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2−24.悪夢の魔王さま、下僕の骸をいじる

さて。


ギフトは手に入れたし、やるべき事をやらなきゃね。


締め切られた御所、その中央には棺。


中にはギフトによって腐敗を抑えられたエリスが横たえられている。


肉体が死に至ってからまる一日。


氷に包まれているので、殆ど死んだ時のまま。


悔しさの残る死に顔だ。


…さっさと戻ってきなさいよね。


「ーーーー《改造の王笏(ワンドオブリビルド)》」


ギフトの力によって光の王笏が現れた。


ゲッコウの蓄積した経験と知識が使い方を教えてくれる。


そっと握る。


カルシャの脇には様々な改造のための資材。


自動的に王笏が周囲を読み取って、ギフト効果範囲内にいる者にどのような改造を施せるかが伝わってくる。


今解るのは、自身と御所の外に立つ見張り二人、それからエリスの死体。


選ぶべきは決まっている。


『エリス』を選択。


改造内容は不死種化。


これは本来、生きている対象にすべきものだが、死体にも効果がある。


具体的には血液の代わりに魔力を流すらしい。


んー…魔力って何なの。


その辺はよく解らないが、まぁ、活力源みたいなものなのだろう。


で、それが本来死んでいるはずの身体を生きているように動かす。


死んだままなのだが生きている。


魔力が尽きない限り生き続けられる。


ゲッコウはかつて苦し紛れにゾンビ兵を生み出して抗戦したが、カルシャはそれをエリスに適用する。


改造した場合、魔力が定着して循環、代謝されるようになるまで時間が必要らしい。


ついでに他にも改造してみるか?


エリスに適応する項目は何が良いだろうか。


骨格を硬質化する。


目を魔眼化する。


痛みを伴う改造だが、今ならやりたい放題である。


…やっとくか。


壊れにくい身体になるなら問題ないよね。


うん、そうしよう。


「骨格硬質化、眼球魔眼化を適用」


目に見えないが、変化が始まる。


骨が軋み、砕ける音。


生身でやりたい音では、決してない。


目の方も相当ヤバそうだが、始めた以上止めようも無い。


エリス、アンタが復活する時は強化されてるからね。


ちょっと弄くりまわしてるけど、強化のためだから!


決して実験とかじゃないからね!


…他にも試せるもの、あるかなー。


これなんか良いかも?


「毛髪硬質化、適用」


適用すると、エリスの黒毛がパキパキと音を立てる。


どうやら空気に触れると結晶化するように変化したらし

い。

まるでハリネズミみたいだな。オオカミだけど。


あとは何ができるだろ?


あ、再生能力つけるか。


これなら用意した資材で間に合いそうだし。


「自己再生能力付与、適用っと」


ここまで改造を施した所で、改造の影響が出始めた。


具体的に言うと、カルシャをひどい空腹感が襲い始めたのだ。


「始まった。そろそろ何か食べなきゃ」


改造の代償として必要なのは、改造そのものに必要な素材。


今回で言えば、大量の鉄や皮、石などだ。


それに加えて、改造を施すエネルギーが要る。


すなわち、ギフト使用者が負担するカロリー。


端的に言うと、物凄くお腹が減るのである。


と言うことで補給を開始する。


ガツガツ、ムシャムシャ。


傍から見ると、死体の前でもりもり食事する奴。


この光景を見られたら、またご乱心案件である。


とはいえ、必要な事。


復活させるために改造して、自分が餓死する訳にもいかない。


「…やっぱお手軽すぎよね、ギフトって」


これだけ色々好き勝手して、自分は材料と食事だけで良いなんて、やっぱり上位者ギフトはお手軽で効果絶大だ。


世界征服を目論むのも解らないでもない。


慢心や奢りが生まれるのも仕方ない事かもしれない。


だが、そのせいで歴代の魔王たちは滅ぼされてきた訳だ。


「…絶対に私は死なないわよ」


カルシャは征服に興味などない。


もしあるとすれば、それが身の安全、生存に繋がる場合だ。


ついでに言うと、こんな風に臣下を不死種に改造しなければならない場面に出くわさないよう、状況を管理できるようになりでもしないなら、魅力はない。


…自分でも変わったと自覚はある。


最初はどうでも良かったのに、いつの間にか一緒にいるのが当たり前になっていた。


殺し殺される事が当たり前だと言っておきながら、エリスが死ぬまで自分たちは大丈夫だと何処かで思い込んでいた。


それが慢心でなければ、何だというのか。


次はない。


徹底的にやってやる。


まずはエリスを呼び戻す。


不死種が失敗するなら、転生者にして呼び戻すなり、他の方法を模索する。


魔王たれ。


魔王なら世界を欺き、ルールを破って見せろ。


好きなように生きてやる。


そんな事を考えているうちに、エリスの改造は終わった。


不死種への覚醒は、時間が必要だ。


魔力なるものが循環し、死体に染み渡り、生体機能が蘇って初めて不死種となる。


それがどれくらいかかるかは解らない。


個人差が大きいからだ。


だから、エリスの身体は一旦蓋のない棺に納めておく。


「…おやすみ、私の可愛い下僕。早く起きて、私の名を呼びなさいよね」


後書きウサギ小話

ロマンティック魔改造?編



(ウェアウルフ…)


(防御を上げるために骨格と毛皮を硬くして…)


(攻撃力上げるために爪と牙を鋭くするでしょ…)


(俊敏性を上げるためにジェットパックとブースターつけて…)


(ステルス機能と高感度センサーも要るわね…)


(あとは腰と肩にアーマーつけるか…!)


(ゴツいアーマーにはやっぱ破城鎚とカノン砲もいるわよね…!)


(そうなるとカッコいい兜もいるわよね!)


シャキーン!


メカエリス、爆★誕!


もはやスーパーロボット!


完!

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