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魂の天使  作者: らんペル
1章~人と天使と魂~
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日常~

「先日未明、〇×市の民家で火事があり中から住民と思われる遺体が発見されました警察では事故及び放火、殺人の疑い…」



 夏が近づく平日の朝、テレビの電源を切り、身支度を整える


 準備が終わり自分の部屋を出る所から1日が始まる



 ここは琴条(きんじょう)学園


 全国でも屈指の進学校で全寮制の高校だ俺はその学園の2年生



 部屋を出て階段を降り、1階の食堂に入る


 食堂内では食事中の人、食べ終わって雑談する人など様々な生徒がいる



(しゅう)!こっち来いよー」



 俺を呼ぶ声がする



 俺は田鹿(たじか) (しゅう)


 この学園には陸上の推薦で奇跡的に入学できた



 そして俺を呼んでいるのは中学からの付き合いで、同じ学園に進学した(さわ) 悠人(ゆうと)


 その隣には1年の時に知り合い友達になった大倉(おおくら) (さとし)



 悠斗は少しパーマがかった茶髪で眼鏡をかけている


 別に目立つわけでもないが地味ってわけでもないただただ好奇心旺盛なやつだ



 智は黒髪で少々背が低いものの見た目に反して結構ガッチリしている


 腕相撲とかで勝ったことはないから力はやっぱり強いのだと思う


 2人に共通してるのは根は真面目という点だろうか



 俺に関してはまあ…特に取り柄も何もないただ茶髪の普通の高校生だ


 イケメンではないがブサイクというわけでもないと思いたい


 茶髪にしたのはこれもなんとなくでしかない


 しかし不良だのヤンキーだのという分類ではない



 とりあえずはいつもこの3人で朝飯を食べるのが日課となっている



「そういや宗、さっきまでやってたニュース見たか?あれって隣駅じゃないか?」



 悠人が朝からニュースの話をしてくる


 たしか火事があったとかなんとか


 準備をしながら音声だけしか聞いていなかったし、まともに聞いていなかったので合わせておこう



「ああ、隣駅だから自転車で行ける距離だな」



 適当に合わせて食堂の席に着く



「なんか原因が不明で放火事件の可能性がスッゲー高いらしいぜ!今日の放課後にちょっと見に行ってくるぜ!」



 悠人は野次馬根性むき出しで見にいくらしい


 将来はジャーナリストやらそういう仕事をしたいらしく、ニュースや事件には日頃から興味津々だ



「でも放火だったら悪質だよね住人の人は亡くなったらしいし」



 話を聞いていた智が喋りだす



「そんな事する奴は僕は許せないよ早く捕まっちゃえばいいんだ」



 智は正義感が強く将来は警察官になりたいのだとか


 二人とも高校生なのにしっかり将来を考えている



 まあそれはそれとして話に夢中になって二人とも大事な事を忘れているから一言言ってやる



「それよりも朝飯はいつ取りにいくんだ?」



「ファっ!?」



 やはり夢中になって大事な朝飯を忘れていたのだろう


 早く食べて学園に行かなければ遅刻してしまう


 ゆえに二人ともそそくさと席を立つ



「そういう大事な事は早く言ってくれよ宗!」



 夢があるのは時間を忘れて語れるから俺はあいつらがある意味羨ましい


 悟ったような事を思いながら俺も朝飯を取りにいき、そんなこんなで朝食を終え学園に向かう俺たち


 いつも通りの朝、いつも通りの授業を受けて、今日も終業のチャイムが鳴る



「宗、今日はどっか寄ってく?」



「あー悪い、今日はバイト入ってるから」



「そっか、じゃあバイト頑張ってくれい!」



「悠斗、僕も一緒に火事のあった所についてくよ」



「オッケー!それじゃあちょっと行ってみるか」



 智は一緒に行きたいのだろうか、火事のあったところに誘ってきた


 しかしながら俺は今日隣駅近くのスーパーでアルバイトだ


 将来やりたいことが見つかってはいないが、とりあえずお金は貯めておこうと思っている。


 マンガやゲームが好きだからそれらをそろえるためにもアルバイトは欠かせない


 そのためにバイトと学校、遊びはしっかり区別する


 ちなみに悠斗と智が行く隣駅はバイト先とは反対側の駅



「じゃあ宗、また明日なー」



「バイト頑張ってねー」



 二人と別れ俺はバイトへと向かった


 バイトが終わった後に人生の転機が待っているとはこの時はまだ知らないし想像もしないまま…

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