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第二十話

 「愛理は何作るか決めた?」

由宇と部活の話をしてから数日たって実習があったので聞いてみた。

「ん??あー、部活のこと?」

「そう。」

「私はもう決めたよ。でもまだ教えない。」

愛理が何かを隠すように笑っていた。

「麻衣は決まらないの?」

「ううん。私は別にそんなに料理得意じゃないから。簡単なのを作るけど由宇がなかなか決まんないらしくて。」

愛理はなるほどいう感じでうなずいていた。

「最近図書館に入り浸ってるのはそれが原因?」

麻衣はうなずくと愛理は「ははーん」と言って

「由宇がかまってくれないからさみしいんだ?」

「さみしいって寄りは、家に一人でいても暇なんだよね。」

「素直じゃないね。一緒に図書館行けばいいじゃん。」

「うーん、由宇はずっと本読んでるし話しかけても特に反応してくれないんだもん。」

この数日間由宇は放課後になったらすぐに図書館に行って、夜ご飯を作る時間に帰ってくる。夜ご飯を食べ終わった後も借りてきた本をずっと読んでるので一人の時間が増えていた。

「やっぱ寂しいんでしょ。麻衣はなんだかんだ由宇のこと好きだよねぇ。」

「そんなことないよ。普通だもん。」

「暇ならうち来れば?」

愛理が土に水をかけるために持っていたホースごとこっちを向いたので足元に霧状の水が少しかかった。思わず「きゃっ」と声が出てしまって、周りに何事かと見られてしまった。「もう」と顔を上げて愛理の方を見ると意地悪な顔をして笑っていた。

「いいもん。やっぱ由宇のとこ行くから。」

「うんうん。それがいいよ。」

愛理は満足そうにそういってホースの水を止めた。

 放課後いつも通りに由宇は一人で先に図書館に行ってしまった。放課後は掃除があり、掃除班は由宇と違うので今月は麻衣は当番だった。普段一緒に帰る時や、図書館に最初に誘ってくれた日は待っててくれたけど麻衣が図書館に来ないとわかってからは先に図書館に行ってしまう。そのことを同じく掃除をしていた愛理に話すと

「それはそうでしょ。だって麻衣のこと待っててもしょうがないもん。麻衣はわがままだなー。」

「なんでよ?」

「だって由宇は麻衣のために何作ろうか考えてくれてるんでしょ。それで図書館に行っているのに。それに帰る時間別々なのに待つ必要ないじゃん。どうせ家一緒なんだし。」

「でも、加奈は愛理が掃除終わるの待っててくれてるじゃん。」

「それは過ごしてきた時間が違うよー。麻衣たちはまだ出会って一か月ちょっとでしょ?私たちはもう十年も一緒にいるんだよ。」

愛理は話しているとクラスの友達から「いちゃついてないで掃除しろよー。」と言われたので戻ろうとしたら愛理が

「いやぁ、麻衣がさぁ、加奈に最近ほっとかれて寂しいんだって。」

「二人いつも一緒にいるもんねー。」

おそらく中学の頃の山羊野凪と書かれたジャージを着た子が納得したようにうなずいていた。

「どーしたの、喧嘩でもしたの?」

「由宇が部活で忙しくてかまってもらえないんだって。」

「由宇ちゃんって何部なの?」

「料理部だよ。ちなみに私たちも。」

「へー、いいなぁ、楽しそう。」

「うんうん。今度凪ちゃんにも何か作ってあげるよ。」

「本当?楽しみにしてるよ。」

話しているうちに掃除が終わったので凪が「ばいばーい、早く仲直りできるといいねー。」と手を振って部活に向かってしまった。

「愛理って意外と意地悪だよね。」

「ん、なんで?」

「だって、話すことなかったじゃん。」

「んー?だって聞かれたか答えただけだもん。」

愛理がわざとらしくかわい子ぶって答えるのでデコピンをすると「いたっ」とおでこをさすっていた。

「それよりいいの?由宇のとこ行かなくて。」

「言われなくても行く。」

「じゃあねー。」

「うん、ばいばい。」

愛理と加奈に手を振って教室を出て図書室に向かった。

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