~威力~
「という訳で二人にはこれから魔力コントロールと絶対値の底上げをしてもらうわ。ひとまず数日は安全なこの辺りで特訓に励んでもらうわよ」
「でも特訓って言ってもどうやるんだ?」
「そうね、まずアレフは獣化と人化を交互に繰り返して。獣化をするのに魔力を大量に消費しているのは無駄が多いって事。本来なら逆だからまずはそこの修正からね。身体がもう人化する時だけ最小限で出来るのを覚えているから、獣化もそれほど難しくないはずよ」
「わかった。じゃあ俺はちょっとあっちで離れてやるな」
アレフは変身時の魔力の最小限化からスタートか
俺は一体何をやるんだろうか
「それじゃあ宗ね。アンタはこれまで魔力の溜め方、維持、移動を覚えてきたと思うけど、次は発動を覚えてもらうわ。それをある程度まで出来るようになればとりあえずのチュートリアルは終わりよ」
コイツはなぜチュートリアルなんて言葉を知っている
いやいやそれよりも発動だ
「発動ってのは炎を出したりするんだろ?それならもう何回かやってるんじゃないのか?」
「はあ…甘いわね。魔法は奥が深いのよ。この基礎がしっかり出来ているのと出来ていないのとじゃ雲泥の差よ。試しにあそこの岩に向かって何か魔法を撃ってみなさい」
「ああ」
何歩か先のところにある岩
あそこに向かって魔法を撃つのか
俺は以前と同じように手から炎を出し岩に投げつけた
炎は岩に命中したが岩を燃やす事はできず消えてしまった
「どうだ?」
「普通にやる分には問題ないわね。じゃあもう一回やってみて」
またやるのか?しかし何か意味があるとは思うので、言われた通りにもう一回炎を岩に向かって投げた
炎は岩の上の方に当たり消えていった
「それじゃあ今のと一回目の違いがわかる?」
「違い?若干狙いがズレたくらいなら」
「そうね、他には何か気付いたかしら?」
「いや特には。でも言うならちょっと疲労感があるような」
「つまり、今の宗はそこまでしか魔法を理解できていないって事よ」
「どういう事だ?」
「今の炎、岩に当たってから消えるまでの時間が1発目の炎より短かった。つまり使った魔力量に違いがあって、これは単純に炎の威力が違うと解釈してくれればいいわ。アンタにはこれを多少の誤差の範囲内で出来るようにする特訓をしてもらう」
一緒の感覚だったのに違いがあったのか
一定の魔力量で放てば常に同じ威力の魔法が撃てるって事か
でも待てよ…
「なあこれをある程度出来るようになったとしてどうなる?撃てる回数が増えるか減るかの違いしかないんじゃないか?」
リーナは少し驚いたような顔をして俺を見た
その奥でアレフが頑張っている姿がチラッと視界に入った
「アンタって本当に微妙にバカよね~。ただそのためだけにこのリーナ様が特訓させると思う!?」
今すっごいバカにされた
微妙なバカじゃなくて、確実に普通にバカだと思いやがったぞこの天使
「アレフー、ちょっとこっちに来なさい」
リーナはアレフをこちらに呼び出し座らせた
「アレフは魔法系統は知ってるかしら?」
「ああ。詳しくは知らないけど聞いた事はあるぞ。いくつかの属性に分かれているとかなんとか」
「そうね、宗はあれだけ漫画オタクなんだから何となく察しはつくでしょう?」
またもやバカにされた気がするぞ
ぜってーこの天使いつかギャフンと言わせてやる
とまあそれは置いといて
「何となくな」
「もう少し後に説明しようと思ってたけど今しちゃうわ。これを聞いたら宗も特訓の意味が分かるはずだから」
何だか一気にファンタジーな展開になってきたな
漫画とかだとここで得意属性とか色々出てくるんだよな
「まず基本となる属性についてね。基本属性は全部で6つ。火、水、風、雷、土、無、とまあ至って普通ね」
とっても普通だな
俺が思ってたより魔法のレパートリーは少ないのかも
「これはあくまでも基本属性であって、組み合わせたりいじくったりしてどんどん派生していくの。その組み合わせは使う者によって変わるから、魔法の種類は無限にあると思っていいわ」
俺の考えがいきなり全否定された
でもレパートリーが無限って事はやっぱりある程度の事は何でもできちゃうんじゃないのか
「ここからが大事な事だからしっかり聞いて覚えるのよ。同じ説明するのはめんどくさいから頼むわよ」
こうしてリーナ先生の魔法講座が始まるのであった




