転生したら鉛筆でした。~ボールペンの悲劇~
初投稿になります。テーマを見て思いついたので書いてみました。
付喪神の転生をする神様がいる場所。今から俺は転生をする!
付喪神は長い年月を経て、物から精霊になれる。長く大事にされるかは運だけじゃない。
完全な精霊になる前から意識があるのだ。
俺たち準付喪神は、大事にされる事で意識が芽生えてくる。
意識が芽生えた事で、小さな行動が出来るようになる。
それが鉛筆なら芯を折れにくくしたり、転がっても見つかりやすい所で止まったりだ。
そうして小さな徳を積んでいく事で、昇格転生していく。
長く大事にされる物になって、付喪神になれるチャンスが来る。
次はシャープペンの準付喪神が、神様に判断してもらう所か。
「鉛筆はイヤ。鉛筆はイヤ。」
おいおい、そんなマイナス発言良くないんじゃないか?(笑)
「ふむ、しっかり徳を積んでいる君は、シャープペン付3色ボールペンだ!」
なん…だと…?言葉は関係ないのか。おっ、次は俺と同じポールペンか。
「君は本当に良く頑張っているね。次は、ぬいぐるみだ。」
!!??? 大出世じゃないか!次は付喪神になってもおかしくない。
まぁ、俺も壊れるまで人間と一緒にいたし問題ない。何でも来い!
「何も言うまい。君は鉛筆だ。」
な、なぜだ!!まさか、キャップを飛ばしてそのまま見つからなくしたことか?シャープペンの芯をちょっとの衝撃でバキバキにしたことか?ボールペンのインクが大量にあるのに詰まらせたことか?
くっ、何が原因だったのだ。変にくるくる回されたり、あちこちにぶつけられたりしたから、少しはやり返した感はあるかもしれない。しれないが、、、ダメなのか?
次はうまくやろう。大丈夫、どうすればいいかはすでにわかっている。問題ない。
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『ガリガリガリガリガリ』
アアアアアアア、頭がかじられて減っていく。
『ガリガリガリガリガリ、ボキ、ガリガリガリガリガリ』
やめてくれ、無意味に削りすぎて簡単に折れてるのに、また削られたんじゃもう・・・。
「そんな短くなった鉛筆捨てなさい!」
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・・・
燃えた、燃え尽きたよ、もう真っ白だ。
鉛筆の一生は短いことが多い。大事にもされず、命が短かすぎれば、準付喪神にもなれない。
物としての最初の登竜門。そして、最後のチャンスでもあるのだった。