表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魂の天使  作者: らんペル
3章~魔界突入~
39/56

~霧~

 水の上を歩くのは思っていたよりも簡単だった


 要は魔力で足場を作る感覚で、これも慣れればごくごく普通に出来るようになった


 漫画みたいな世界の出来事を自分がやっているのは、ワクワクよりも不思議な感覚の方が強いんだなぁと最近になって分かるようになった



「今日で特訓は終わりにして、明日天気が良かったら朝から出発しましょう。大抵の生物は大丈夫だけど、魔界の海は何が出てくるか分からないから十分に注意して大陸を目指すわよ」


「やっぱり魔界ってクラーケンとかそういうのいるのか?」


「宗、クラーケンって何だ?」


「人界に伝わる化け物の事だよとにかくデカいイカみたいなやつ」


「普通にいるわ。天界が決めた名前は違うけど似たような生物はわんさかいるわね。でもなるべく遭遇しないように上を渡るし、そう滅多に出会わないから安心しなさい」



 いるのかよ


 人界とは全然違うから海の生き物も違うんだろうと予想はしてたけど、もしかして神話の生き物全部いるんじゃねえの?


 また俺の中の好奇心が高ぶってきている


 そうだ、せっかく文明の利器の1つ、スマホがあるんだから写真撮らないと


 今になって思えば、エルーやハルーも写真撮っとけばよかったな



「でも今のアンタ達ならそういうのに遭遇しても勝てるわよ。でも注意しなくちゃいけないのは魔力と知力をしっかり持った魔物ね。当然陸だけじゃなくて海にもいるから、そいつらには遭遇しないように祈ることね。祈っても神様は今何してるか分かんないけど」


「なんだそりゃ。じゃあ明日のために今日はゆっくり休むとするか」



 そう言うとアレフは夕飯の準備を始めた


 俺もアレフも水の上を歩くどころか走る事まで出来るようになった


 リーナの予想通りそれほど距離がなければ海越えは問題ないだろう


 魔力を持ちつつも使えない普通の動物相手なら戦闘は問題なし


 ガーゴイルみたいな弱い魔物相手でも問題はない


 あるとしたら未だに遭遇していないリーナの知る魔物、俺が知らない魔物、そして王…


 ヤバいな、何だかウズウズしてきた


 気分の高まりを抑えつつアレフの手伝いをして明日に備える事にしたのであった



 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 次の日、天気も良く波も穏やかで海を渡るには絶好の条件だ


 寝袋などを手分けして片付け、俺達は海越えの準備を進めた


 潮風が心地よく、魔界が俺達の旅を後押ししているかのようにさえ感じる気候


 こんな気持ちいい自然、人界で感じた事あったっけ…



「宗、こっちは片付いたぞ」


「あ‥ああ悪い、俺の方ももう片付いたよ」



 ぼんやりしていたらアレフの方が先に準備を終わらせてしまっていた


 だが俺も手は動かしていたのでもうリュックに詰める物はなく、準備完了だ



「じゃあ行きましょうか。ペースは一定で森の中を駆けてきたくらいの速度で渡りましょう」



 海の上を歩きだした俺達はコンパスを頼りにして東を目指す


 次第に速度を上げていき軽いランニング状態で走り出すが、速度的には魔力に目覚める前の全力疾走以上の速さが出ている


 何気ない雑談をしながらも真っすぐ東へ進む


 今の所感じる魔力は特にはない


 正確には微小な魔力は感じるが、これは海の小さな生き物たちのだろう


 数えようとも思わないくらいの多さだ


 魔界ではほぼ全ての生物が魔力を持っているというリーナの話は本当だったな



 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「何よあれ…」


「何か見えたのかリーナ?」



 もう6時間近く走っただろうか


 距離的にはかなり進んだところでリーナが何かを発見したみたいだ



「あれは霧…?」


「霧?そんなの見えないぞ」


「アンタが普通にしていて見えないって事は、あれはただの霧じゃないわね。もう近いから一旦止まって」



 リーナの注意喚起により俺達は足を止めた


 普通にしていても見えない霧か、考えられるのは今の俺の魔力じゃ見えないもの…、もしくはそもそも人間の目では視認できないものってところか



「アレフは見えるか?」


「うっすらとだけどな何か空気中に漂っているような感じに見えるぞ」



 これは目の問題だな


 人間が視認できない霧、きっとすごく薄い霧なんだろうけど、リーナ達は見えているみたいだ


 その霧が何か問題あるのだろうか



「どっちにしても進むしかない以上、これから霧の中に行くけど、しっかり防御態勢で行くわよ!いきなり攻撃されたらたまったものじゃないわ」



「わかった。気を付けて行こう」



 俺にはやはり見えないのだが、俺達は霧の中へと足を進めていった

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