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真っ赤なドレスで踊り狂え


 

 

 今日も機嫌よくモルガナは毒作りに没頭していた。

 ガルヴォルドのお陰で覚えた魔族の言語のお陰で、図書館で沢山の知識を手に入れることができた。そのお陰で毒作りに幅ができた。

 人間界とは比べ物にならない強力な毒が次々と出来上がる。水晶瓶に入れて蓋を閉め、小さな紙片に魔族の言語で毒の名前と効能を書く。モルガナの中で少しだけ変わった習慣。魔界に馴染んできたような気がする瞬間でもあった。


 ガルヴォルドは近頃無言で考え込んでいる時間が増えた。考えるのは良いことだとモルガナは思っている。毒作りは考えることから始まる。どの材料と材料を組み合わせるか。パズルをしているようで楽しい。ガルヴォルドが考えに耽ることで楽しんでいるかは別として、暇を持て余しているガルヴォルドには丁度いい。


 さぁ、次はどんな毒を作ろうかと羊皮紙に羽根ペンで魔族の言語で書き連ねていく。

 全て書き終えると、モルガナは先日作ってもらった毒の花や茸、そして鉱石や生き物の為の温室を見に行くことにした。

 迷路の様な城も、図書館で読んだ本に城の設計図があったので、全て頭の中に入っている。今ではスカルディアの手を借りずとも、自分で行きたい場所に行けるようになっている。


 モルガナはふらふらとした足取りで城を出て温室へと向かう。

 温室は動植物にとって最適な温度と湿度に保たれている。ガルヴォルドが指を一つ鳴らしただけで、この完璧な温室が出来上がったのだ。

 モルガナは温室の動植物を見て回る。時折水をやったり毒を食わせてやったりと、楽しく世話をしている。

 その時だった。温室に光が差し込んだのは。

 魔界は一日中薄暗い。そんな中、陽の光が差し込むなどあり得ない。

 モルガナは不思議に思って温室から出ていった。


 外は異様な光に満たされていた。目が痛くなる。

 なんとか目を開けると、空に無数の人影が見えた。

 皆一様に貫頭衣を身に纏い、金色の長い髪に背中に大きな翼が生えている。そして目元は布で隠されている。


「あれは……天界人?」


 天界人と魔族は長年因縁の関係にあった。己を正義の執行者と言ってはばからず、他種族を蔑視する。光魔法を得意とし、自分達を天使の御使いだと言って詐称している愚かな輩たち。

 モルガナは天界人が大嫌いだった。


 そこへ魔王ガルヴォルドが姿を表した。


「旦那様、何ですのあの愚か共は」


 ガルヴォルドは天を仰ぎながら、忌々しげに呟いた。


「今まで小競り合いはあったが、こんなに大挙してやってきたのは初めてだ」


「如何なさいますの?」


「相手の出方次第だ」


 そう言い終えるのと同時に、天界人の誰かが言った。


「我ら天界人は人間界に(こいねが)われ魔界の王、ガルヴォルドを成敗しにやってきた! 人間界に侵攻する前に我らの手で滅びるが良い!」


 モルガナは方眉を上げた。


「人間界に侵攻? 旦那様、そんな御予定はありまして?」


 ガルヴォルドは鼻で笑う。


「あるわけ無いだろう。俺になんの特がある」


 モルガナは人差し指を唇にあてて考える。


「そういえば、私がここに来たのも人間界の国王が魔王に侵攻されるから、とかなんとか言っておりましたわ。私は本気になどしておりませんでしたが、あの愚かな国王は本気でガルヴォルド様に人間界が侵略されるとお考えのようですわね」


