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ネチネチしつこい男は、女の子に嫌われるよ!

作者: 七瀬






【ネチネチしつこい男は女の子に嫌われるよ!】



僕は母親にそう言われながら育った。

僕は根に持つタイプの人間らしく、母親にまでネチネチと

理由を言いながら、粘りに粘り倒す。

自分が納得していない事や理解できない事はトコトン粘る。

だから、今働いている会社でも僕は【ネバる君】というあだ名がつくほど。

過去の事まで持ちだして、ネチネチ言うのだ!

僕の周りには、人が集まらない。

僕の話す事は“愚痴”に近いらしい。

いつもいつも、そんな話ばかり聞かされたんじゃ身が持たない。

気がつけば、僕は一人で居る事が多かった。

でも僕もそれの方が楽だと思っていた。

一人だと周りの人に気を遣わなくていいからだ。





・・・ただ、亡くなった母親の言う通りにはなった。

僕が母親を看取った時に、最後に母親が言った言葉。


【ネチネチしつこい男は女の子に嫌われるよ!】


現に僕は、女の子に一切モテない。

こんな性格だから最後に僕の事を心配した母親がそう言ったのだろう。

人付き合いが悪い僕の事を考えてね。

分かっているけど、なかなか性格を変える事は難しい。

誰でも“楽な方を選ぶ”モノなんだと思うからだ。

亡くなった母親の最後の言葉を胸に、僕は新たな僕になろうと決心する!







 *




・・・数ヶ月後、僕は初めてお見合いをした。

会社の上司に頼んで、僕はお見合いを決めたのだ。

性格はこうだが、仕事がデキる僕は会社の上司には凄く気に入られていた。

上司は直ぐに、僕にあった女性ひとを探してくれると約束してくれた。



数日後、僕は上司に呼ばれる。

そこでお見合い相手が決まった事を告げられた。



『寺岡君のお見合い相手が決まったよ。』

『ありがとうございます!』

『とても品のあるお嬢さんだ! 頑張りたまえ!』

『あぁ、はい!』





・・・でも上司から渡されたお見合い相手の女性ひとは?

決して美人でもなく可愛いくもない女性ひと

面食いの僕にはキツイ女性あいてだった。

取りあえず、上司に僕から頼んでお見合い相手を探してもらった手前

会わずに断るのは失礼だと感じた。

相手と1度会って、断る方がいいのだろう。

ただ本当に“僕のタイプには程遠い女性だと感じる。”

絶対に身近に居ても、好きにもならないし友達でさえならないだろう。

お見合い写真の女性ひとはそうだった。








 *





でも? 実際に彼女と会ってみると思っていた感じと少し違っていた。

確かに上司が言ったように、品のある女性ひとだった。

一度会って断るつもりだったが、改めて“デートの約束をしてしまう。”

彼女は、僕の事を気に入ってくれたらしい。



『寺岡さんは、随分とオモテになるんでしょ?』

『いえ、それが一切女性ひとにモテた事がないんです。』

『あら、またそんな事を言って!』

『本当の事なんですよ。』

『見た目もカッコいいのに、モテないのはおかしいわ。』

『僕もそう思うんですけどね。』

『寺岡さんって、面白い方ね!』

『・・・そうかな。』

『えぇ、』











・・・この後は、二人だけでデートもして上手くいっている。

一回だけ会うつもりだったこの女性ひとと僕は付き合う事にした。

気さくでよく喋ってよく笑ってくれる女性ひと

僕みたいなつまらない話しかしない男でも、彼女は“好き”と言ってくれた。

彼女の前では、絶対に【ネバる君】と言わせない!

僕の秘密の顔は君には見せないよ。

きっとこの先、君以外のステキな女性ひとは現れはしないだろうからね。



最後までお読みいただきありがとうございます。

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