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異世界灯台守の日々 (連載版)  作者: くりゅ~ぐ
第2章 バハラと追憶と彼方

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第99話 準備万端いざ行かん


照り付ける太陽に懐かしさを感じた


ほんの数日前の事なのに又季節が戻った様だ


ほんの少し進み又戻る、そして又進み又戻る。


そしていつの間にか季節が変わって居るのだろう。


モリソン兄弟の家に行くと兄弟は表で二人で駄弁って居た。


「だから兄貴もう止めろよな」


「うっせーなぁ、てかイケそうだったんだよ、いってーなぁ向こう脛蹴りやがって、この村の女はどうなってんだ? レディって奴? 淑女はいねーのかよ?」


どうしよう‥‥


二人の会話で何があったか何となくだが分かったんだが‥‥


弟は兎も角、兄は大丈夫か?


「おい」


「あっ守長どうしたんだ?」


「どうしたじゃねーわ、モリソン兄 お前又女に粉掛けて向こう脛蹴られたな?」


「えっ? 何で分かったんだ?」


何で分かったじゃねーよ、お前らの会話が聞こえたんだよ、てかマジでコイツ懲りないな‥‥


ある意味感心するわ、不屈の精神だな。


「まぁ良いだろう、お前ら暇だろ? 小遣いやるからちょっと手伝え」


「何だ何だ? 小遣いって大銅貨でもくれんのか? せめて大銅貨二枚はくれよ」


うん、軽口叩いてるが大銅貨ってのがリアルだな、

そこは大銅貨で無く銅貨って言う所だろう。


まぁ良い、さっさと話を進めよう。


「銀貨一枚やる」

「やるやるやる! てかマジで銀貨なんだな? 実は銅貨ってオチじゃ無いよな?」


コイツ食い気味に‥‥


てか内容を確認しなくても良いのかよ?


ホレ、弟はため息吐いてるぞ。


「兄貴、どんな内容か聞いてからだろ、確かに銀貨一枚はデカイし俺も欲しいけど小遣いにしては額が大き過ぎる、やるやらないはまず守長の話を聞いてからだよ」


うん、流石だなモリソン弟、てかコイツら兄弟、兄と弟が実は逆じゃないのか?


