第二十二話
麻衣が校舎とは少し離れた図書館に入ると由宇が一人で料理雑誌を広げて真剣に読み込んでいた。どうやら本に夢中でこっちにはまだ気が付いていないようだった。
図書館は校舎とは違う建物になっているけど上が視聴覚室になっているのでたまに授業で来ることがあるので校舎とは近くにあった。いくつか建物があるけど遠い建物は歩いて十分以上かかる場所にあったりするのでまだ校舎に近い位置にあると言える。
由宇の後ろから抱き着くと、声を出さずにびくっとした。麻衣が離れて由宇は後ろを向いて抱き着いてきたのが麻衣と確認すると安心したように「ほおぅ」と息を吐いて小さな声で
「どうしたの?」
と聞いてきた。
「愛理にいじめられたからかまってもらいに来た。」
「ふふっ、仲良しだね。」
と言って由宇は隣に座って机の上に伏せた麻衣の頭をなでた。由宇は初めからいじめられたことがただ単に嘘でただ単に仲良く話してたんだろうなぁ、というような顔でほほ笑んでいた。まぁ麻衣にとっても実際にからかわれただけで、いじめられたなんて思ってないから問題ないけど由宇はこうゆうところは察しがよく麻衣が伝えたいことをすんなり汲み取ってくれる。あんまり口数が多くないというか、言葉を端折り気味の麻衣の話でも由宇はいつも正確に受け取ってくれる。
「ここに来るなんて珍しいね。」
「うん。最近由宇と話すことがなかったから。」
「そっか、そうかも。ごめんねぇ。」
実際に一緒に住んでいるので家に帰れば話すし、学校にいても話はしているのでそんなことはないけど、由宇は麻衣の言いたいことを読み取ってくれて再び頭をなでてくれた。
「確かに最近はずっと本読んでて考え事してたきがする。」
「うん。」
「じゃあ帰ろうか。」
「えっ?いいの。まだ読んでる途中だけど。」
「うん。本当は作るものはなんとなく決まってきてたんだ。でも読んでいるうちに楽しくなってきちゃって。」
「そうなの?」
「ごめんねー。すぐ返してくるからちょっと待っててね。」
と言って由宇は雑誌を持ってどこかに行ってしまった。




