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残骸都市と夢の在処  作者: 空き缶文学
第1部 APR殲滅チーム結成
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第3話 募る

『――私は永嶋、暴走したロボットを解明し、暴走を阻止させ、そして平和な日常を取り戻したい。目的の達成のためAPR殲滅チームを立ち上げ、現在ラジオで同志を募っている。聞いている誰か、どうか一緒に戦ってほしい。場所は都内湾岸エリア、ガードテクノロジー社と大きく掲げた看板が目印だ』


 支給されたガードテクノロジー社専用のスマホから繰り返される募集内容。

 表向きは警備会社。

 裏は民間軍事会社なんだって、初めて聞いた。

 だからこの募集も特定の範囲にしか聞こえないようになっている。

 限られた状況で人が集まるのかな……。



 地下の医務室で先生から制服を支給してもらうことになって、来てみたけど……。


「おぉーAPR殲滅チーム仮入隊の一兵卒ちゃん」

「いっぺい、そつ」


 スキンヘッドで白い顎髭を伸ばした医務担当の先生は、よく分からない呼び方をする。


「正式になれば、コードネームも与えられる。楽しみだな」

「コードネーム、ですか」

「そう、暴走とはいえ裏で東セキュリティ会社が糸を引いている可能性は十分ある。不必要に情報を与えてはいけない、そして、これから集まるであろうメンバーにもな」

「メンバーにも?」

「余計な感情を生み出させない為、だとさ。ほら、これ着なさい」


 手渡されたのは『G.T』とイニシャルが刺繍された暗い緑色のシャツと黒のジャージパンツ。

 余計な感情を生み出させない……名前や経緯を知らないだけで効果あるのかな。


「それと永嶋さんから、志願者が集まるまで体力をつけるように、だと。体力テストがあるからね、トレーニングルームは医務室の隣にある、自由に使ってくれ」


 体力テスト……どうかな自信、ないな――。



 時々永嶋司令からアドバイスをもらって、ひたすら無駄に広いトレーニングルームをぐるぐる走る。

 べたべたになるほど汗だくで、気持ち悪い。

 筋トレ、先生に教えてもらって軽い負荷を多く、強い負荷を短く、バランスよく鍛えるのが大切らしい――。




 3日後、永嶋司令から呼び出された。

 例の募集ラジオを聞いて志願した人が来たみたい。

 あれ、本当に聴いた人いたんだ……チーム結成できるのかな。


「面接とテストを執り行う。非常事態だろうがそう易々と他人を入隊させるわけにはいかない。すまないが君も受けてくれ」

「はい……」

「面接よりも君は、体力テストとバイオ適合テストが肝だろう」

「ばいお、どんなテスト、ですか?」

「俺の部下もつけているAeye、片目が赤かっただろ。我が社が開発したAIとバイオを融合させたテクノロジー。とはいえ人体に取り込むわけじゃない、レンズを実際に装着して拒否反応がないか確認するテストだ」

「拒否反応が出たら、どうなるんですか?」

「残念だが失格だ。発赤が出る、無理に使用すると重篤なアレルギーや疾患に繋がるんだ。体力テストは無論、戦う以上必要だからな」


 ううん、バイオ……名前だけ聞くと怖い。

 しかもトレーニングは、たった3日しかやってないのに、不安だよ……。

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