってはそんな不安はなくなっていた。

「由宇と一緒の部屋になったおかげだよ。」

「私も麻衣と一緒で良かったよー。これからもずっと一緒だといいね。」

私が麻衣の前に回り込んでそういうと珍しく麻衣が笑顔で「ふふっ。」と笑った。

「どうしたの?」

私が聞くと麻衣は笑顔のままこっちを向いて「何でもないよ。」といって

「私もこれからも由宇とずっと一緒だと嬉しいよ。」

と抱き着いてきた。

「せっかくだしスーパー寄っていこうか。麻衣の好きな物作ってあげるよ。」

「本当?じゃあカレーがいいなぁ。」

「任せて―。」

「、、だよ。」

麻衣が私から離れる際にぼそっと何かをつぶやいた。

「ん?何か言った?」

「ううん。ほら早く行こう!」

「ちょっと待ってよ麻衣ー。」

いつもより嬉しそうな麻衣に引っ張れられていつものスーパーに向かった。

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