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プロローグ
あー!
誰かの叫び声が響く
本当ならばすぐさま誰かしらが駆けつけ状況を理解し何らかの対応をし、どうにかなるのだろう
しかしながら、ここではそんなものはありはしない
その本当が無くなったのはある一家の存在が私たち、この街の人々の常識を奪って行ったからである
轟兄弟
この辺では有名な医者の息子
ぐれてる、ぐれてないの問題ではない
噂を少し取り上げてみれば耳を塞ぎたくなるような噂ばかり
轟兄弟の話が出ない日などない、と言っても良いくらい。いや、実際にそうなのだ
一人二人ならばまだ救い、らしきものがあったのかもしれない
しかし、轟兄弟は
十二人兄弟だった。こんな事態、一般人からしたら地獄でしかない