第三十二話
昼食を食べ終えて午後の種目が始まった。午前中の白熱した戦いとは変わり和やかな雰囲気が漂っていた。
「午後に出番あるのは愛理だけ?」
「ううん。私もある。」
「あれ?加奈もなにかでるのあったっけ?」
確か私たち三人は午前中で出番が終わりだった気がする。
「それが、一人五戦中に怪我しちゃったみたいでさ。代わりに私が出ることになったんだ。」
「それで何出るの?」
「ウサギの早掴みだよ。」
「あれもうすぐじゃん。」
「うん。ってなわけで行ってくる。」
加奈がテントから出ると愛理と麻衣が「いってらー」と見送った。
加奈が代打で出ることになった種目は午後の二種目目だった。
「これってどういうルールなの?」
隣に座っていた麻衣が聞いてきた。
「スタートラインから走って百メートル離れた場所にいるウサギを捕まえるんだけど、ウサギに首輪がついていて首輪についているカプセルの中に当たりの紙が入っっているウサギを最初に捕まえた人が勝ち。」
「変なルール。そもそもなんでこの学校こんなにウサギいるの?」
「それは動物育てるのをやっているクラスあるからじゃない?動物園に結構ウサギいるから必要だしウサギなら小さいから学校でも飼いやすから。」
愛理がそういって
「あとこの競技は参考にしたのがあるんだって。昔の運動会は油を塗ったブタを捕まえるっていうのがあったみたいだけど、それを今やるにはちょっと問題がありそうだからこんな形に落ち着いてんだって。」
「へー。」
私もそれは知らなかった。愛理もさすがの博識だといまさら感じた。もしかしたら加奈に聞いた話かもしれないけど。
「始まった。」
「愛理ー、頑張れー。」
「多分そのモフモフの子だよー。」
「いや、あの小さい方のウサギだよ。」
加奈がどの子にしようか迷っているのを見て二人が応援しながらアドバイスをしていた。何せ一回間違えたら百メートルを猛威一度往復しなければならない。
「ウサギって意外と動くの速いんだね。」
「あれ捕まえられるの?」
麻衣が絶対無理そうみたいな顔をしていた。話されたウサギもずっと止まっている子もいればすごい速さでぴょんぴょん飛び回っている子もいた。
「あっ、加奈がゴールしたみたい。」
愛理がそういいながら写真を撮っていた。加奈は二往復ぐらいしていたのでへとへとになって、ウサギを抱えながらゴールに倒れこんでいた。
愛理が集合場所に向かうためにテントをしてちょっとして加奈が戻ってきた。
「おつかれー。」
「お疲れ様。」
「疲れたよー。あんなに走る羽目にはなるとは。」
そういいながらも笑顔なので、だいぶ楽しかったようだ。
少したってから愛理が出場する競技が始まった。グラウンドをポニーで走り回ってタイムで勝負なのだが、馬みたいに飛んだりすごい速さで走るわけじゃないので、箸休めのような種目らしい。
「この種目ってやったりやらなかったりなんだって。」
「そんなかんじがするわぁ。」
加奈がそう教えてくれると麻衣が納得という風にうなずいていた。愛理が出てきたの三人で応援しながら写真を撮っていた。
「なんか愛理がやるとパレードみたいだね。」
「こっちに手振ってるし。」
だいぶゆっくりなので私たちの前でこっちを見ながら手を振ったりポーズをとっていた。




