~入村~
アレフと出会って約1時間が経つ
獣化したアレフの速度は凄まじく速く、しかもスピードも落ちる気配がない
風圧とか俺に気遣って全力で走っている訳ではなさそうなのにこの速さは凄いな
「ところで人間とはどんな種族なんだ?」
唐突に話を振られたが、人間って何だって言われてもな
こっちの世界に来てから多種多様な種族を見てきた今はどうやって説明すればいいのやら
「人間ってのはね、力は無いけど頭が良くて色々な物を作りだす能力を持っているのよ」
「ほう?色々な物とは一体何だ?」
リーナが代わりに喋ってくれているがアレフは人間にかなり興味津々のようだ
頼むから変な事言って人間に対して変な印象持たせないでくれよ
「いくつか挙げるなら生活を豊かにする道具が主流ね。美味しい食べ物を日々研究したり、遠くにいる誰かと喋れる機械を作ったり」
「食べ物か、俺達虎牙族は基本肉と野草しか食べないから興味はあるが、それ以外にもあるなんて想像がつかないぞ」
「本当にいっぱい美味しいものがあるわよ。すっごく甘いチョコレートだったり、果物を加工して別のデザートにしたり、あとはマ〇クのポテトだったり、正直美味しいものに関しては天使も太刀打ちできないわ」
「聞いたことない物ばかりだが是非一度食べてみたいものだな」
なにやら食べ物の話で盛り上がっているが、リーナが何でマ〇クのポテトを知ってるんだよ
一緒にいるようになってから一回も行ってないし、天使っていうよりただの若い女の子にしか思えないぞコイツ
でもアレフが人間の事をこんなに興味持ってくれるのはどことなく嬉しいというか嫌な気にはならないな
「それで遠くにいる者と話すとはどういう事なのだ?」
「電話っていう機械を使うのよ。人間が作りだした立派な文明の1つね」
「電話って何だ?」
まあ当然そうなるわな
さてリーナはこれをどう説明するんだ?
「だから機械よ」
「すまない、電話の前に機械って何だ?」
「人間が作りだした文明の利器よ」
「うーむ、よくわからぬが人間とは凄いのだな」
「そうね、一体どうしたらあそこまで色々な物を思いついて作れるのか知りたいわ」
「なんと!他にもまだあるのか?」
「そりゃもう語りつくせないくらいあるわよ。もしあれだったらアンタも一回人界に来て見てみればいいわよ」
「うむ、是非一度案内してくれ」
あれ?何かアレフが人界に来る事になってるけど
ていうかコイツら仲いいな
アレフって意外と知りたがりだけど大雑把な性格なのかもしれない
だからリーナとウマが合うのかも
「二人ともそろそろ着くぞ」
「おお!あれが虎牙族の村か」
「やっと着いたわね。もう疲れたから休みたいわよ」
そういえばリーナはずっと飛びながら移動していたけど、やっぱり魔力の消耗が激しいんだろうか
後でそれとなく聞いてみよう
それはそれとして、いたって普通の村だな
小さい柵に囲まれて家屋がいくつかある
「小さな村で済まないな。ひとまず俺の家に行こう」
アレフは俺を降ろして人型に戻った
便利な能力だな
でも何で人型でいようとするんだろう
これも気になるから後で聞いてみよう
「親父、今帰ったぞ」
「おおアレフか、よく帰ったな。そちらは?」
「初めまして、俺は宗って言います。こっちはリーナです」
この人がアレフの親父さんか
やけに若いな
人間でいえば30歳くらいに見える
アレフも俺と変わらないくらいの年齢に見えるし、虎牙族は若く見える種族なのか
「親父聞いてくれ。二人は人間と天使って種族なんだってよ」
「人間?…と天使だと!?」
「二人とも俺の友達だからな。今日は泊まっていくぞ」
なぜ泊まる事になっているのだろうか
でも正直ありがたい
こんな見知らぬ世界で野宿は正直ちょっと恐かったからだ
いつ襲われるか分からない
人界とは違う世界だからな
今日はアレフ以外に遭遇してないけど
「そうかそうかよく来てくれたな。えっと宗君とリーナさんだったか。何もない村で申し訳ないがゆっくりしていってくれ」
「それで親父、二人は親父に聞きたい事があるみたいなんだ。だから村に連れてきた」
「むう、聞きたい事か。では食事でもしながらゆっくりと聞こうか」
こうして俺達はアレフの親父さんに温かく迎えてもらい食事をご馳走になる事になった
この後俺はまたも人間の世界ではありえない衝撃の話を聞くことになる




