第十六話
テストが帰ってきてから一週間経ち、ようやく実習が始まった。
「じゃあ席は前に貼ってあるので見て座って。」
普段の教室と違い大きな教室に入ると先生が黒板に紙を張った。私達のコースと実習の専門のコースのクラスと合同なのでいつもより倍近い人数で授業を受けることになる。
「各班に一人は専門クラスの子がいるか確認してー。もしいなかったら先生のとこにきて。」
先生が大きな声を出して支持を出している。専門クラスは私たちのクラスと比べると人数が少ない。とはいっても二クラスあったりするのでコース自体の人数は多いけど一緒に授業を受けるのは一クラスなので班の中では専門のクラスの子の方が少なくなるらしい。
「あっ、私加奈と一緒だ。」
「ほんとだー。」
「私は麻衣とだ。」
「はぁ、よかった。一人じゃなくて。」
紙に書かれてる席にそれぞれ座って授業が始まった。
「その今座っている班で実習を行ってもらいます。順番や内容は今から配る資料に書いてあるのでしっかりと確認しておいてくださいね。」
配られた資料を見ると麻衣たちの班とはあまり一緒になることはなさそうだった。
「あの二人とは結構別々だね。」
「ねー。でもラッキーだよね、一緒で。」
「みんな知らない人とかだと大変そうだもんね。加奈は慣れるの速そうだけどね。」
「そんなことないよー。最初はやっぱ苦労するよ。」
「へー、そうなんだ。意外かも。」
クラスの委員長をやっている加奈はクラスのほとんどの人と仲が良くて人望がある。コミュ力が高くてすぐに仲良くなる印象があるから驚きだった。今も同じ班になった専門クラスの二人に積極的に話しかけて仲良くなっていたので私は加奈の後ろでペコペコしているだけだった。
「最初は農業かぁ。やっぱ時期的な問題なのかな?夏に向けて忙しいとか。」
私が聞くと加奈がうーん、と首をかしげながら
「でも色々なもの育ててるから結局いつのシーズンも何かしらやることがあるらしいよ。」
加奈が専門の二人に「そーだよね?」と聞くと二人はうんうんと、うなずいて
「私たちは一年中で振り分けられるんだけど、ずっと同じのじゃなくてシーズンごとで担当する畑やハウスが変わるよ。」
と教えてくれた。
「あっちの二人は大丈夫かね?」
「麻衣も愛理もマイペースだからなぁ。」
「愛理は意外とこういう時大人いいから。」
加奈が心配そうな目で二人の方を見つめてた。
「麻衣がいるから大丈夫だよ。外面完璧モードがあるから。」
「そういえばそうだったね。最近ナチュラルな麻衣しか見てなかったから忘れてた。」
私も二人の方を見ると麻衣が思った通り背筋を伸ばして笑顔で話しかけていた。




