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第三話「変態館の住人達2」

人は皆、生まれたときから死ぬときまで中二病なのさっ!(笑)

さて、何時までも転んだ事を悔やんでもしかたない。

蝶華はマンションの入口にあたるこれまた巨大な鉄製の自動ドアにたった。

黒塗りで黒々く輝き、光沢を放っていた。

自動ドアと言うよりもはや門と言ったほうがいいかもしれない。


「通称、鉄門(くろがねもん)と申すそうです、お嬢様」

不意に後ろから声が聞こえた。

振り向くと、荷物を引きながら辰馬が笑顔で歩いて此方へ向かって来る。


「パスワード無しでは100㌫開くことの無い完璧なセキュリティ、無理矢理こじ開けるのも不可能、その他防火、防水機能は勿論、防弾、防砲機能も…正しく鉄壁の門です」


…防砲?

「説明どうも、早かったわね」


「はい、お嬢様を待たせるわけにはいきませんから

「当然よ、さ早くこの門を開けてちょうだい」


「はぁ…しかし僕が決めてよろしいのですか?パスワードを、この自動ドアはここにお住まいになる方々個人でパスワードを作製し、このドアの開閉を行います。それならお嬢様がお決めになられた方がよろしいかと」

こう辰馬が返す。


すると蝶華は「何言ってんの?」と言い、こう返した。

「アンタは私の世話を焼く執事でしょ?なら何時も私の側に居るんだからアンタが覚えとけばいいのよ…覚えるのも怠いからね」

…要するに、蝶華はいちいちパスワードを覚えるのが面倒だから代わりに辰馬に覚えるさせとう、という訳らしい。

随分身勝手な話しだが、辰馬は別の部分に反応する。

「お嬢様今なんと!?…何時もお嬢様のお側に…と?そう仰られましたよね?…」

いつになくグイグイとせまる辰馬に若干の戸惑いを覚える蝶華。

すると蝶華は顔をみるみる紅潮させ、


「い、言ったけど…そんな意味深な事はないわっ!アンタがいれは便利なだけよ!…他に意味も理由も無いわ!」

と激しく反論、しかし辰馬は意に介さず。


「いえそれでも!僕はお嬢様のお側に…いや、お側で無くとも離れて…それはもう電柱の陰から宛らストーカの如く、卑しく…お嬢様を見守り…盗撮したいです……その行為がお嬢様にバレて、激昂するお嬢様に怒鳴られ…叱咤され…蹴られ踏まれ…そうなると想像しただけでも…ああ…僕は正気を保てそうに有りません!…」


普通の人なら絶句、身震いなんてものじゃ済まないだろうが、蝶華にとってもうこれは当たり前になってきている。

辰馬が尋常じゃない程変態なのは、良く知っている。

「変態、さっさとパスワードを決めて入れなさいっ!」

こう返し一掃した。


「はい、お嬢様。でわ…」

辰馬も何事もなかったかのように受け答えする。


「どけどけ~!!」

辰馬がパスワードを打っていると、後ろからドタドタと大きな足音が響く。

その音の主は辰馬を押し退けると、ピピッとパスワードを押すと鉄門の前に仁王立ちした。

ソイツの行動にも少なからず驚いたが、その出で立ちにも目が行く。


表は純白、裏地に深紅の襟の立ったマントに指無し手袋。空いた全ての指には銀色の指輪がされ手首にはめた首輪と細長い鎖で繋がれていた。

そして何より異様…いや、変に思うのが左目に眼帯を当て、何故か上からサングラスを掛けている。

身長は差ほど高くなく、格好はともかく、中学生ぐらいの少年のようにみえる。


そしてその少年は、右手を門に突き出し左手を顔に当て、フレミングの法則を作ると、高らかに叫んだら。


「我が名は光の騎士、ホーリーナイト!闇の力によって閉ざされし漆黒の門よ、我の術式によってその扉を開けよ!…」

はぁぁぁぁ!!!

と、何に力を込めてるかは不明だがはっきりした事がある、この少年…筋金入りの中二病らしい。

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