まぁ良いだろう、弟が兄を引っ張ってくれるなら大丈夫だ。


「実はな・・・・・・」


~~~


「う~ん‥‥ なぁ守長、俺は反対だな、止めといた方が良いよ、まぁ小遣いは欲しいが流石にあそこはなぁ‥‥」


「守長、兄貴の言うとおりだ、あそこは危ない他んとこにしときなよ」


皆が口を揃えて同じ事を言うな、特に若い奴程危ないと言うのは子供の頃から言い聞かされて居たと言うのもあるんだろうし、

それと十年前の件が大きいんだろうな、子供の時に起きたから心に深く刻まれて居るんだろう。


「分かってるよ、だが今日は潮の流れが比較的穏やかな日だ、それにカレンにも声を掛けて行くと言ってある、それに加えてお前達と一緒に行くんだ、勿論安全第一、獲れ高より安全を優先する」


「んー ‥‥ どうしても行くのか守長?」


「ああ行く、一度行ってみたかったってのもあるし、あそこのはかなり美味いらしいからな、どうしても食いたい」


あっ、モリソン弟の奴ため息吐きやがった。


「なぁ兄貴、どうせ止めても守長は行くんだ、なら俺達が付いて行って手助けする方がまだマシだ」


「だな、だが守長マジで無理はしないでくれよ、それは約束してくれ、それと俺達の助言はちゃんと聞き入れてくれよ、それが条件だ」


「分かった約束する、頼むぞ二人共」


二人が力強く頷いた、良しこれで準備完了っと。


歩きながら二人と話をしたが、二人がそこに行くのは十一年ぶりらしい、元々あそこは子供だけで行く事を禁じられており、大人と一緒でないと行けなかった。


そして十年前の事故が起きてからは一度も行って居ないので久々だと言って居る。


「十年前もそろそろ行こうって言っててあの事故があったからなぁ」


「だな、親父に何で行け無いんだって聞いても危ない、駄目だの一点張りで俺も兄貴もすっげぇ怒ったもんなぁ、まぁ立て続けに二人も死んだら流石になぁ‥‥ あん時はまだガキ過ぎて分からなかったし、納得出来なかったな」


コイツらは‥‥


まぁ縁起が悪いから言うなって言ってもどうせ、

本当に危ないからとしか言わないんだろうな。


まぁ良いマジで気を付けておこう。




岬に到着し道具を下ろし海を見ると結構荒れてた。


うん、村の浜とは大違いだ、これで普段よりマシって普段はどんだけ荒れてんだよって話だな。


「守長、カギ(・・)はちゃんと身体にくくり付けといてくれよ」


「おう分かってる、心配しなくても失くさない」


カギ、まぁ鉤爪なんだが二人の家から持って来た物だ、俺はコテ、厚みのあるヘラを持って来たんだが二人がそんなんじゃ剥がすのに時間が掛かるからと言い鉤爪を持って来た。


海賊の船長が義手の先に付けてるのっぽいな。


何故かこの様な物に心引かれるよな男って。


「なぁ守長 本当に三百数える間潜れるのか?」


「マジだ六百迄はいける、無理すれば更にいけるな、魔法で空気も作り出せるし、まぁ三百程度で上がるよ」


前以て魔法を発動させておけば大体だが五か六回呼吸出来るだけの空気を造り出せる、

ある程度時間を掛ければ三回、ちょっと時間掛ければ一回呼吸出来る空気も造れるし、

最初に時間を掛けて造り出した空気で呼吸しつつ息を整え次の空気を魔力を練り準備すれば、

二回か三回呼吸する空気が出来るんだ、

それを繰り返せば五分どころか十分は潜れる、

うん、十分以上は潜れるな。


まぁ無理はするつもりは無いから五分程度で一旦上がるつもりではあるがな。


まぁ換気魔法と俺が勝手に言ってる魔法の応用だが魔力をバカみたいに消費する。


地上であるなら魔力の消費量がまだ少なくて済む、

だが水中だと魔力の消費量が洒落にならん位にあるからな、俺の魔力は無限とは言わないが莫大な魔力量がある。


そんでも水中で空気を造り出すのは魔力が減ったって割と早く感じるんだ。


魔力の消費量がえげつない、そう言う意味では、

空気を作るより 造ると言った方がしっくり来る。


多分火事か何かで煙の中でも長時間空気を造り出すだけなら出来る、だがそれでもかなりの魔力を消費すると思うが、水中だと比較するのも馬鹿らしい程に魔力が無くなる。


あっ減ったって感覚が分かるんだ。


何でもかんでも簡単には出来無いよな。


まぁ流石に魔法は万能では無いから当たり前の事ではあるんだが当然だよな。


魔力の消費量が激増するだけで水中で空気を造り出す事が出来るだけでも凄い事だ。


てか俺の今の格好って前世の海女さんみたいだな、

世界が違っても似たような格好になるってのは中々面白い事である。


まぁこれはこの世界では本来女性の肌を隠す為の物であり、いざと言う時に発見しやすい様に着てるらしい。


うん、真っ白だから分かりやすいよな。


てか何十メーターも潜るならウエットスーツがあれば寒さもマシにはなるし、肌も守られるんだが無い物は仕方ない。


「守長、くどい様だけど灯り魔法で光を作り出す時はマジで気を付けてくれよ、この辺りの海では殆んど無いけど槍魚が突っ込んで来る事もあるんだからな、ほぼ無いが逆に言えば極稀にあるって事だからな」


「兄貴の言う通り本当にたま~に居るからな、マジで気を付けてくれよ守長、万が一刺さったら無理して引き抜かない様にしてくれ」


「おう分かってる、身体から少し離して使うから」


槍魚はダツだ、まぁダツは和名だからダツって言っても通じないし、この世界では針では無く槍に例えられてる。


この辺りの海には基本的に居ないが

はぐれの奴が極々稀にだが迷いこんで来るらしい。


まぁ出会うのもそうだが明かりに引き寄せられ、

更にそれが刺さるってのはまず無いと言える確率だが0では無い、そして村でも過去には刺さった奴も居るらしい。


とは言え本当に低い低い確率ではあるがな。


まぁそれでも気を付けておこう、てかダツに何か刺されたく無いしそんなんで怪我すんのは嫌だ。


「兄貴 網絡まってねえか?」


「あっ本当だ、気を付けてたのにな まぁ獲物を入れる網だから‥‥ おっ、ほどけた ほどけた、何だよ捻れてただけかよ」


うーん、獲れたもんを入れる網をモリソン兄弟は家から追加で持って来やがったんだが要るか?


俺は二つあれば十分だと思うんだがコイツらは、

獲れたモノごとに分けるべきだって言って追加でわざわざ持って来やがった。


伊勢海老とロブスターは分けた方が良いとか、

タコはタコだけにして混ぜない方が良いって言ってるんだが、タコは生きたまま入れるつもりは無いんだけどな。


締めてから入れるし、ロブスターも爪は紐で縛ってから入れるんだから問題無いと言ったんだが、二人が言うには邪魔にならないし持って行くと言って持って来た。


てかココは本当にかなり獲れるらしいので、

あっても邪魔にならないし持って行くと言ってコイツら持って来たが本当にそんな獲れるのか?


獲れたら嬉しいが俺は無理するつもりは無いぞ。


「守長 重しはいざとなったら捨てて上がってくれよ、重しより命が大事だからな」


「ん、分かってるよ」


モリソン兄が今日はしっかりして居る、

細かい注意点やチェックを細やかに伝え

漏れが無い様に何度も確認し見て居る。


普段から常にこんなだったらなぁ‥‥


コイツ本当、やったらダメな時にやらかすから評価が微妙なんだよなぁ‥‥


まぁ今更か、ロープを身体にくくり付けてと‥‥


道具に、装備一式良しと、さてそろそろ行く

か。


「おいそろそろ潜る、打ち合わせ通り頼むぞ」


「分かった守長、マジで気いつけてな」


「守長、決めた時間で上がってくれよ、まぁ時間を越えたら俺らが引っ張り上げるけど基本は守長が自分の判断で余裕を持って上がってくれ、俺も兄貴も居るが本人が無理したら助けが間に合わない事だってあるんだ、気い付けてな」


「分かった、頼むぞ二人共」


俺の言葉に二人が力強く頷いた、バックアップも万全だ、一丁行きますか!



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