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第一章 第二節

「はぁ・・・日本のほうが楽だったのかも・・・」

ため息を吐いて、愚痴をこぼしても日本に戻れないのは分かってる。

だけど魔術師なんて目指すものじゃない。

見習い階級の私がミヴさんに言った所でどうにもならないのは目に見えてる。

「ほかの職業選ぶにも無理あるし・・・」

騎士になりたければ他国に出向き修行を積まなければ、一人前とは認められない。

それも分かっていながら、見習い魔術師として修行してるけど言語とかは翻訳されて記憶力は低下する一方。

魔力は日に日に上がってるけど、記憶力が低下してるから魔術も全然使えない。

そして、一番の問題が下級魔術師昇格試験。

その名の通り、下級に上がるための試験だけど、私は失格になる。

“睡眠薬も作れない魔術師は落ちこぼれ”という言葉がこの国にはある。

さっき私は失敗したし・・・やっぱり、私は落ちこぼれなのかな?

「そんなことはないわよ。リル」

「ミヴさん!」

箒と魔術石(魔力を石にしたもの)を持ったミヴさんは仁王立ち。

「それは練習すればなんとかなるわ。一人前の魔術師になるんでしょ?」

「はい!」

「だったら、まずは箒で飛べるようにしなきゃ」

一本の箒と透明の魔術石を私に渡してきたミヴさんはいつものミヴさん?というような疑問を持たせるぐらい優しいような感じがした。

「分かりました!・・・でも、この魔術石は何属性ですか?」

「よくぞ聞いた!我が弟子よ!」

あのミヴさん、いつの時代の人ですか??

「魔術石というのは、魔力を結晶化、つまり石にさせたものだというのは分かるわね。だけど、魔術石は自分で作るか魔力が高い場所でしか手に入らないものよ。自分で作ったものは自分がもっとも得意とする魔術の属性によって変わるけど、魔力が高い場所ではその土地の属性、例えば火山の近くだったら火、海の中だったら水というような感じね。分かった?」

「ミヴさん」

「何?リル?」

「早すぎて、全然分かりません」

「な、なんですって・・・我が弟子よ、お主は大変なことをしてくれたのう」

ミヴさんが壊れた!?いつの時代の人!?

「み、ミヴさん、大丈夫ですか?」

「我が弟子よ、お主は大変な事をしてくれたのう・・・」

「あ~!ミヴさんしっかりしてください!!!!!」

「あら?どうしたの」

ミヴさん、まさかの芝居???

「いやだって、さっき・・・我が弟子よ、お主は大変なことをしてくれたのうって!!」

「どこの時代の人よ?」

それはミヴさんでしょーーーーー!!!!!!

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