第二十九話
それから二週間は体育が体育祭に競技の練習になった。二日だけ雨が降ったけど前日の今日は晴れで明日も晴れの予報だ。
「愛理はともかく麻衣も来るなんてね」
加奈が意外そうな感じで麻衣の方を見ながらつぶやいた。前日の準備に加奈が声を掛けたら二人とも参加していた。
「暇だったから。」
加奈が嬉しそうにうなずきながらテントの袋を開けた。
「じゃあこれ開いて固定して。」
明日の応援席の屋根となるテントは広いグラウンドを囲むように建てられる。
「明日ってみんな親来る?」
私が聞くとみんな「うーん」と言って
「ちょっとだけ見に行くかもって言ってた。」
麻衣の言葉に二人ともうんうんとうなずいた。
「やっぱそうなんだね。私の親も来るかどうか迷ってたみたいで。」
「まぁ、文化祭ならともかく高校の体育祭はね。そこまで親が来てもって感じだよね。」
加奈がテキパキテントを組み立てながら言った。たしかに小学校や、中学校のようにクラスの団体競技だったり、親が見に来る雰囲気ではない。結構学校内のイベントのイメージがある。
「そういえば明日学食開いてないんだよね?」
「そういえばそんなこと言ってたね。」
普段は学食派の二人が話していた。購買は開いているらしいけど、そっちはそんなに食品が多くなく、明日は寮の人が優先されるので基本的に自己調達らしい。
「私が二人の分も作ってあげよう。」
「「いいの!?」」
二人とも行きぴったりで私の方を見て叫んだ。。
「いいよー。普段麻衣の分も作ってるし。ちょっと量増えるぐらい変わらないよ。」
「やったー。由宇のお弁当食べてみたかったんだよね。」
「その代わり後で買い物ついてきて。四人分の食糧は家には無いから。」
「もちろん。」
私たちの手伝いはテントを建てるだけだったので思ったより早く終わり、四人で近くのスーパーに向かった。
「お金は私がだそう。」
スーパーに着くと愛理がわざと偉そうな口調でいうので特に遠慮もせずに「じゃ、よろしくー。」と頼んだ。
「何がいい?」
三人が食べたいものをそれぞれ聞いて必要なものをかごに詰めていった。
「さすがに多くない?」
「四人分だから。それにおやつもあるし。」
麻衣は本当に遠慮せずにポンポン色々なものを詰めていった。
支払いが終わって、二人も私たちの家についてくることになった。
「そういえば二人の家に行くのは初めてだね。」
加奈が思い出したようにつぶやいた。スーパーから近いのですぐに到着した。
「おぉ、思ったよりもきれいな建物だ。」
学校の寮がそこそこきれいだけど古い建物なのでそんな感じのものをイメージしていたのか愛理が意外そうにつぶやいた。
「はい、いらっしゃい。」
「「お邪魔しまーす。」」
二人がゆっくり玄関を入る横を麻衣が通り抜け麻衣が玄関の様子を見に来た猫に飛びついた。
「んんーーー。」
「なんちゅう声をだしてるんだ。」
「麻衣って本当に猫好きなんだね。」
学校でも麻衣が猫好きという話はしていたけど初めて見たので二人ともなぜか感心していた。
「じゃあ早速お弁当の準備しようか。」
加奈が手伝ってくれるそうなので一緒に準備することにした。ちなみに二人は戦力外なので後ろで猫と遊んだり、明日使うゼッケンに名前を書いていた。
「これならすぐできそうだね。」
「うん。残りは由宇に明日任せることになるけど。」
「これだけやればほとんど後詰めるだけだから楽だよ。」
加奈は手際がよく、あっという間に終わってしまった。
「愛理、もう帰ろうか。」
「うーん。」
猫と仲良くなって帰るのが名残惜しそうに愛理はうなずいた。
「じゃあ、またあしたー。」
「ばいばーい。」
二人を見送って、部屋に戻り明日の準備をした




