珍問珍答シリーズ その12 赤川次郎の短編「記念写真」について
教科書に、赤川次郎の短編、「記念写真」がありました。「一見、楽しそう、幸せそうな家族連れの観光客の写真のシャッターを押してやったのに、実は、一家心中の直前だったということが、その後の報道で判明する」という趣旨の小説です。これについて、「作者は、読者に、どういうことを訴えようとしているのか、考えてみなさい」という問題を出しました。
2年生の男子2クラスを対象としたものです。その解答例をいくつか紹介します。
いくら苦しくても、悲しくても、死のうとするのはやめよう。世の中には、自分よりも苦しく、悲しくても、一生懸命生きている人々がいる。死んでは何も始まらない。そのうち、いいことがある。
どんなことがあっても、自分の命を自分の手で絶ってはいけない。
家族の温かさや、生きることの素晴らしさなど。
「みなさん、一生けんめいに生きて、家族を大事にしましょう」ということ。
死ぬことで苦しみから逃げようとする現代人への警告。
自分が一番不幸だなどと思わないで、前向きに考えてほしい。
人は見た目じゃなく、その人と、ほんとにつき合ってみなければ、わからない。
見た目は楽しくしていても、ほんとうは、なやんでいるかも。
それをわかってやるには、どうしたらいいのか、考えてもらいたい。
命は大切だ。家族は大切だ。
いい解答もありますし、ちよっとピントがずれたかな、というのもあります。それぞれにおもしろいと、私は思いました。