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魂の天使  作者: らんペル
3章~魔界突入~
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~新大陸初戦闘~

「ハァ…ハァ……強い…」



 ボロボロになりながら目の前の敵と戦う俺とアレフ


 身体中が痛い…脚も重くなってきた…今目の前のいるのは4足歩行の魔物


 見た目はシカみたいだけど、人界のシカよりも一回り大きく黒い体に硬い皮膚、魔力も強く間違いなく強敵だ


 戦闘を経験しなければ戦闘慣れはしなく、いざという時に動けなくなるから今の内に戦える敵とは戦った方がいいというリーナの提案だったが、コイツは本当に強いな


 獣化したアレフの攻撃も効いてはいるけど決定打にはならず、俺の魔法も同じような感じでしかない


 この敵を倒すには何かもう1ランク上の攻撃が必要だと感じている



「アレフ、何か手はあるか?」



「今のところないな。俺は獣化と維持、絶対値の向上トレーニングしかしてないから他の攻撃が思いつかないんだ。宗はどうだ?」


「俺もない…でもリーナが何も言わずに見ているって事は、アイツは多分ギリギリ勝てるか勝てないかの相手で、戦い方を考えろって事だと思う」



 そう、今回リーナは珍しく黙ったまま俺達の戦いを見ているだけなのだ


 アイツは性格はおかしいけど、戦闘とかこういう事に関しては真面目なやつだから、黙っている以上は俺達で何とかなる、もしくは何か気付かせたいと考えているんだろう


 何か考えろ…


 魔法が駄目で、アレフの攻撃も駄目…でも全く効いてない訳じゃない……————そうか!!



「アレフ!攻…」



 ボンッ!!



 思いついた事を話そうとした時、敵の攻撃が俺に放たれた


 コイツは魔力を圧縮して口から砲弾のように撃ってくるが、これが速くて威力もかなりある


 初撃はくらってしまったが、魔力で防御していれば耐えられないわけではないから今もまだ戦えている


 そして硬い体を勢いに任せてぶつけてくるのも厄介だ


 避けながらも戦闘が長引いてしまい、その結果俺達の反応も遅れがちになってきて何発かもらってしまっている


 まずはコイツの動きを止めないといけないが…


 ――――!!思い付きだけどやってみるか


 敵の突進を避けると、森の中での戦闘であるがゆえに勢い任せの敵は木に激突し動きが鈍った


 その隙に俺は魔力を腕に集中させて敵の足元目掛けて放った


 特に属性などはついていない、敵と同じ魔力砲みたいなものだが威力だけは俺の方が上だ!!


 足元の地面に当たった攻撃は、衝撃で地面を僅かながらも砕き敵の自由を奪った!


 この隙に!!



「アレフ!考えがある!聞いてくれるか?」



「おお!なんだ!?」



「アレフ、攻撃の時魔力はどうしてる?」



「どうって…特に意識はしていないが」



「それだ!多分アイツは身体能力だけで勝てる相手じゃない。当てる時に魔力を集中させて攻撃すれば虎牙族の力なら…」



「そういう事か!やってみるぞ!」



 アレフは気づいたようだった


 おかしいとは思ってはいたけど獣化したアレフの攻撃がそこまで効果的に見えなかったのはアレフの魔力の使い方のせいで、俺と戦った時のあの鋭さと威圧感、半端じゃないダメージを受けるであろうイメージが感じられなかった


 俺はリーナとの特訓のおかげで魔力のコントロールは出来るけど、アレフはその特訓まではしていなかった


 多分獣化を維持する事のみに魔力を使っていたから通常時より多少強くはなるものの、決定打を入れるほどの威力を出せていなかったんだ


 体制を整えつつある敵がこちらに振り向こうとした時にはアレフは飛び掛かっていた



「くらいやがれええぇ!!」



 ザンッ!!



 獣化したアレフの素早い攻撃が敵に命中する


 今まで爪は弾かれていた


 しかし今回アレフは自身の魔力をありったけ乗せて攻撃したのだろう、爪はいとも簡単に敵の体を引き裂いた


 それが致命傷となり、敵は大きな音を立てながらそのままその場に倒れ動かなくなった


 新しい大陸での初戦闘は無事に俺達の勝利で終わったのだ



「つ、疲れた…」



「俺もだ…、最後の攻撃に魔力を使いすぎて動けねえ…」



「2人共お疲れ様どうだったかしら?」



 どうだったもクソもない


 ただ今は休ませてほしいとしか言いようがない


 疲弊しきっていた俺達にリーナは自分の魔力を分け始めた


 身体の傷が少しずつ塞がっていき、暖かい感覚に包まれる


 リーナは魔力を分け与えるだけでなく、同時に回復も行ってくれていた


 これに関してはさすがに感服してしまう


 今の俺達には同時にこんな事するなんて絶対に無理だから天使ってやっぱすげえ



 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 少し休んだ事とリーナのおかげで全回復したので、俺は立ち上がり倒したシカらしき魔物の方へ歩み寄る


 魔物はピクリとも動くことなく目が開いたままだった


 そっと瞼を閉ざしてやる



「さてそれじゃあご飯にしましょうか」



「え!?コイツ食えるのか?」



 アレフの顔つきが急に変わった


 さっきまであんなに疲弊していたのに、今はもうご飯の事を考えている顔になっている


 っていうか真っ先にコイツを食う事を考えたんだな…



「初戦闘にしてはよく頑張ったわ。ちなみにこの魔物は大量に生息していて、色んな種族が食料にしている魔物だから食べるのに問題ないわよ」



 しっかり食べられるのか


 それなら無意味に殺したわけじゃないと、自分に言い聞かせられるから助かるな


 ん?



「リーナ、今何て言った?」


「え?普通に食料として狩られている魔物って言ったのよ?聞こえなかった?ちなみにこの魔物はヘラートって種族名よ」



 こんなに強かったコイツが他の種族の食料…?大量に生息していてその中の1匹に過ぎないって言うのかよ…


 魔界ってやっぱり半端ねえ…

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