~遺伝子~
「どうしても戦うのですか?」
「シーヴァの力は強大すぎる…それ故に倒さねばならんのだ」
白虎シーヴァの話をしている2人
虎牙族のように見えるが俺には見覚えがない…
それよりもここはどこだ?
確か宗達と新しい大陸に上陸して、それから…
「しかし戦えない者達はどうするのです!?シーヴァに勝つには虎牙族総出で立ち向かわねばならない!しかし皆が出払ったら虎牙を守る者が…」
「お前のいう事は正しい。だからこそお前が一部の者を連れ遠くの地へ離れるのだ」
離れろと言われている方は何だか親父に似てるな
っていうか身体が動かせないし、なんだここは?何か見せられているだけのような感覚だ
「そんなの駄目だ!俺も足手まといじゃないはずだ!だから戦うなら俺も一緒に…」
「昔に比べたらお前は強くなっただがそれでもまだワシらには及ばない、しかし守る事は出来るだろう。ならば守るべき虎牙族を連れ、この地を離れるのだ。虎牙族の血を絶やさぬためにも…」
「親父!!」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「————ハッ!!!」
「起きたかアレフ!?大丈夫か?」
「宗…?俺はどうしたんだ?」
「アンタはシーヴァの残留魔力を感じ取って気を失ったのよ。まあ虎牙族だから問題ないと思って感知させてみたけど、どうだったかしら?」
アレフは震えている
しかし震えながらも微妙に笑っているのか?
「気を失っている間に、夢を見た…」
「夢?」
「昔の虎牙族の夢で、俺は見た事も会った事もない2人が話をしていたんだ。シーヴァと戦う者達、そして虎牙族の血を絶やさぬように故郷を離れる者達、それぞれの代表者であろう2人が話している夢だ。夢のはずなのに俺には分かる…間違いなく俺の先祖だ」
「それはもしかしたら虎牙族の記憶かもね。世代を越えて遺伝子に刻まれた記憶がシーヴァの魔力に魂が反応してアレフに一部を見せた…」
「そんな事ありえるのか!?」
「ありえない話じゃないわ。天界でも魂の事に関してはまだまだ未知の部分が多いからね。基本的に何があってもおかしくはないと考えるのが天界では当たり前だから」
どちらにしてもアレフが無事でよかった
さて、新大陸に着いたのはいいがこれからどうすればいいのやら
この砂浜から先に見えるのは草原
「今日はここで休んで出発は明日にしましょう」
ふいにリーナが今後の行動を決めた
でもどうして明日なんだ?まだ夕方くらいだし、夜まではまだ全然時間はある
「どうしてだ?俺ならもう大丈夫だぞ?」
アレフも俺と同じ考えのようだ
「ここではシーヴァの魔力は感じられない。でも残留魔力があるって事はエリアの隅ではあるものの、危険区域にはいつ入ってもおかしくないって事。つまり下手に動くのは危ないって事なのよ」
そういう事か
リーナとしては危ない場所にはとにかく入りたくはなさそうだ
俺は当然だがアレフもこの大陸に関しては全然詳しくはないから、ここはリーナの言う事が一番最善策なんだろう
「分かったけど、それでどうするんだ?」
「とりあえず明日までに色々な魔力を探せるだけ探してみるわ。丁度いいからアンタ達も特訓がてらやってみなさいな」
隙あらば特訓かよ
でも自分達の安全を守るためだから嫌と言っても困るのは自分達である以上はやるしかないか
「それで明日になったら少しでも魔力を感じ取れない方向へ進みましょう。魔界では他の生物と遭遇したら戦闘になるパターンの方が多いから、なるべく避けていくわよ」
「おお分かったぞ。じゃあ魔力の探し方を教えてくれ」
そういえばアレフはそういう事はやった事なさそうだな
「宗は以前やった事あるから分かるわよね?アレフは…」
以前探索しながらやったやり方でいいのか
アレフにはリーナが教えてるから、俺は俺でやってみるかな
自分以外の魔力を肌で感じ取るイメージ
すぐ近くに2つの魔力、これはアレフとリーナだ
こうやって魔力だけで2人を感じると大きさも質も全然違うんだな
きっとそれぞれ性格や特徴があるように、魔力もみんな違うんだろう
前方の方、このまま見れば東側、遠くの方でいくつもの魔力を感じる
動いている魔力、動かない魔力、一カ所に複数集まっている魔力、数だけでもあっちの大陸より遥かに多い
中には強そうな魔力も何個もあるけど、不思議と怖いイメージは沸かない
方向を変えても似たような感じか…反対側は…———!!!
何だこれ!?俺は感じ取ったその魔力に思わず膝をついた
「宗!?どうしたの?」
すぐにリーナとアレフが駆け寄ってくる
俺は2人に説明をした
「そんな魔力があったのね。ちょっと待って」
リーナは俺が感じた魔力の方向を向いた
「なるほどね、コイツは中々強そうなやつ。宗がそうなるのも無理はないわね」
そう、その魔力はとにかく強かったのだ
アレフが感じたシーヴァ程ではないとは思うが、俺にとっては強すぎる魔力だった
「そんなに強いのか?」
アレフもこの魔力に興味津々のようだ
「普通に強いな。少なくとも俺やアレフよりも強いと思う」
「そんなにか!?この大陸は強いやつがいっぱいいるな!」
強いやつがいて嬉しそうにするなんてアレフは戦闘が好きなんだな
かく言う俺も強い魔力を怖いとは思わないし、それどころか少し戦ってみたいとすら思っているんだろうか、腕が少しうずいている
そして感知を終えたリーナが俺達に聞いてきた
「2人共、コイツと戦ってみる?」