「これだから人は嫌いだ」


 天界人が再び声を上げる。


「この不浄なる地を我らの力で聖なる地とせんことを誓おうぞ!」


 そう言い終えると、天界人達が地面に巨大な光る剣を打ち込んだ。


「さぁ! 清浄なる光の力で魔界の瘴気を払うのだ!」


 そう言った途端、魔界の淀んでいた空気が巨大な剣に吸い込まれていく。当然、ガルヴォルドの体からも瘴気が吸い取られていっている。


「旦那様! 瘴気が!」


 モルガナが慌ててガルヴォルドの体に触れた。

 ガルヴォルドは顔を歪めて耐えている。


「あの阿呆共、本気で魔界を侵略するつもりだぞ」


「そんな! 私はどうすれば──」


 そうモルガナが言い終える前に、天界人が朗々と歌うように宣言する。


「この悪しき世界に住む生き物たちを皆殺しにするのだ!」


 すると天界人の周りに無数の光る剣が現れた。


「あの糞野郎どもが!」


 光る剣が一斉に天から降り注ぐ。それは意思を持っているかのように、“生きているものだけ”を狙って降ってくる。


「クソ! 間に合わんか……」


 モルガナは一瞬何が起こったのか理解できなかった。

 目の前に巨大な影が出来たかと思ったら、それはガルヴォルドで……


「旦那様……光の剣が刺さっておりますわ」


 そう、モルガナを庇うために無数の光の剣を背中で受け止めたガルヴォルド。


「やってくれんじゃねぇか……」


 ガルヴォルドが右手を振ると、天界人の周りに無数の黒い爆発が起こった。


「ナクシール!」


 ナクシールが急いでモルガナを抱きかかえて城へと避難させる。


「待って! 旦那様がまだ外に……!」


「今は貴方様の身を安全な場所に移動させなければなりませぬ!」


「待って! 待ちなさい! ナクシール!」


 モルガナの悲痛な叫びは尽く無視され、翡翠で出来た部屋に連れて行かれた。


「ここが城で最も堅牢です。しばしの間、こちらでお待ちください!」


 そう言うと、ナクシールは部屋の扉を閉めて鍵をかけた。


「待ちなさいナクシール! 今すぐ開けなさい! 旦那様が! 旦那様が……!」


 何度叫ぼうと、扉は開かれない。スカルディアを呼んでも来てくれない。モルガナはガルヴォルドの体に無数に突き刺さった剣を思い出し、体を震わせた。


 +++


 外から爆発音が聞こえなくなった頃、ようやく翡翠の間の扉が開かれた。

 ナクシールの鎮痛な面持ちを見るに、最悪の事態なのだと察する。


「……旦那様がおられる場所へ案内して」


 ナクシールは一礼すると黙ってモルガナを先導する。

 辿り着いた部屋は巨大な扉に守られていた。ナクシールは扉を開けると大きなベッドにガルヴォルドは横たわっていた。


「旦那様……」


 ふらりとガルヴォルドが眠るベッドに近寄る。体には無数の刺し傷があり、そこから瘴気が止めどなく溢れ出てしまっている。


「ナクシール、天界人は?」


「魔王様があらかた片付けましたが、恐らく第二陣がやってくるでしょう」


「どうして傷が治らないのです? 瘴気がどんどん溢れ出ているわ」


「魔族の体は光魔法に弱い性質があります。ですから魔王様の治癒力が追いつかないのです」


 モルガナはガルヴォルドの手を両手で握りしめた。


「旦那様は私を庇って、この様なお姿になってしまいました。この報いを必ずやあの忌々しい天界人に受けさせると誓いますわ」


 モルガナは踵を返し、自室に篭った。

 魔族は光魔法に弱いが天界人も黒魔法に弱い。だから今まで均衡が保たれていたのだ。しかしそれを破ったのは天界人。モルガナの大切な人を苦しめている張本人。

 瘴気は毒と同じ。普通の人間ならば触れただけで死に至る。吸い込めば死ぬまで藻掻き苦しむ。

 モルガナは強力な毒を次々と作っていく。

 いつも楽しみで作っている毒作りではない。ガルヴォルドを救う為の毒作り、そして天界人を殺す為の毒作り。

 第二陣が来る前に早く大量の毒を用意せねばならない。


 +++


 翌朝、一睡もせずに毒作りをし続けたモルガナは、怒りと狂気に満ち溢れていた。

