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星の子  作者: SARAMIチーズ
3/4

第三話 ランセット工房の人たち


アルはミリアに待合室で待っててと言われ、待合室のソファに座って待っていた。

そこに、いかにも職人という風貌の男がやってきた。

「お前がアルか?」

無愛想な男に、少し怯えながらアルは、頷いた。

「…星の子だ。本当に俺は、星の子を見てるのか、本当に綺麗だ、美術品かと思った。」

アルは思ってもみなかった褒め言葉に驚いていた。

「あっ、いたぁ!ごめんね、アル。この人はラント、アタシの旦那でこの店の店主なんだよ。」

「…よろしくな、アル坊。」

「よ、よろしくお願いします。ラ、ラント師匠?」

そう言ったアルの上目遣いにラントは心を掴まれた。

ラントは弟子が欲しかったが、この性格のため怖がられて弟子は出来なかった。

「…っつ、」

そんな様子のラントを見てミリアは、微笑ましげだった。

「そ、それで僕は何をすればいいですか?」

「…もう、師匠とは呼ばないのか?」

「えっ?あ、ラント師匠、」

その言葉を何回聞いてもラントは嬉しそうだった。

その後、アルはラントから鍛冶場の手伝いを頼まれ鍛冶場へ行くと

「おぅ、嬢ちゃんがこんなとこに何だい?」

「此処は女の子が来るとこじゃねぇぞ。」

と、みんなに女の子と言われ、アルはショックを受けながら、挨拶をしました。

「…こんにちは、僕はアルって言います。これから此処で働きます。よろしくお願いします。」

「「「「ぼ、僕ぅ!」」」」

「あ、はい。僕は男です」

アルが男だった事に驚いて鍛冶場の人たちは固まってしまった。

そこへ、ミリアがやって来た。

「やぁ、アンタ達ちゃんと仕事やってるかーい?…ってどうした。」

「ミ、ミリアさん。えっと、この人たち僕が男って言ったら固まっちゃった…」

それはアルが可愛い顔をしていて髪を切っていないため長くなっているから、それに幼いため声が高いのもあるだろう。

「…なぁ、ミリアさんよ。本当にこいつって男なのか?」

「あぁ、本当だよ…アンタらの気持ちがわからなくもないよ。アタシも最初間違えたしね。」

「これで、女の子じゃねぇんなら痩せすぎだろ!」

「そうだ!アルっつったか?お前は若いんだからもっと食え!」

「えぇ、そうですか?」

「「「あぁ!」」」


アルはその後質問攻めにされてヘトヘトになり床に突っ伏していたのをミリアが見つけ、部屋に運ばれたのだった




次の日、アルが起きると知らない天井が見えた。

「ん、ここ、どこだぁ?…そうだ、僕はランセット工房で……」

アルはベットから立ち上がりおぼつかない足でドアを開け下へ向かった。

そこにはミリアと二人の子供がいた

「おぉ!起きたかい」

ミリアがあるに気付いて話しかけるとアルと同じくらいの女の子がキラキラした目でアルのことを見ていた。

「お、おはようございます…」

「あぁ、おはようさん!もうご飯できてるから食卓行きな。」

「は、はい。ありがとうございます。」

「レオとモネ、この子はアルだ。仲良くするんだよ!それとアルを食卓まで案内してくれ。」

「はぁーい!」

「…うん、」

それだけ言うとミリアは工房の方へ行ってしまった。

「じゃ、じゃあ行くか?」

ギクシャクした空気で三人は食卓に向かったのであった。



シーンとした気まずい空間で初めに口を開いたのはモネだった。

「…ねぇ?アルちゃんはどこの子?」

「それは俺も聞きたい、て言うか何でここに…まさか隠し子!」

「ち、違います!僕はラントさんに弟子入りしたんです。」

「じゃあ、やっぱし…アルは『星の子』か?」

「は、はい。そう言われました」

「へぇー星の子なんて初めて見たわ。にしても可愛いな顔してんな…」

アルは可愛いと言われて少し複雑だったがそれは飲み込んだ。

「ねぇ、二人だけお喋りしてズルい!モネもアルくんと話したい!」

「あぁそうだな、ん?アルくん?」

「さっき僕って言ってたもん。」

モネはしっかり聞いていたんだと思うアルであった。

「いや、マジで?」

「はい、男です。よく間違えられますが…」

「……マジかぁ、悪かった。髪長えし間違えちまった。」

「ねぇねぇ、そんなことよりアルくんって何歳?それと誕生日は、いつ?」

「えっと、八歳で誕生日は、十二月の十日です。」

「…やったぁ!モネの方がお姉さんだー。モネは八歳で誕生日は九月の九日なの!」

心底嬉しい!と言う顔をしながら飛び跳ねている モネを見てアルは面を食らっていた。

そうして、三人はいろいろなことを話した。

この工房は元は王家の人の直下の場所だったことやミリアは元冒険者でSランクまで上り詰めたこと、それと星の子についても教えてもらった。


そして食卓に着く頃には三人はとても仲が深まっていたのだった。




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