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魂の天使  作者: らんペル
3章~魔界突入~
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~刀~

 夜飯を食べながら野営をしている最中にリーナが何かをし始めた



「どうしたんだ?」



 アレフが問いかけるとリーナは立ったまま魔力を集中させている



「昼間に話したでしょ?宗の武器を出してあげるって」



 そうだった。俺に刀をって…でも出してあげるってどういう意味だ?



「もういいかしらね。宗、私の魔力をアンタの身体から放出して。亀裂を人の目に見えないように封印した時と同じ要領で大丈夫よ。」


「あ、ああ」



 あの時の感じか


 ほんの少し前の事なのにリーナの魔力を自ら放出するのは何だか久しぶりに感じる



「ちょっとばかり時間かかるかもだからちゃんと出し続けるのよ」



 言われた通り俺の身体を介してリーナの魔力、魔法をその場に放出する


 ただ一度放つだけではなく、魔力が流れてくるのが止まるまで放ち続ける


 漫画とかで魔法をぶつけての競り合いとかになると、こんな感じで魔力が減りながらも出し続けてるんだな


 これはある意味いい経験となる


 考えながらも魔力が放出されている地面を見てみると、光っている中心に球体みたいな物体が現れてきた


 球体は光の中で形を変えてゆき、段々と見覚えのある形となる



「もういいわよ」



 リーナの合図で放出を止めると魔力の光りはそこで途切れ、地面の光りも段々と弱まっていく


 光が収まったその場にあるのは、形が変化していったから分かってはいたのだが、それは十分に立派な刀と呼んでいい物


 漫画とかでよく見る形そのもの、柄や鞘、鍔なども俺が知っているものと何ら遜色ない


 持ち上げてみるとズッシリと重く、それでいてしっかりとした感覚


 これが刀なのか



「それが宗達の言っていた刀ってやつか。何だかよく分からない形をしているんだな。それで敵を殴るのか?」


「違うよアレフ。これは今は鞘に収まっている状態。鞘から抜いた刀身で敵を斬るんだ。リーナ、抜いてみてもいいか?」


「ええ。ついでにそれでその辺の木を斬ってみなさい。焚火の薪が足りなさそうだから」



 俺の初めての武器よりも薪の心配かよ。相変わらずこの天使は


 一旦深呼吸して落ち着いた状態になり、そっと鞘から刀を抜く


 鞘から出てきたとても美しい刀身がまだ薄ら明るい魔界の空で輝いて見える。とても綺麗で何とも言えない妙な感覚


 その感覚に囚われながらも俺は刀を抜いた時点である事に気付く



「リーナ、この刀って…」


「あら、いつに間にか気付けるレベルにまで成長してたのね。お察しの通り、その刀身には私の魔力がこもってるわよ」


「俺も感じるぞ。凄く強い魔力だ。」



 アレフも気付いている。


 とてもじゃないが今の俺では到底届かない強い魔力、馴染みのある俺だからこそ分かるが確かにこれはリーナの魔力



「私のお手製の刀だからね。そんじょそこらの魔物相手に折れたりする事はないから安心して使いなさい。それよりも早く木を斬ってきなさいよ」


「ああ、やってみるよ」



 俺は少し歩き出し、とりあえず一番近い木の前に立つ


 刀の振り方は、素人の俺が思いつくのは2通りで、横からの切り払い、もしくは上及び斜めから落とす振り方


 今回の相手は動く事がない木


 刀を一度鞘に戻し、見よう見まねの居合の態勢をとる


 剣道でもやった事がある、相手の胴目掛けて切り払うオーソドックスな斬り方


 俺は集中して無心で刀を抜き、そのまま木を斬り払う


 だが、おかしい


 刀身はしっかりと抜けており、既に収めていた鞘とは反対側に俺の腕と共に伸びている


 しかし木に当たった感覚も斬れた感覚も一切なく、木も何ともなっていない


 もしかして空振りした?え?恥ずかしくない?こんだけ集中して、めっちゃ近くで振ったのに実は空振りしてましたなんて、俺恥ずかしくないですか?



「我ながらいい出来の刀ね」



 リーナは1人で恥ずかしくなっている俺に対してそう一言呟いた

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