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第二十六話

 「できたー!」

普段猟師をしないからかいろいろ手間取っていた愛理の料理がついに完成したようだった。

「うわー、振り向きたくない。」

「カエルだけで許してくれないかな。」

麻衣と加奈が愛理に背を向けながら話していた。一方の愛理は嬉しそうに真ん中の机に出来上がった料理を運んでいた。さすがの先輩たちも手を出すのに躊躇していた。

「ほら持ってきたよー。」

「うっ。」

愛理が私たちの机に出来上がった料理を持って来てくれた。麻衣が何か言いそうになったのでそっと口を押えて席に座らせてあげた。

「それじゃあ食べようか。」

麻衣に言い聞かせるように私が言うと麻衣はあきらめたようにうんとうなずいた。

「それじゃ、いただきます。」

みんなまずはカエルの唐揚げから食べ始めた。けして虫みたいなやつをさけたわけじゃない、はず。

「あれ、おいしい。」

麻衣が驚いたように言っていた。

「本当に鶏肉みたいだね。」

「うん。ささみとかむね肉っぽいのかな。おいしいね。」

テレビで言っていたように鶏肉と言われれば信じてしまいそうな感じだった。

「でしょー。ちゃんと味付けとかも頑張ったんだぁ。」

愛理も満足そうに食べていた。

「それじゃあこっちも食べてみようか。」

そういって愛理は箸を伸ばしたけど、私たち三人は一瞬動きが止まった。揚げ物の方はまだ衣で姿が隠れているけどちょっと面影を感じるし、佃煮に関してはそのまんまんお見た目だった。

「それじゃ、、、、、いただきます。」

恐る恐るまずは揚げ物を食べた。三人とも何も言わないまま佃煮も食べた。

「うーん、ちょっとにがいかなぁ、でも佃煮はおいしいね。」

愛理がこっちを見て聞いたので三人とも黙ってうなずいた。加奈がうなずきながら

「おいしいかもしれないけど、、虫って感じがすごいした。」

「たしかに。佃煮なんかは普通の佃煮の味に近いけど、見た目と虫を食べてるって思い込みがあるせいで素直においしいって感じづらかった。」

私が苦笑いで言うと加奈がうんうんとうなずいて同意していた。味自体は少し苦みのある佃煮だから惜しいはずなんだけど、その苦みが虫感をどうしても感じさせてしまった。

「揚げ物はまんまだね。」

麻衣の言葉に愛理もうなずいていた。

「衣に味付けてみたけど、それだけじゃ無理だったねー。すっごい虫だったね。」

愛理は笑っているのを見て私たちは「すごー。」と感心していた。

 みんなの料理が食べ終わって片づけをして、今日の部活は終了した。四人で先輩たちに帰りの挨拶をして調理室から出て門に向かった。


「いやー楽しかった。」

愛理が満足そうに言った。

「由宇のクマ料理もおいしかったね。」

「そう?よかった。」

「まさか愛理にあんな趣味があったなんてね。」

麻衣の言葉に私と加奈が力強くうなづいた。

「今度は何がいいかなぁ?」

「また作るのー?」

「調理室は申請すればいつでも使えるって言ってたじゃん。」

「もう虫は勘弁してほしいよー。」

「私もむしはもういいかなぁ。でもカエルはおいしかったでしょ?」

「「うーん。」」

確かにおいしかったけど、素直にうなづくと愛理がまた何か変な物を持ってくるんじゃないかと不安になって曖昧にうなづいた。

「ふふっ、そんなに警戒しなくてもそんなに珍しものは手に入らないから大丈夫だよ。」

「愛理だとすぐ手に入りそうだっから怖いんだよー。」

加奈の情けない声についつい私たちは笑ってしまった。

 家に帰ってから弁当箱を洗いながら麻衣と話した。

「愛理の料理凄かったね。」

「あれはすごかったねぇ。」

「次からの部活はお題が決まってるから助かった。」

「しばらくは愛理が暴走することはなさそうだね。」

今日のテンションの高かった愛理を思い出してついつい笑ってしまった。

「由宇の料理もよくできてたよね。」

「ねー。想像以上においしくできてよかったよ。」

「あれって家でもできるの?」

「できるよー。さすがにもう少し時間かかるけどね。」

「また食べたいな。」

麻衣はクマ料理を気に入ったようだった。

「学校の購買に売ってたら買ってくるよ。」

「あそこに売ってるんだ。」

「うん。色々学校で作った商品が売ってるよ。」

「知らなかった。」

「今度行ってみようか。」

あんまり購買を使うことがないので私も最近まで知らなかった。この学校は購買もそこそこ大きいので色々なものが売っている。せっかくなので今度買いに行くまでに何を作るか考えておこう。

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