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学園の王子様




あなたの学校にはスターが居ただろうか?


言い換えれば、学園の王子様。


少女漫画なんかによく登場する、女子に人気な男子生徒。


我が南高校にも王子様がいる。


人気というか、些か宗教じみている。


おっと、王子様が登校してきたようだ。


「きゃああああああああああ!!!」


ほら、信者達の雄叫びが聞こえてきた。


「夏樹様!おはようございます!夏樹様!夏樹様!」


信者の雄叫びについては省略させてもらう。


ただただ夏樹様と叫んでいるだけなのだから。


私としても、不快なノイズに耳をふさいでしまったのでもう聞こえない。


そうだ、明日からは耳栓を持ってこよう。


私のクラスは一年A組、私以外の生徒の席は全て空席だ。


ちなみに、時刻は8時20分。


我が南高校は決してヤンキーがたくさんいるわけでもない普通の進学校。


たった一つのことを除けば平凡そのものだ。


「おはよう、三宅さん」


何者かが私の前に立ち話しかけているようだが、私は耳に当てた手を離さない。


離してやるもんか、ついでにこんな現実受け入れるもんか。


「三宅さんなんで耳塞いでるの?」


「…、」


私はシカトする。


すると奴は一見優しそうな笑みを浮かべた。


だが、私は騙されない。


他の軽い女じゃあ気づかない。


「仕方ない」


そう言って奴は私の手首を掴む。


「触んな!訴えるぞ!」


私はひたすらに暴れるが、結果は机が少し音を立てただけだった。


必死の抵抗もむなしく両腕を上げる私。


「シカトしたのは三宅さんだから、三宅さんが悪いよ?」


にっこりと笑うこいつは私の敵。


我が南高校の王子様、山神夏樹。


最高に性格の悪い、親友の仇。




『憎むべき山神夏樹に籠絡されそうとかありえない!』





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