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2. 古澤歌乃 from 『あなたに感謝していたいの』
高校を卒業し、古澤歌乃は社会人になった。
福岡にいる祖母のミドリと暮らしていたけれど、就職を機に福岡から大阪に戻ることになる。
歌乃は大阪ではアパレル販売員として働いており、土日祝やセールなどの繁忙期は忙しくしていた。
そんな時、インターネット上で早川公平のインタビュー記事を見つける。
歌乃が高校生の頃は早川公平はサラリーマンだったけれど、今はカフェの正社員として働いているそう。
せっかくだし行ってみようと、歌乃は平日休みの日に公平が働くカフェに行ってみた。
注文を取りにきた公平が歌乃を見るなり、
「あれ、歌乃? 大人っぽくなってるじゃん」
と言ってくれる。歌乃は公平が今も覚えていてくれたことが嬉しかったのだ。