表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ふつうと異常の間で  作者: まどろみ=アオ
3/3

セリカの異世界オタク事情と、ちょっとした事件

(夕方の喫茶店「コトリ」。ユウトは窓際の席でスマホをいじりながらコーヒーを飲んでいる。セリカはカウンター席でノートパソコンを開いている)


ユウト「最近、急に涼しくなってきたな。夏の終わりって感じだ」


セリカ(キーボードを叩きながら)「そうだね。もうすぐ学校のテストもあるし、気が抜けないよ」


ユウト「俺? まあ、なんとかなるだろ……って感じだけどな」


セリカ「その“なんとかなる”精神、ちょっと見習いたいわ」


ユウト「お前は完璧主義すぎるんだよ」


セリカ「それは認める(笑)。でも、やらなきゃいけないことはちゃんとやるタイプ」


ユウト「尊敬はしないけどな」



セリカ(ふと顔を上げて窓の外を見ながら)「ねえ、ユウト。今日また、あの“異世界スポット”がちょっと騒がしかったらしいよ?」


ユウト「……またその話かよ。セリカはほんとそれ好きだよな」


セリカ「だって面白いじゃん。調べてみたら、この商店街って何度も異世界と繋がってる記録があるんだよ?」


ユウト「お前の“異世界マニア”はさておき、今日のバイトはどうだった?」


セリカ「まあまあかな。でも、ちょっと変なことがあったんだ」


ユウト「変なこと?」


セリカ「店の灯りがチカチカして、あの常連のおじいさんがこんなこと言ってたんだよ」


ユウト「どんなことだよ?」


セリカ「“昔はこの街の空も青くなかった。霧の向こうの世界が見えてたんだ”って」


ユウト「……それ、ただの迷信だろ」


セリカ「でも、“隣の世界から来た”とか“時々こっちに戻ってくる”って話もしてて」


ユウト「おじいさんの妄想か、それとも異世界ネタにハマってるのか」


セリカ「どっちもかもね(笑)」



(セリカが席を立ち、窓の外を見つめながら)


セリカ「外の空気、なんだかいつもと違う感じがする」


ユウト「……確かに少し静かすぎるかもな」


セリカ「気分転換も兼ねて、ちょっと散歩しない?」


ユウト「まあ、いいけど。いつもの路地だろ?」


セリカ「そうそう。あそこは雰囲気が変わるから気になるんだ」



(二人は喫茶店を出て、ゆるやかな商店街の路地を歩く)


セリカ「あの猫、最近よく見かけるよね。まるで案内してるみたい」


ユウト「俺は猫に案内されるタイプじゃないけどな」


セリカ「まあまあ、ついてきてよ」



(路地の奥で、猫が立ち止まり、壁に小さな“扉”がぼんやりと浮かび上がる)


ユウト「……おい、これって……」


セリカ(小声で)「これが今日の“事件”の始まりかもね」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