 部屋から出ていくと、ガルヴォルドの寝室に入りガルヴォルドに駆け寄ると、小瓶に入った呪毒が付与された猛毒をガルヴォルドにそっと飲ませた。

 天界人に傷付けられた傷口が塞がっていく。まだ失われた瘴気は戻ってはいない。


「あぁ、愛しい旦那様。この私を庇って傷付いた優しき魔王。私は旦那様に誓いますわ。必ずやあの野蛮な愚か者共を皆殺しにすると」


 ポタリ──モルガナの瞳から涙が幾筋も零れ落ちていく。それはガルヴォルドの唇にも落ちて流れていく。


「ですから旦那様、どうか死なないで下さいまし。私は貴方がいるからこの世界を好きになれたのです。どうか、どうか……」


 モルガナはガルヴォルドの額にそっと口づけを落とした。そして立ち上がると涙を拭い去る。


「スカルディア! スカルディア!」


「はい、モルガナ様」


「ドレスを用意してちょうだい。とびきり美しいドレスを」


 スカルディアはすーっと消えていく。


「ナクシール!」


「はい、モルガナ様」


「貴方に手伝って欲しい事があります。この城で最も魔力に満ちた部屋へ案内してちょうだい」


「畏まりました」


 ナクシールが案内した部屋は、壁が黒曜石とミスリルでできており、部屋の中心部に円形の紋様が描かれていた。


「前魔王が魔力を高めるために使っていた部屋でございます」


 モルガナは微笑んだ。


「素晴らしいですわ。この場所から人間界へ魔力を使って空間を繋げます」


 ナクシールは驚いた。


「そんな事が可能だと? 魔王様なら出来たかもしれませんが……」


「泣き言は聞きたくありませんわ。旦那様に代わって私達がやるのです」


 モルガナは円形の紋様の前に跪き、魔力の流れを読んだ。


「これなら位置と方角をこちらで調整すれば可能ですわね」


「モルガナ様、一体何をされるおつもりで?」


 モルガナは不敵に笑んだ。


「あちらが多勢に無勢なら、こちらも数を揃えるのです」


 モルガナはナクシールに円の中に魔力を注ぐよう命じた。そしてモルガナは細く無数の糸の中から目的の糸を探し出し、千切れてしまわない様に繊細な手つきで糸を拾っていく。

 そしてモルガナはイメージする。

 懐かしきあの場所のイメージを。


 円の中にぼんやりと人の影が浮かび上がる。ナクシールは驚いた。人間がこの様な魔法を使えることに。


「お母様、お母様……モルガナです。聞こえますか?」


 モルガナの母アザリナが瞬時に反応する。


『その声はモルガナ? どこなの?』


「お母様、鏡で私の魔力を探してください。今すぐに」


 アザリナは屋敷の者に命じて姿見を用意させると、目を瞑り娘の魔力を探し出す。


『あったわ、これね』


 アザリナはモルガナの魔力の糸を引っ張ると、姿見に固定した。


『まぁ! モルガナ、あなた少し痩せたのではなくて? そちらの生活はどうなの?』


「お母様、今はそれどころではありません。私の旦那様が天界人に傷付けられ重症を負いました」


『天界人! はっ! あの忌々しい天使擬きが!』


「お願いがございます。今すぐ持てるだけの毒を用意して、一族全員に収集をかけてこちらに来てほしいのです。私の大切な旦那様を傷付けた報いを天界人に受けさせたいのです」


 アザリナは優しく微笑むと、手のひらに黒い粉を乗せてフッと息を吹きかけた。それらは意思を持って様々な場所へと飛んでいった。


「そしてもう一つ頼みたいことが」


『愛しの我が娘、なんなりと言いなさい』


「今回の事は私を魔界に送り出した国王が、天界人に頼んでしでかした様なのです。屋敷の者に国王を暗殺するように命じてください」


『ほほっ! あの弱腰で役立たずの国王ならやりかねないわね。良いでしょう。すぐに国王を消すように命じておくわ』


「ありがとうございますお母様」


『さぁ、楽しくなってきたわ! みんな、用意をしてちょうだいな! 私の娘の大切な人が憎き天界人に傷付けられたのよ? ドラクス家の恐ろしさを天界人に思い知らせる絶好の機会だわ』


