~会話~
この子達はコビル族という種族らしい
小さな人間みたいな見た目をしている
ちなみに向こうから見たら俺たちはとても大きく、珍しい種族だそうだ
「それでえっと…」
「私はエル―、こっちの子はハルー」
「俺は宗こっちはリーナだよろしくな」
「よろしくー×2」
「それでエル―とハルーに聞きたいんだけど、ここは魔界のどの辺なんだ?」
「魔界?」
え?何で聞き返してきた?何か変な聞き方したか?
「えっと、ここは魔界でエリアの王がいると思うんだけど、ここはどのエリアになるんだ?」
「エリア?王?宗は何を言ってるの?」
あれ?話が通じないぞ言語は何故か通じてるから、意味が分からない訳ではなさそうだ
単純に知らないのだろうか
「リーナ、魔界で王とやらを知らない種族がいるのか?」
「聞いた事はないけど、もしかしたらあり得るわね。ひょっとしたらここはエリアの外側、それもかなり離れた場所なのかも」
「どういう事だ?」
「王達のエリアも魔界全部に根付いてる訳じゃないって事。エリア外なら王を知らない種族がいても不思議じゃないし、そもそもエリアを知っているはずがない」
なるほどつまり自分の国以外の事はあまり知らないのと同じ感じか
そうなると天界への手がかりはあんまり期待できないな
「宗達はどこから来たの?」
「人界から来たんだよ」
「人界って何?」
「どう説明すればいいのか…難しいな」
人界だの魔界だのの説明って案外面倒くさいもんだな
俺たちは人界や魔界の事、天界であった事などを簡単に説明した
「そうだったんだ何だか大変なんだね。でもごめんね、そういう事は全く分からないから力になってあげられないよ」
「いや、いいんだ気にしないでくれ。それよりもこの辺りの事を教えてほしいんだけど」
「僕たちの村の周辺は平和だよー。でも、もうちょっと先に行くとおっかない魔物の巣があるんだ」
コビル族の村は小さい
今俺が立っている所から村全体が見渡せる
岩と岩の間に作られている村で、知らなければ確実にスルーしてしまうだろうという規模だ
だが、今気になるワードを聞いた
〈魔物〉
「リーナ、魔族と魔物ってどう違うんだ?」
「基本同じよ。魔族ってのはある程度種族で分けていて、種族分けしないで見れば全部魔物って事」
「あら、意外と簡単なんだ」
「それよりエルー…」
「ハルーだよ!」
「ああ、ごめんねハルー、そのおっかない魔物は言葉は通じるの?」
「通じないよー。あいつら、たまにこっち側にも来るからちょっと恐いんだ」
リーナは魔物について聞いているが、まさか行く気か
おっかないって事は強いんだろ
もし戦闘になったりした時、俺は大丈夫なんだろうか
「そうなのね、色々教えてくれてありがとう。お礼にこの村に結界を貼っておくわ」
「結界?」
「そうよ、あなた達は見た所、戦闘はできないでしょ?魔物はそいつらだけじゃないし、いつ襲われるかも分からないわ。だから村の中にいれば、ひとまず安心できる結界を張っておいてあげる」
「リーナ優しい。でも大丈夫なの?」
「ふふん、私の結界はその辺の魔物じゃ破れないから大丈夫よ。大船に乗ったつもりでいなさい」
結界を張り俺たちは村を後にした
コビル族から距離と方角を詳しく聞き、魔物の様子を見に行く
リーナが言うには何か引っかかる部分があるのだとか
俺的にはちょっと遠慮したいが、しかし好奇心には逆らえないようで、ちょっと見てみたいと思う俺は反対はできなかった
「ところで何が引っ掛かるんだ?」
「うーん…、ちょっとおかしいというか、気になるというか…」
「何だよ、ハッキリしないな」
「エル―とハルーがいたからさっきはああ言ったけど、ちょっと違和感があるのよコビル族がいるのは全然問題はないんだけど…」
「コビル族が問題ないって?」
「そう、天界では確認されていない新しい魔族って事。それ自体はあんまり珍しくないし、今でもたまに発見されるからね」
「じゃあ何が違和感なんだ?」
「コビル族が王を知らないって事よ。それに王の魔力を欠片すらも感じないこの場所」
「でもそれは凄く離れていて感じ取れないって」
「そうよ、それが一番可能性として高いのよ。だからこその違和感なのよ」
「よくわからんが、とりあえずは魔物の巣を見つけるんだろ?」
「そうね…考えてても始まらないから進みましょう」
リーナの違和感の正体は何なのだろう
俺は別に何も感じないから分からない
いや知らないから何も感じられないのだろう
そうして俺たちは先に進みやがて森にたどり着いた
「この森に魔物の巣があるのか方角とかは分かるか?」
「このまま進んでいけば多分着くわね。魔力がいくつか感じられる。宗はまだ感じ取れないの?」
「ああ、何かがいるくらいの感覚はあるけど、数や方向までは」
「覚えたばかりでそこまで感じ取れればOKよ。さあ行きましょう」




