~力量~
村を出て少し歩いた場所で俺とアレフが手合わせする事に
アレフはやる気満々な顔でこちらを見ている
やるしかない以上俺も全力を出すしかない
かなり強そうに見えるアレフ相手に今の俺がどこまでやれるのか
「とりあえず手合わせって事だからどちらも殺すのはNGよ。あと勝負がついたと思ったら私が止めるから。怪我なら回復させてあげれるから思う存分やりなさい」
「お連れの少年にこんな事してもいいのですかリーナさん!?」
「いいのよ実際私も今の宗がどれくらい戦えるのか、それと今の虎牙族最強のアレフの力も見ておきたいしね」
「ちょっと待てええええ!虎牙族の中でも最強ってそんなん勝負になるわけないだろーが!昔王の1匹とやり合って見逃されたとはいっても、生き残った種族の中でも一番強いのと手合わせって、どう考えても俺勝てないだろ」
「ハハハそんなに緊張するな宗。ちゃんと死なないようには手加減するから大丈夫だって」
「お前は黙ってろよアレフ!」
「大丈夫よ。ヤバくなったら止めるって言ったでしょ?」
そう言いながらもリーナの顔はかなりニヤついている
あのクソ天使いつか絶対泣かせてやる
「あっちなみにアンタへの加護は無しで一回戦ってもらうから、今まで覚えた魔力の使い方をフルに発揮して戦いなさい」
「えっ?」
「それじゃあ始めー!!」
待て待て待て待て!加護なしってリアルにヤバいだろ!魔力をフルに使うって言われても
「じゃあ宗、俺から行くぞ!」
アレフはそう言うと俺に向かって飛んできた
そのまま身体を捻り右足での強烈な蹴りを俺に繰り出す
どうすりゃいいんだよ
バキッ!
「ほう、俺の蹴りで倒れないとは」
俺は咄嗟に左腕に魔力を集中させてガードした
しかしたったの一発で骨まで痛みがくるような感じだ
左腕は痺れてしばらく動かせないだろう
アレフのやつとんでもない攻撃力だな
もし魔力の集中を疎かにしてガードしていたら…
「アレフってすげえ強いんだな。今の一発でわかるぞ」
「そんなに褒めても俺は止めねーぞオラッ!!」
そのまままた身体を捻り次は左足での回し蹴りを繰り出してくるアレフ
大丈夫、目では追えるスピードだ
俺は右足を上げ蹴りをガードする
相変わらずとんでもない衝撃が俺を襲う
「どうした宗、さっきからガードばっかりで攻撃してこないのか!?」
「なら次は俺の番だな」
とは言っても攻撃ってどうすりゃいいんだ?今まではリーナの加護で魔法とか使えてたと思うんだけど、もしかしたら今の俺なら魔法を使えたりするのか?考えててもしょうがないから一発撃ってみるか
大丈夫だよな?アレフ死んじゃったりしないよな…?
「いくぞアレフ!!」
俺は後ろに飛んで少し距離を取り右手に魔力を集めた
魔法はイメージ
リーナの教えを思い出し全力で魔力を放った
小さいながらも俺の右手から炎が出てアレフに向かって飛んでいく
「なっ!宗は炎系魔法の使い手か!」
炎系魔法?魔法の系統の事か?気にはなるが今はアレフとの勝負に集中しなきゃならない
「うおおおお!」
アレフは大きく叫びながら俺の放った炎を殴り飛ばした
そんなのアリかよ…
「まさか魔法が使えるとはな、中々やるじゃないか宗。それなら俺もとっておきの技を見せてやる」
アレフは何か技を繰り出すような構えをとる
防衛本能ってやつか?それを見た俺は、考えるより先に体中の魔力を全部防御に集中させていた
「そこまでよ!!」
リーナの一声で俺達は動きを止めた
ちょっとアレフの技を見てみたかったな
「結構いいところだったのに何で止めるんだよ!?」
アレフがリーナに猛抗議を仕掛ける
「もう実力はわかったからいいのよ。それにアンタが出そうとした技は下手したら宗が致命傷を受ける可能性があったらそこまでよ」
「俺がち、致命傷?一体どういうことだリーナ」
「今の魔力を使ったガードがお粗末なアンタじゃちょっと心もとないから止めさせてもらったの。アレフの闘気はアンタの魔力を突き破るだけの破壊力を秘めていたって事」
「ええ!?そうなのか!?宗なら大丈夫かと思ってたが」
「まあ死ぬことはほぼないでしょうね。でも怪我は確実にしていたわ。治したりするのも面倒だし別にいいでしょ」
「なんじゃそりゃあ!結構本気で闘えると思ってテンション上がってきたところだったのに…」
アレフはガッカリした様子で下を向いている
しかしあの技は俺が受けきれないのか
まだどうも相手との力の差がよくわからないな
「宗、そんだけ悩めるようになったならアンタも成長してるわよ。それにアレフ、一回止めたけど次は止めないから思いっきりやっていいわよ」
「えっ!?」
俺とアレフは二人同時に驚いた
次って一体…