 ははははっ、と狂人の様に笑い、母の姿がブツリと消えた。


「今の方がモルガナ様の母君で?」


 ナクシールが呆然としている。


「えぇ、そうですわ。ナクシール、あなたはここにいて、お母様達の魔力を感じたら魔力を注いでちょうだい」


「分かりました」


 モルガナは次に寝室に行った。

 ベッドの上にはドレスが数着置いてある。そのどれもがモルガナが嫌う“白色”であった。


「スカルディア、あなたは本当に優秀なメイドですこと。私の意を汲み取り、完璧に応えてくれる。あなたに出会えたことは僥倖だわ」


 スカルディアは深々と頭を下げる。


「恐れ多くもお褒め頂き、誠に光栄に存じます」


「さぁ、どのドレスにいたしましょう」


 +++


「おお! 我が黒檀よ! 元気にしていたかい?」


 そう言ったのは父オルファザドである。廊下はドラクス一族でひしめいていた。


「皆様、此度は私の呼びかけに答えて下さり、誠にありがとうございます。どうかあの忌まわしき天界人を皆殺しにする為に、私にお力をお貸しくださいませ」


 モルガナは深々と礼をした。


「頭を上げよ、我が孫娘よ! 天界人の阿鼻叫喚を見る為に、様々な強力な毒を用意して来たぞ」


 そう言ってのけたのは祖父ザルモスである。


 分家の者達も今か今かと天界人を皆殺しにするのを楽しみにして待っている。


「私に作戦がございます。その作戦を皆様にも実行していただきたいのです」


「それはどの様な楽しい作戦なのかしら?」


 アザリナが艶やかに微笑みながら尋ねてきた。


「作戦は簡単ですが、効果は絶大ですわ」


 モルガナは含み笑いをした。


 +++


 この城には幾重にも結界が張られております。そしてまた新たな結界も張ります。

 それらの結界に毒を仕込んでほしいのです。魔族にとって毒は栄養となり得ますが、天界人にとっては人よりも激烈な猛毒となります。

 まずは奴らを結界のある場所まで引きずり下ろすことが肝要です。結界に触れれば、奴らの体は毒に蝕まれ血の惨劇となりましょう。


 モルガナはが説明を終えると、母アザリナはうっとりとしたまま己の体を抱きしめ、父はそんな母の肩を抱いて頭にキスの雨を降らせている。


「仕留めそこねた天界人は毒を仕込んだ武器でとどめを刺して下さいませ」


 モルガナの作戦はとても簡単なものだった。だが上手く行けば壮絶な惨劇が引き起こされる。


「モルガナ様、第二陣がやってまいりました」


「分かりました。皆様! それでは城の屋上へと参りましょう」


 モルガナを先頭に、ドラクス一族とナクシールやスカルディアなどの城の者達も付いてきた。

 屋上に着くと、結界が身近に感じられるほど近い。


「さぁ、毒を黒魔法で噴霧させるのです。黒魔法が使えぬ者は毒を宙に飛ばしてください」


 モルガナや母アザリナなど、黒魔法が使える者達は一斉に毒を微細な物質に変換し、結界に噴霧する。それらは結界全体へと広がっていく。


「ほっほっ! 楽しいのぉ! 死ぬまでに一度は天界人を殺して見たかったのだ」


 祖父ザルモスが楽しげに毒を宙に飛ばしている。

 そうして幾重にも張られた結界に満遍なく毒が行き渡った事を確認すると、天界人が降りてくるのを待つ。


「そこの者達よ! 人間でありながら、何故魔族に与するのだ! 囚われているのか? ならば我らが助けてやっても良いぞ」


「あぁ! 何たる悲劇でしょう! 私は魔王に囚われてしまったのです! どうか、この苦しい心をお助け下さいませ!」


 モルガナがふらふらと歩き回りながら嘆いている。そこへ一人の天界人が降りてきた。


「美しき娘よ。我が助けてやろうぞ。さぁ、こちらへ」


 手を差し伸べてくる天界人に、モルガナは嘆き苦しむ。


「私は魔王に体を痛めつけられたのです……その手を取ることは叶いません! どうか、もっと近くに……!」


 天界人はモルガナの言葉を鵜呑みにし、ついに結界に触れてしまった。


「あああああああっ!!」


 触れた手の先から皮膚がドロリと溶けていき、骨はボロボロと崩れ落ちて行く。並行を保っていられなくなった天界人は、そのまま結界の中へと落ちていく。


 幾重にも重ねられた毒のせいで体は肉塊と化していく。

 最後に残ったのはボロボロの剣のみ。


「はははははっ!! 愚かな天界人よ! 同族を殺された気分はどうですの? 自分達より劣ると思っていた下等生物が、まさかこの様な事をするなど、思いもしなかったでしょう!!」


 モルガナはくるくると楽しげに舞う。

 天界人は怒りのまま無数の光の剣を雨の如く降らせてくるが、どれも結界に触れた瞬間に腐り、錆びて落ちていく。


「どういたしましたの? 高みの見物を決め込むだけで、下等生物を直接その手で殺そうとする、勇猛果敢な天界人はいないのですか? まぁ、なんて恥ずべきことでしょう!」


 ふふっ、とモルガナは笑う。それに激昂した天界人達が自分たちの周りに結界を張り、モルガナ達の所へ一直線に降りてくる。


「さぁ! さぁ! どうぞいらして下さいませ!」


 光魔法で作られた結界は闇魔法で作られた結界と相殺されるはずが、黒魔法の結界に猛毒が付呪された事により、光魔法の結界がバチバチと音を立てて弾け飛んでいく。

 そして勢いのまま突っ込んできた天界人達が猛毒の結界に触れてしまい、次々と肉が溶け血が迸り、骨が崩れ落ちて行く。

 モルガナの真っ白なドレスは今や天界人の血で真っ赤に染め上げられている。


「さぁ! もっと来なさい! 愚かな天界人よ! このモルガナ・ドラクスの夫、ガルヴォルドをあの様な目に合わせた報いを存分に受けるが良い!」


 くるりくるり、狂え狂え! 踊り狂って報復せよ!


「モルガナ様! 第三陣がやってまいりました!」


「まぁ! なんて執拗な生き物なの? 皆様、毒の残りはありまして?」


「あるが、このままでは直に無くなるのも時間の問題であろうて」


 祖父ザルモスが忌々しげに顔を歪める。


「黒魔法を使えるものは魔法で対抗を!」


 母アザリナが叫ぶ。モルガナも父に渡されていた短剣を懐から取り出すと、刃に毒を塗って待ち構える。

 そこへ、ガサガサの低い声が轟く。


「モルガナ……よくやった。人間でありながら、あの天界人をそこまで屠ったこと、褒めてやる」


 モルガナは振り返る。

 そこにはゆっくりと屋上に登ってきた魔王ガルヴォルドの姿があった。


「あとは俺がやる。俺を本気で怒らせた事を後悔させてやる」


 

 

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