胸に孕んで 胸を痛めて
妊娠も、出産も経験ありません。
からっぼの籠を目の前に積んで
ハンドルを握ってた あの頃のぼくだけど
きみと出逢ってからは
ちっぽけな金網が あふれそうなほどだよ
ふらつきながらも 前に進むために
ペダルを漕いでいけたんだ
欲望と境界線を失くした愛情で
きみを擁きしめられたら きっと どんなにか
胸に孕んで膨らませた想いだから
きみとぼくのふたりだけと
似ている 笑い顔うかべる
胸を痛めて誕みだしたことばだから
きみとぼくのふたりだけを
誕まれたての てのひらで繋げる
詰めこんだ籠を羨んで ひとり
ハンドルを握ってた あの頃のぼくならば
きみと出逢えるまでは
張り裂けた金網じゃ こぼれていくきのうへ
よろめきながらも あすをめざすために
ペダルを漕ぐしかなかった
愛情と接合面の見えない欲望で
きみと擁きしめあえたら もっと どんなにも
胸に孕んで膨らませた想いだから
きみとぼくのふたりだけに
聞こえる 産声をあげる
胸を痛めて誕みだしたことばだから
きみとぼくのふたりだけの
誕まれつきに 面影を継いでる
「金網」と「金剛」が似ている!